25話 TRATTORIA DONA ONESTA | たっくのブログ

25話 TRATTORIA DONA ONESTA

さてどうする?どうする?
どういうプランにする?

もう一日ヴェネチアに一泊するか。
それともパリへ行ってしまうか?

私達が考えていたパリへ行く交通手段は飛行機ではなく、ヨーロッパ鉄道にしたいというものだった。事前に調べた情報だとヴェネチア~パリの鉄道は存在していて、時間は1日半くらいかかるという。料金は一人€120くらいだったかな。


ホテルで一泊する値段を考えたら、決して高くない値段だと思う。
そして、パリのホテルはどこも高い。
イタリアと比べても格段にホテル代が高いため、ヨーロッパ鉄道も候補に挙がっていたのだが、この鉄道チケットはどこで買ったら良いのか?どこから乗ったら良いのかがこの時全然わからなかった。

まずはもう一度ヴェネチアの駅に行って情報を得ようと歩きだすと駅の隣に「無印良品」がある事に気がつく。「あれ~?これって日本のだよね~」
そういえばフィレンツェでは日本人に出会ったが、ヴェネチアに来てからは一人も見かけていない。

観光客すら日本人に出会っていない。
それは多分私達がまったく観光スポットではない所を歩いていたのだからだと思うし、何よりも興奮していたからだと思うが。

この無印良品に日本人が働いているのではないか?と考え、中に入ってスタッフに聞いてみたが、残念ながら日本人はいないという。
むむう~どうしよう?

あぁ!そうだ。
長友さんに相談してみようか?
今回の旅のチケットを取ってくれたHISの長友さんにメールで聞けばわかるんじゃないか?
という事で私達はスマホが繋がるwi-fiスポットのある所を探した。
ディナーもそこで食べられたらいいなぁ。




そこで見つけたのがこのお店。
張り紙に「Free wi-fi」と書いてある。
美味しそうな匂いもするし、入ってみるか。

中に入ると一人可愛い女性が接客してくれた。
メニューを見ると「日本語メニューあります」と書いてあるので、私はそれを頼んだ。
それを聞いた彼女は凄く嬉しそうにメニューを持って来てくれたのだ。
その振る舞いをみて、あぁきっとこの子は日本に興味があるんじゃないかな?と感じた。








出て来た料理も美味しい!
どれも優しい味付けで私達好みの味だ。
そしてその彼女のワクワクしている気持ちが伝わって来ているので、とても心地よく食べる事が出来た。


私は料理を食べ終わったテーブルを見ながら、なにか彼女と共通する物はないかと探した。
言葉を超えたコミュニケーションを取れる方法を考えた結果、膝に引いてあるハンカチを見つけた。

ああ、そうだ。

「みっちさ、これで鶴を折れないかな?」
「え?これで?難しいなぁ。クタクタになっちゃうよ。」
「いやそれでもいいよ。鶴っぽければいい。」

という事でみっちに鶴を折ってもらった。



おぉ。可愛い。ばっちりじゃん。
さすがだね。

折り紙好きのみっちはちょちょいと鶴を折ってくれたのだ。

この完成品をみたホールの彼女はもの凄くビックリしている!
わぁ!という驚きと興味が混ざっていて感動してくれた。

どうやって折ったの?
私に見せて。というのでみっちは一度ほどいてもう一度鶴を折った。
その一連の流れにさらに感動してくれた彼女と繋がり合えた気がした。

言葉を超えたコミュニケーションは大きな芸がなくたって気持ちで表現出来る物だと証明された瞬間だった。

明日、また必ず来るね。
明日も食べにくるからね。と日本語で伝え彼女はOKとうなずいてくれた。

という事で明日ヴェネチアでもう一泊は確定した。
こんな出会いを誰が想像していたか。まさかヴェネチアという町がここまで私達を歓迎してくれるとは思ってもみなかった。間違いなく最高の一日だ。


明日のホテルの予約もスマホで済まし、
長友さんにメールも送信出来たし、後は返信を待つのみで今日はメストレのホテルへ帰ろう。
ばっちりだ。
ばっちり過ぎる!
完璧だ。




そう思いながら帰り道、ヴェネチアの駅から電車に乗りメストレ駅へ向かう。




あれ?
降りる駅を間違えた。。。

でもこの落書きすごい面白い。


あれれ?それにしても間違えたぞ?

私はてっきり行きはバスでどこの停車場にも停まらず行ったから、メストレの次はヴェネチアだと思い込んでいたが、どうやら鉄道ではその間に駅があったらしい。

降りてから気づくんだから、本当自分らしいなぁと思う一日でもありました。
ちゃんちゃん♪