第24回逸翁コンサート ~帰ってきたタカラジェンヌ~
出演:寿ひずる ピアノ:広田圭美
夜明けの序曲 (「夜明けの序曲」より)
夢の中に君がいる
スマイル
涙そうそう
星から降る金 (「モーツアルト」より)
レベッカ (「レベッカ」より)
見上げてごらん夜の星を
花の舞拍子 (「花の舞拍子」より)
夢人 (「ザ・レビュー」より)
アマール・アマール (「ノバ・ボサ・ノバ」より)
彷徨のレクイエム (「彷徨のレクイエム」より)
1972年に宝塚歌劇初舞台 58期生
1980-1982年 麻実れいトップ時代の雪組で2番手をつとめられ 1982年「夜明けの序曲」東京公演から花組に組替えと同時に惜しまれて惜しまれて寿退団された 寿ひずるさんのコンサートに行ってまいりました。
思えばわたくしが寿さんの舞台を観劇したのは 「かもめ翔ぶ海」「サン・オリエント・サン」「素顔のままで」「ジャワの踊り子」 だけなのですが、寿さんのまっすぐで気品ある歌唱と演技に 初観劇で大好きになった記憶があります。
大阪府 池田市にある 逸翁美術館併設「マグノリアホール」は客席平面の音楽小ホールで 座席はパイプいすです。
舞台にはグランドピアノと譜面台
まずピアニストの伴奏から始まり ご本人袖に隠れたまま歌唱が始まり 歌いながら厳かに舞台に登場されます。
ショートカットにふんわりパーマ、キラキライヤリング 前胸部を大きめのキラキラで飾った黒のドレスでご登場。
ジャワの踊り子 オースマンの印象が強いわたくしは ひえ~~革命青年オースマンは もはやセレブのご婦人や~~~(にしてもこんなに首短い人だったっけ~?)といささか驚きましたが・・・
夜明けの序曲
♪広い世界の 空の下で 思いのままに生きてみたい♪
深い歌いです。
そして
♪目指す彼方は 雲の果て~嗚呼 わが望み~♪
この地声の高音域は 空に向かうようにまっすぐで力強く ああ わたくしの好きだった寿さんの歌唱や~(泣)
このあたりで (わたくしも含め)涙をぬぐう客多数。
「夜明けの序曲」1982年花組 松あきらさんさよなら公演ですが 寿さんは宝塚大劇場ではその後雪組に組替えとなった高汐巴さんとの役替わりで東京公演のみご出演され そのまま退団されましたから 東京に遠征できないファンは 最後の公演最後の役を観ること叶わなかったわけで ファンには何とも複雑な位置づけの演目かもしれません。
―トーク―
「宝塚歌劇100周年の年に 宝塚にゆかりのあるこのマグノリアホールによんでいただき感謝しております」
「わたしは “裏切る形で”卒業したので・・・」
瞬間ぎくりとしましたが なんのなんの ここで客席大爆笑!!
「なごみました?(笑)、 関西では退団公演をしていない。 松あきらさん(演じる音二郎)に、高波君 あとは頼んだよと託される役柄だったが 東京公演前の集合日に 先生から“托されへんようになったしな”と 周知された」
「この土地に帰らせていただき」かなり涙声で「自身の宝塚が終わったこの曲で始めさせていただきました」
夢の中に君がいる
“夢の中に君がいる”は岩谷時子さんの作詞曲なのだそうです。
事情は良くわかりませんが レコーディングの時に岩谷時子さんが来られ 「イーちゃんの声が聴きたかった、 コーチャン(越地吹雪)の若い時にそっくり」と言われたそうです。
スマイル
裏声のソプラノも ビブラートとノンビブラートを使い分けておられました。
由紀さおりさんの歌だそうです。
「宝塚時代は “異端児”と呼ばれ シャンソン、カンツオーネは殆ど歌わなかったが これから歌っていきたいと思う」
涙そうそう
天国へ行かれた方 お父さまが亡くなられたことに少しふれられ 「世の中いろんなことがあるが 前向きに生きていきましょう」
寿さん少し涙 客席も深い歌いに すすり泣き
星から降る金(ミュージカル 「モーツアルト」より)
レベッカ(ミュージカル「レベッカ」より)
「ちゃんと歌えるか不安ですが・・」なんて事前に述べられましたが なんの 堂々たる歌唱!
特にレベッカは 地声の絶唱で流石現役ミュージカル女優。
拍手鳴りやまぬ感じでした。
しかし絶唱後の寿さんは ぜーぜーと 水分摂取。
「東京での還暦(←強調)ライブでも歌った、 この2曲は声が出る限り挑戦していきたい」
見上げてごらん夜の星を
「世のなかいろんな事件があったり憂鬱になることもあるが」
寿さんは 昔から あお星さまだ!と星を見上げる習慣があり この曲が大好きなのだそうです。
2番からスウィングジャズっぽい編曲になり 手拍子が入りました。
ピアニスト 広田圭美さんの紹介
このホールから車で10分以内の地が御出身だそうで 小中高と附属池田に通われていたそう。今日“鍵盤ピアノ”持参を忘れてしまったので ご実家の押入れの奥からご両親が探し出して持ってきてくださったそうです。
ここで 質疑応答形式のプチトークとなりました。
寿さんが トークは苦手ということで 司会者としてこのホールのマネージャー?にして 元宝塚生である方がご登場。
寿さんは 大阪市東住吉区針中野 という 巨大商店街がある地の御出身だそうで 帝塚山学院小学校時代の同窓生の方も客席におられました。
―受験のきっかけは?
小学生時 宝塚映画で子役をやっていた。
現在 音楽学校副校長である 葉山美千子さんに「あの時のはるみちゃん?」といわれた。
歌が好きで受験したが “宝塚”をちゃんと観劇したのはまさに“受験日”
―初舞台の思いでは?
口上をさせていただいた(当時全員口上ではなかったそうです)、当時の化粧は 消したい。
当時の憧れは 2番手をされていた郷ちぐささん。
良くわかりませんが 歌舞伎界のお知り合いの方(坂東じゃないですよと強調(笑)片岡ヒデトモさん??)にかわいがってもらったが その縁で榛名由梨さんにもかわいがってもらい 楽屋で手伝いをしたが ある時期から 「あんたは手伝いしている場合でないからもうせんでええ」と言われた。
―トップ直前の退団だったが?
「それを言われるとひっこみたくなる」
―未練は?
「すごく悩んだ 松あきらさん退団、順みつきさん一回で退団、そして 寿ひずる一回で退団となれば 組子の立場で考えると落ち着かない花組で嫌だろうと思った、簡単なことではなく本当に悩んだ」
涙されたので 司会者がお詫びされました。
―復帰までの15年について。
全くレッスンはしなかった。
歌舞伎界は 女房が代わりに挨拶~など非常に忙しかった。
ディナーショーをしたが 家人が寝静まってから準備をし 自分も疲れて寝てしまうという状況で 二束三文は無理だと思った。
二度と復帰しない覚悟だったので アクセサリーはすべて後輩に譲り 楽譜はすべて処分してしまった。
―ご家族について
長女は (今の自分はこんなですが・・笑)手足が長い点が自分と似ている。
次女は 雰囲気が似ている。
息子さんは(歌舞伎俳優) 素顔は実父(三津五郎氏)にそっくりで“実印君”と呼んでいたが メークすると母にそっくりとよくいわれる。
最近の舞台で “宝塚メーク”をすることがあり “自分でメークして お母さんかと思った”と述べられたそう。
「親子共々よろしくお願い申し上げます。」
宝塚特集
花の舞拍子 (「花の舞拍子」より)
伴奏はジャズっぽく 歌唱は和物そのままの歌唱でしっとりと。
あえてジャズっぽく歌わないところが クロスオーバーで素敵です。
夢人 (「ザレビュー」より)
「自分の頭には 安奈淳さんの歌声が残っている。」
ぶっ続けで
アマール.アマール (「ノバ・ボサ・ノバ」より)
途中で男性の“イーチャーン”の声援あり。
ノリの良い歌を歌い終わり 寿さん ぜーはーぜーはー息切らせながらも
「自然に開脚してしまう 見苦しくてすみません(笑)」 と。
そしてとうとう最終曲
彷徨(さすらい)のレクイエム
客席の 相手役オリガを演じた鳩笛真希さんが紹介されました。
この楽曲になると 当然のことながら 客席からすすり泣きが・・・
簡素で覚えやすく心に残る宝塚の名曲です。
寿さんも トークでは涙で声を詰まらせておられました(歌唱はスイッチが変わり完ぺき)。
「客席に懐かしい顔ぶれが沢山いる。
帰ってきてよかった。
この楽曲は本来 レ,ク,イ,エ,ムを一音ずつ歌うよう寺田瀧雄先生に指示されていたが レコーティングで ♪れくーいえーむ♪と勝手に変えた。」
「最近発売された100周年記念CDが送られてきた。
“春日野八千代先生の歌も入っているのだ~と聴いていると 「彷徨のレクイエム」一番のみ自分の歌唱を入れてもらっていた。 自分はトップでもないのに 100年を代表する楽曲として自分の声が入っていて このことを知らなかったので本当にうれしかった。」
寿さん嗚咽 客席もすすり泣きマックス。
「これからも頑張ります。」
拍手当然鳴りやまずアンコール
終わりなき旅 美空ひばり
「必ずこの曲で〆るようにしている。
子供のころから美空ひばりさんが大好きで 一生大切に 声が出る限り歌い続けたい。」
寿さんのオリジナル曲かと思うほど素晴らしい絶唱で 割れんばかりの拍手。
最期のアンコール
のっしのっしと舞台の壇上に上がられ
「歌い終わったら 60歳になっちゃう」
「幸せになります と言って退団した私が 今本当の幸せはここにある(←だったかな?) これからもよろしくお願いします」
終演
終演後 目真っ赤に充血している人の多いこと・・・
わたくしは歌舞伎と芸能ニュースには疎いのでよくわからない部分が多かったのですが 少なくとも寿ひずるさんの歌唱は 「宝塚の古参ファンありき」などではなく ばりばり現役歌手でした。
そして 地声の絶唱は 宝塚時代と遜色ない実直な力強さがあり、 (蘭寿とむさんもそうですが) アイウエオどの音も絶唱しても歯の露出しない気品がある点も全くお変わりなかったです。
トークで ちらちらと披露された 波乱万丈らしい退団後のエピソードは “切り売り”というより 懐かしいファンの方との“共有”という感じ。
なんだかプライベートな小規模で暖かい会場ですが 小会場ではもったいない歌唱を聴かせていただきました。
これからも どこかの舞台で ミュージカル女優寿ひずるさん にお会いできるのが とってもとっても楽しみです。
寿さんのトークに「 」を入れたり入れなかったり一貫性がなく申し訳ありません。
寿さんが語られた言葉そのものではなく 何書いてあるかわからんわたくしのメモの掘り起しにて 間違いもあるかもしれません。
とりあえずアップしますが 誤字脱字 後程訂正いたします。