人生生きていれば

映画のワンシーンのような現場に遭遇することがある




わけない。



そう思ってた過ごしてきた。


先日、サテライト大阪で予想会があった。

予定より1時間くらい早く着いたので、

久しぶりに日本橋で飯でも食うかと辺りをブラブラ。


優柔不断が顔を出し、

あれでもないこれでもないと考えているうちに

入り時間が近づいてきた。


結局、これまで何回も行っているカレー屋さんに行くことにした。


急遽入れてもらった仕事。

これは臨時収入が入ったのと同じことだ、と

カツカレーにチーズまでトッピングしてしまった。


美味い。

いつ食べても想像してる味を出してくれる。

隣の人に断りをいれて福神漬けとらっきょうを。


こりゃあ、今日の予想会は当たっちゃうな

なんて思ってニヤニヤしていたら

一組の親子が入店してきた。


『お2人さんですか。

こちらへどうぞ〜!』


『いえ…すみません…

この子だけでも良いですか?』


『はいっ?』


『私は大丈夫なので、この子にカレーを一杯お願いします。』


これはなんとも言えない展開になってきた。


一杯のかけそばではないか。


このお店はカツカレーが有名で

ほとんどの客がカツをトッピングしてる中で

素カレー。


坊ちゃん刈りで青のジャンパー。

お行儀良くカウンターに座り料理が出てくるのを待つ僕。

お店に迷惑がかかるので、私は外で待っておきますと言い残しお母さんは出ていった。


こうなると僕の脳内妄想世界は膨らむばかり。


一体全体どうなってこんなことが起きてんだ。


エビフライでもトンカツでもチーズでも

この子が喜ぶなら、

こっそりトッピングでも付けてあげようかと思ったけど、結局そんなことも出来ないまま

その子の隣で僕は自分のカレーを黙々と食べ続けた。


まさかこんなスパイスが今日のカレーには付いてくるなんて。


その後の予想会は全部外して

負けに負け倒してしまった。


チーズとカツのトッピングを悔やんだのは言うまでもない。