漫画を読む | たっくのブログ

漫画を読む

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久しぶりに漫画を買った。
前回買ったのはいつだっただろうと思い出せないくらい久しぶりの漫画だ。
本のタイトルは「ギャラリーフェイク」作者は細野不二彦さんだ。

主人公である藤田はメトロポリタン美術館のキュレーター(学芸員)という経歴を持ち、アメリカを離れた後、日本で贋作(偽物の作品)ばかり扱う画廊を営む。この物語には洋画、彫刻、器、建築、版画、浮世絵、など多くの美術作品が登場しその歴史から現代の美術に対する認識というものを描いている。


この本が発売されたのは私が中学2年生くらいの時で、私は当時からこの本を読んでみたいと思っていた。
それが、何度かペラペラ読んでみたものの、中学生の私にとっては少し難しい話のように感じてしまい、どうも本を買うことができなかった。


それから20年以上経つ今も、古本屋に行ってはこの本を横目に見て当時のことを思い出していた。


私が小学生、または中学生だった頃、家の中には大量の漫画本があった。
つまり私は漫画好きな少年だったのだ。新しく出る漫画は普通の本屋で買っていたが、そうではないすでに完結している漫画は当時の古本屋に40分ほど自転車をこいで通ったものだ。

男兄弟3人で一緒に古本を買いに行ったこともある。
6歳離れた長男は「NINETEEN19」(ナインティーン)きたがわ翔 作を、3歳上の次男は「ビー・バップ・ハイスクール」きうちかずひろ 作を、私は「魁!男塾」宮下あきら 作をそれぞれ買ってご満悦で家に帰り、それぞれの部屋で読んだことも覚えている。


我が家は兄弟共々漫画好きだったため、家の本棚には約1000冊くらいの漫画があったこともある。
その頃、私の家に遊びに来ていた友達たちは私の部屋に入るとまず本棚から好きな本を何冊か選び、それぞれが別々の漫画を読んだりしていた。今で言う漫画喫茶のような状態だった。


今でも、実家に帰れば半分くらい(500冊)の漫画が残っているが、それらすべては当時の時代に発表された作品が多く、ほとんどが20年以上前の漫画となる。私はそれらすべての漫画を10回以上は読み返しており、その当時の漫画についてはちょっと詳しかったりする。


しかし、私の読んでいた漫画は当時の流行りとは全く異なるもので、小学生や中学生の頃、爆発的に人気だった「ドラゴンボール」や「スラムダンク」などは本棚に無い。むしろもっと前の「キャプテン翼」や「らんま2分の1」「4P田中くん」などはバッチリ揃っていた。


私がその当時1000冊ある中に何度も何度も読み直した漫画がある。
漫画が擦り切れて、途中の糊がはがれるまで読んだ漫画は「大東京ビンボー生活マニュアル」前川つかさ 作であった。
私の周りで、当時この本を真剣に読んでいた小、中学生はいなかった。

簡単にストーリーを説明すると、主人公は東京に生活するビンボー青年であり、ボロいアパートに住んでいるのだが、彼はそのビンボー生活を楽しんで過ごしている。日銭を稼ぐようなアルバイト、夕食をいかに節約するのか、色々な人に助けられながらも彼はとても豊かに生活している風景をただただ綴っている計5巻である。


ストーリーには特に大きな山場も谷場もなく、なぜか私はこの本を読むと心が落ち着き、とても心地よい雰囲気になったことを今でも思い出す。とても不思議な本だった。



こうしたように、漫画の話をすると色々な思い出が出てくる。
今、読んでいる「ギャラリーフェイク」の細野さんの漫画もバツ1子持ちの若い女性と同年代の男性の恋愛を描いた「ママ」や銀行員でありながらプロボクサーの2束のワラジを持つボクシング漫画「太郎」やツアーコンダクターの仕事を描いた「りざべーしょんプリーズ」など、いくつか私も読んでいたため、絵が懐かしく感じ親しみやすいというのもある。


20年経った今、ついに「ギャラリーフェイク」を手にして読むことができた。
私の幼き頃、叶えたかったことが今36歳になって叶えられたのであった。
この姿を、幼き頃の私に見せてあげたいくらいだ。


そんなことを思いながら、私は本の続き読み始める。










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