別府モーニング終わりに、なんとなく気分が高まって海鮮丼を食べに行くことにした。

別府ではそこそこ有名な料亭だが、平日はランチメニューもあってリーズナブルに美味しい料理をいただける。

 

感じの良い店員さんに、格式高い個室に通されて一通りメニューを見たあと注文を済ませる。

そして10分後、お目当てのソレは来た。

 

色々な種類の魚が彩られていて味も美味しい。満足だった…のだが、食べている途中に怒号のようなものが聞こえてきた。

 

「おーい!あがったよ!!!」

 

どうやらお店の大将らしき人が店員さんに向かって大声を出して、料理が出来上がっていることを伝えているようだった。

出来るだけ新鮮な内に料理を提供したいのだろう。

いやまあそれなら威勢が良くていいことなのだが、そのトーンがあまり気持ちの良いものではなかった。

 

例えるなら、お母さんが子どもに対して「ちょっと!そこ片付けといてって言ったでしょ!!?」というテンションだ。

非常に分かり辛い例えを出してしまったかもしれないが、要は怒気を孕んだ声なのだ。

 

客としてきている私にとってはそれは騒音でしかなく、隠れて聞こえないところでやってくれないか?

と思ってしまうのだ。

せっかくの美味しい海鮮丼をいただく空間がそれだけで台無しになる、そんな気分になってしまう。

 

そして残念ながらこういう店には時々遭遇してしまう。

いくら美味しくても、店員さんの愛想が良くても、素敵な雰囲気のお店でもなにか一つが欠けるだけで途端に「満足度」は下がっていってしまう。

 

こんなことを書いている客も大した客ではないのだが、店を後にしそっと口コミで調べてみると私と同じような感想を持った人がいた。つまりはそういうことだ。

私がたまたまその、怒号が聞こえる場面に出くわしたわけではなく、常日頃からこういうことを客の前でやっているお店なんだろう。

 

なんとも言えない気持ちを持ったまま帰宅した。

恐らく2度目はもうない。

 

新たな海鮮丼を探そう。

 

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