「BLACK SWAN」 | NN

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エンドロールが流れ始めると、大量の汗となぜだか整わない呼吸の為


しばらく席を立つことができなかった。大げさかも知れませんがそのくらい衝撃的な作品。


これは劇場で見るべきですね。




RoY



【あらすじ】


ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、元ダンサーの母親・エリカ(バーバラ・ハーシー)の寵愛のもと、人生の全てをバレエに捧げていた。そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れる。だが純真な白鳥の女王だけでなく、邪悪で官能的な黒鳥も演じねばならないこの難役は、優等生タイプのニナにとってハードルの高すぎる挑戦であった。さらに黒鳥役が似合う奔放な新人ダンサー、リリー(ミラ・クニス)の出現も、ニナを精神的に追いつめていく。やがて役作りに没頭するあまり極度の混乱に陥ったニナは、現実と悪夢の狭間をさまよい、自らの心の闇に囚われていくのだった……。


(出典:goo映画








この映画、とにかく登場人物がみんな怖い。


ホラー映画ですか?っていう人もいるみたいなので


やっぱり怖いと思う人が多い様。





まずは母親。




かつての自分と娘を重ね合わせ、執拗な愛情と執着心。


ニナは拒食症の症状や自傷行為が母親にばれないように


気を遣ったり、母親の機嫌を損ねないように理想の娘になろうと努めていたが


役のプレッシャーと相まって、ついに崩壊し母親に反発し傷つけてしまう。


しかし、ラストの白鳥が行き途絶えるシーンでは母親の顔を見つけ


倒れこみ安堵の表情。母親の思いはいつしかニナを洗脳し、ニナはバレエの為


に生きている。そのことしか頭にないのだ。


この洗脳がなければ、ニナの精神的苦痛は生まれなかっただろう。


ニナのことを一番心配し、そばにいる存在でありながら、この結末の根源は、明らかに母親にある。


   


続いて、リリーだ。




RoY



リリーみたいな女の子いるんだな。

ニコニコしながら近づいてきて、あっという間に色々なものを奪って去っていく。


ただ、この映画の場合は、現実なのかニナの幻覚なのかの区切りが曖昧に映し出されている為


本来はニナと仲良くなりたいだけの女の子であったのかも知れない。


ニナの幻覚は臆病なくせに負けず嫌いという気性(母親のせいかもね)が発端かと思う。


不安でたまらないから、負けてしまう気がしてならないから。


彼女を悪者にすることで、自分の精神を安定させる。




自身で意図せずしてつけてしまったニナの背中の傷

方や、自身で好んで彫ったであろうリリーの背中のタトゥ

これも対称的でこの映画をより引き立てている演出でした。


そういえばこの二人のレズビアンシーンも見もの。両極端の役柄であったので


それぞれの役割がわかりやすくそして二人とも美しいという。


ニナは自分にないリリーの魅力に嫉妬し、でもそれを認めたくないという気持ちと


負けてしまうのではないかという不安に次第に押しつぶされてしまうのだが、


自分は主役に抜擢されているにも関わらず、幻覚だけでリリーの事を殺してしまう


それくらいの強い魅力っていうのも恐ろしいことだと私は思いました。


ニナが見事に黒鳥を踊りきった後に、生きたリリーが見事だったと言いにきて


ハッと我にかえるニナ。そこでようやく自分は何に躍らされていて、何と戦ってるのかが見えてくる。


自分の魅力は自分で見出さなければならないのだが、また自傷行為をやってしまった。


それもかなり激しいやつ、それでも踊るニナさんすごい。


この二人の関係を見ていると、やっぱり女性同士のライバル関係って壮絶だなと痛感しました。


  

そしてこの男。




RoY





マジメで穢れの無いニナを見事な黒鳥へと導いた男。


主要な登場人物では唯一の男性だが、男性の要素はあまり感じなかった。


完璧主義者は、ニナではなく、この人の方ではないかとむしろ思う。


もともとバレエの世界は、厳しい世界ではあるだろうけれども


精神が崩壊していこうが、泣こうが、怪我しようが、事故に合おうが全て実力主義。


自分大好き人間。と呼びたい。


結局ニナは最後までこの男とはやらなかった。


結局好きでもないし、ニナが愛しているのはなによりもバレエであり


ただその根本にはまたしても母親の存在が出てきてしまう。


  

  

恐怖を通り抜けると快楽になってくる感覚。黒鳥。

ハッと我に返り、元のマジメで穢れのない白鳥ニナに戻る。


まるで別の人かと思うような衝撃的なブラックスワン。最終的に一番恐ろしいのは、完璧なブラックスワンと化したニナなのだが、

ラストのバレエシーンは本当に引き込まれてしまった。


映画館は暗いからいいけれど多分私すごい顔してたな。。と思う。




その衝撃の裏には俳優達の演技はもちろん音楽、衣装、メイク、カメラワーク


色々な演出が相乗効果をもたらしている。


黒鳥のメイクすごかった。




RoY





CMで流れているときからすごいなと思ったが


これで踊っている姿はもっとやばい。





私もかつてバレエを習っていた身なので、

またレッグウォーマーやトウシューズのくたびれた感やバーレッスンの風景など


違和感が全くなく、演出すごい!

あと感心するのは、ナタリーポートマンの役作りだ。9kgもやせたそうで


バレリーナは男性に持ち上げられるので、やせないといけない宿命であり


かなり練習してるなって感じが伝わる。もともとバレリーナだったそうなのですが


それでもブランクがあってこの演技はすばらしいと思います。    








八日目の蝉
もブラックスワン


どちらも面白いですが全くちがう女性の話。


男性が見てももちろん面白いと思いますが、


より感情移入できるのは女性かも知れませんね。




本当に今年は映画の当たり年かも。





おすすめ度:95点




-RoY-