半島を出よ | たっくのブログ

半島を出よ

image

みなさんこんにちは。
私はすっかり村上龍にハマっています。

こういった本を読みだすとつい時間を忘れてしまい
結局毎日夜の3時まで読んでしまいました。

「半島を出よ 上・下巻」
面白いです。

これを読んでいると実際のニュースで流れているイスラム国の話が
そのままこの本に書かれているのではないか?と錯覚します。
この「半島を出よ」は北朝鮮の話ですが、日本の対応や日本人の反応が
そっくりそのままこの本に書かれているようで
私にはとてもタイムリーに感じました。


村上龍さんが伝えたいことを私は正確に読み取っているかどうかわかりませんが
私なりの感想を述べたいと思います。


まず、この本の登場人物はとても多いのです。
多すぎて覚えきれません。さらに朝鮮人やカタカナの日本人、内閣府の肩書きを持つ日本人など
多い上に私の知識では理解できない人物がたくさん登場するのです。


読んでいくうちにどんどん人が増えていくので最初私は
「覚えきれないよ~。」と思いながら読んでいました。
しかも、その一人一人に人生のストーリーがあって
今現在に至るまでの話も同時に書いてあります。


しかし中盤、本全体のストーリーを読んでいくと
多い登場人物の中でもすごく目立った人物がポツリポツリと出てくるのです。
そのグループのリーダーであったり、ものすごく得意稀な才能があったりする人物だけ私の中の印象に残り覚え始めます。



そのままストーリが進んでいくにつれて全体的にクライマックスを迎えようとするのですが
その時読んでいる私に変化が出てきます。

「あれ?あの人はどうしたんだっけ?」
「あれ?この人はどこに居たんだっけ?」

と今まで印象に残っていなかった人物に興味を持ち始めるのです。
その人数はどんどん増えていき、いつの間にかほぼ全員が主役のように感じてきます。

みなさんの個性が光りだし、誰が一番だとか、この人が主人公だとかという感覚がなくなります。


私がこの本から感じたメッセージとは
これはとても日常的で現実に起こっていることだということです。
一人一人の生活がプライドがトラウマが複雑に噛み合う人間関係を
見事に書き上げている作品だと思いました。


まるで札幌にあったフリースペース黒豆のようでした。

そこには主人公はいなく「あの人どうしているのかな?」と思う一瞬があります。
ずーっとその人のことを考えているのではなくて、一瞬だけよぎるような感覚です。


話全体のストーリーももちろん面白いです。ドキドキする場面もなんどもありました。
しかし、それ以上に感動したのは膨大な情報量と人を映し出す背景でした。


最後のあとがきに「この本を書き上げるのに10年かかりました。」と書いてありました。
もう、この人は変態ですね。


というわけですっかり村上龍にハマってしまい
いつの間にか私の部屋に増えていく村上龍ワールドでした。

image



ランキングに参加しています。私も夢中になると時間を忘れます。という方はポチッと押してね。
三重県 ブログランキングへ