静岡旅行 2泊3日 ⑦ | たっくのブログ

静岡旅行 2泊3日 ⑦

2日目 アジア料理amakara

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1品目 焼き豚
豚肉に味を染み込ませゆっくり焼き上げる。
長ネギとパクチーが効いた前菜。

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2品目 牛肉のサラダ
丁寧に焼いた牛肉にピリ辛ベースのソースが合う一品。
サラダと一緒にお肉を食べるというスタイルがアジア料理の醍醐味かもしれない。
音楽で言えばソプラノ、アルト、テノール、バスのように
香りと味のハーモニーを奏でるような料理だ。


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3品目 水餃子
モチモチの皮を自家製ラー油でいただく。
思わずふふふ。と笑みを浮かべてしまう一品だ。
きっと店主のこーちゃんもこの包んだ皮が出来上がった時ふふふ。と笑みを浮かべたにちがいない。
その思いがそのまま伝わりふふふ。という成分が料理に組み込まれている。
レシピには載らない調味料「ふふふ。」は作り手の思いが込められているのだ。


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4品目 青菜炒め
私は三重県に来てからというもの沢山の青菜炒めを食べてきた。
それぞれのお店で美味しい!と言っていたが
アマカラの青菜炒めは別格だった。
一見シンプルに見えているが決してシンプルではない。
料理を作る上で実はこれが一番難しいのだ。


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5品目 鶏肉をハーブで巻いたもの
料理名は分からないが鶏肉を甘口ベースで味付けし
それをハーブで包み揚げたものだ。
旨味と柔らかさがとても美味しい。
こんな食感を出せるなんて驚きだ。
私は鶏肉のさらなる可能性を見てしまったのかもしれない。
このハーブで包んだ包みを開けていき
中から鳥肉が出てくるライブ感がとても食欲をそそる。


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6品目 ちまき
大きな蓮の葉で包んだ中には干し貝柱のだしが効いた
ご飯が入っている。優しく繊細な一品だ。
店主のこーちゃん的にはもっと改良できると思っているかもしれないが
十分美味しい。
しかし、私たちがいくら美味しいと言っても
作り手が納得しなければいけないと考えているのかもしれない。




この他にもデザートがあったが、なぜか写真を撮るのを忘れてしまったようだ。
というか、私が撮った写真は一枚もなく、すべて妻にお任せしていた。
私は写真を撮ることを考える前に食べたくなってしまうからだ。

食べる専門だ。ぶー




兎にも角にも再三言っているがアマカラ料理は美味しい。
アジア料理として名を売っているが、これはもう国や地域のカテゴリーではなく
「こーちゃん」という個人でしか成せない技と感覚が料理に現れている。

本人はレシピ本を見れば誰でも作れるよ。というが
私はそうは思わない。
寿司の握りを真似してできない事と似ていて、
例えば同じレシピ本を見ても受け取る感性、センスが違うのだ。

レシピ本を見て「そうしなければならない」と思う人と
「そうすることを受け入れる」と思う人の違いかもしれない。

アマカラ料理は後者であり、後者には自分軸が存在する。
この、自分軸こそがどんな分野においても輝く源となり
私はそこに感動するのだ。





そしてここから私がアマカラに対する感想を書きたいと思う。
私がアマカラに行くたびに札幌でやっていた自分のお店のことを思い出す。
毎日メニューを考え、料理を作り、お客さんに振る舞う。
お客さんは「美味しいね~!」「これどうやって作るの?」と私に聞き
自分の料理が受け入れられて、喜んでもらえているのだと実感できた。

しかし、経営となれば話は変わり
先の見えないスパイラルにはまっていった。

私はもっと美味しく、もっと新しい料理をと考えるようになり
現状を変えようと必死になっていたのだ。

私にできることはもっとお客さんに喜んでもらえるような料理を作ることしかない。と考え「経営」とは何ぞや?というところを見向きもしていなかった。頑張ればなんとかなる!もっと頑張らないと!と常に自分を鼓舞していたのだ。


結局、どれだけ喜ばれようとお店の経営はうまくいかなかったのだ。


本当に頑張るべきところを見ようとせずにいた。


お店を閉店してからも、どうして自分のお店が閉店しなければいけなかったのかがわからなかった。
あれだけ「美味しい」と言われていたのに何が原因かが理解できていなかった。



今、思うことはこういうことだ。
「私は自分のお店をどうしたかったのか?」


ギリギリでもいいから続けていきたかったのか。
繁盛して2号店、3号店と広げていきたかったのか。
多少大変さもあるが仲間たちと和気あいあいできる場にしたかったのか。
自分の趣味、趣向を通しわかってもらえる人にだけわかってもらえれば良いお店にしたかったのか。


こういったことが明確に見えていなかったのだと思う。
これは「経営」につながる。

「経営」とは数字の計算、従業員の管理ではなく
そもそも「理念」があること。


「経営理念」というものが企業に存在するが
自らの経営を通してどうしていくのかをはっきりさせる大きな基盤なのだ。

この基盤を元に考え、行動し、作り上げることこそ
本当の意味で続けていく本質となる。


私にはここが欠けていた。

ただ作りたい。料理が好きだ。良いお店でしょ。と言っていた。
常連さんはそうだね。美味しいよ。と言っていた。
そうだよと言われているのにうまくいかない。
美味いと言われているのにうまくないのだ。

そしてもっと美味しい料理をと考え
美味しいでしょ?と聞く
美味しいよ。と言われる
でもお店はうまく行かない。

この堂々巡りが繰り返され
遂には周りに無理がかかり
築き上げてきたものが少しづつ崩れていく

こうした悪いスパイラルにはまってしまい
私のお店は閉店した。



私はアマカラに行くたびに自分のお店を思い出す。
すごく美味しくて最高なお店が無くなってしまうのは嫌だ。

これは私が勝手に思う気持ちで、実際こーちゃんがどう考えているのかはわからない。



この日
たくさん食べて
お店を後にし
妻のみっちが口にした言葉がある


「もしかするとこーちゃん、新しい事をしたがっているのかもしれないよ。」







つづく

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結局は今与えられているものに感謝できるかどうかに尽きるよね~。
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