6月13日。
雲が広がる中でも初夏の陽気を感じる11時30分。四日市駅から四日市競輪場へ向かうファンバス。
沢山の年配男性が乗る中で1人ポツンと30代の男が混ざる。
ミスチルの『君がいた夏』を聴きながら勝手にエモい気分になっていた。
曲が終わり、次の曲が流れるまでの10秒間、イヤホンを付けた耳にふいに静寂が訪れる。
と、その静寂を切り裂くように聞き慣れた声が響いてきた。
大津さんの声だ。
岸和田2レースのゴール前
『最後は小倉が伸びたか!!』
車内のファンがYouTubeで岸和田の高松宮記念杯競輪を見ていたのだろう。
競輪ファンからすれば移動中にもG1を楽しむという当たり前の行為なのだろうが、それを聞いてなんだか更にエモい気分になった。
こんなところでも大津さんの声が聞こえてくる。
すごいなあ。G1の実況をするすごさを、今はより感じられる。
もしいつの日か誰かが別府競輪のダイジェストを見ていて自分の声がすぐ近くから聞こえてきたら
…
そう思うとなんとも言えない気持ちになって身震いした。
気付けばイヤホンから流れる『君がいた夏』はとうに終わって、マッキーの『もう恋なんてしない』が流れていた。
ナッツ