42話 私達のパリ | たっくのブログ

42話 私達のパリ




無数に置かれたイス。そしてパレット。無造作に置かれているように見えるがそれとなく考えられた配置。沢山の絵が並び絵の具の匂いが漂う。似顔絵を描く人や風景絵を描いている人もいる。

それぞれがそれぞれの動きをしていて、バラバラにみえるようでどこかこの街に共通した繋がりを感じる。
イスと作品が置かれているが、そのほとんどのイスには画家の姿は見えない。

まだ、朝が早いせいなのか、寒いからかわからないが。みんな思い思いに行動しているように感じた。






画家同士の交流も面白そう。
みんな画材を持っている。







この街には私達が映画で見た。思い描いていたパリが存在していた。
この街に出会うまであの映画で見たパリはもう無くなってしまっているのだと思っていた。100年前にピカソやゴッホ、モディリアーニやヘミングウェイが語り合った場所は消えてしまったのだと思っていた。

勝手に描いていた私のパリはここに出会うまで、少しガッカリしていて寂しくも思えていたがこの街とこの光景、この人達を見た途端全てが嬉しくなってテンションが最高に上がる。

ふっと日本人らしき画家も見えた気がするがどうやら気のせいではなかったらしい。
後にわかった事なのだが、北海道出身の画家もこの街に住み作品を描いていると聞いた。
あぁ、声をかければ良かったぁ。

そして、この三人組はまた素晴らしい!




パリでストリートミュージックをやるには街の許可が必要だと聞く。
下手な演奏はパリには似合わない。やるからにはそれなりのクオリティーが無ければ演奏させてもらえないという。


この3人組のユニットはそのクオリティーは凄まじい。
歩く人、歩く人の足を止め演奏に耳を傾ける。
ギターとカホン、歌というごくシンプルな演奏に私達も聞き惚れてしまった。





何曲も聴かせてもらったあと、私達は10€のCDを買う事にした。
素晴らしい!素晴らしい!と何度も日本語で言う。

この後Facebookで繋がる事になり、誕生日などで連絡を取り合ったりする。
Facebookって凄いなホント。



何度でも言いたい。
モンマルトルは最高だ。もう一度来たいと心から思う。
当初言われていた事で何が危険な街なのかさっぱり分からない。

少なくとも私達が見たパリの中では最高の街だったと言える。
こういった芸術家達がいる事だけではなく、この街にはまた別の顔が存在する。
それは、世界的に有名な夜の顔だ。

今居るこのサクレクール聖堂付近には神聖な空気と芸術が溢れているが、少しここから丘を下りメインストリートに出るとそこは、大人の遊び場だった。





映画「赤い風車」やフレンチカンカンで有名な「ムーランルージュ」もここにある。
1800年代ここにロートレックやルノワールなどが来ていて絵を描いていた。
まだピカソやゴッホ時代のさらに前の話だ。











そしてここは映画「アメリ」の街でもある。
これだけどこの景色を撮って絵になるんだから素晴らしいよね。
パリで言う「下町」に値するものなんだろうけど私はシャンゼリゼ通りより、この通りの方がよっぽど好きだ。