23話 レベルが高い! | たっくのブログ

23話 レベルが高い!

ヴェネチアが凄い所は街なみだけではない。
歩いたからこそわかるこの町のセンスは半端じゃない。
イタリアの主要都市に必ずある高級ブランドショップも色々あるが、私達はこの町で暮らす人々の感性と芸術に触れた。


川のほとりを歩いていると(ほとんどが川のほとりなのだが...)かわいい色のお店を発見。
ここはワインショップらしく、少し店内をのぞく。

ほとんど観光客は歩いていない区域だったようで、地元ののどを潤しているのはこのワインショップだろう。しかも、このお店はワイン樽から直接瓶詰めしてくれるお店だった。
それだけでも興奮してしまうのだが、なんと試飲してもいいという!

そりゃ、するよね~。





人の良さそうなおじさんが、どうぞどうぞと勧めてくれる。
私もどうもどうもと頂く。
いやぁ~美味い!
美味すぎるこのワイン達。

こちらに来てからずっとワインを飲んでいるが、ここのワインはレベルが高い!
深いコクと酸味とまろやかさに包まれるような味わいだ。

あぁ、美味い。

どれか買って帰りたいのだが、どれも美味しくてどれにしたら良いかわからないほどだった。
このワインショップが家の近所にあれば私はこの横でお店を開きたいと思う。



結局、おじさんが一番お勧めするワインを一本買った。
今考えれば、もっと買っておけば良かったと思うのだが、この後ワインを何本も持ちながら街並を歩くのはちょっと大変だなぁと思い、一本にした。
まぁこうした出会いが、またこの場所に行かせてくれるきっかけになるのだろうと思うから、ここで何本も欲張る事はない。

ほろ酔い気分で歩きながらまた少し小道に入ると、とても面白い眼鏡屋さんを見つけた。
ガラス越しから見えるその奇才な眼鏡にわたしの目は奪われた。





何じゃこりゃ?
どうなってるんだ?
本当に眼鏡なのか?とも思わせるその作品達。
なんだかチンプンカンプンになりそうな世界に私は惹かれてしまう。

これは凄い。と思ってしまった。
なにが?これを見て凄いと感じるのかというと、アーティストの圧倒的な感性だ。
なににも捕われない自由な発想が魅力的なのだが、それだけでは素晴らしい芸術ではない。
そこに機能性やバランス、この眼鏡をかける人のセンスまで問われる。

例えばこの眼鏡を一般的なサラリーマンがしていたとすると、会社では話しかけられないくらい浮いてしまうだろう。では、この眼鏡が似合うような人はどういった人なのか?

そこを想像するのがこの眼鏡の面白さだと思う。
ファッションショーで服を着こなすモデルがいるように、この眼鏡をかけこなす人がいるという事だ。
もちろん、一番身近でその人に合えるとしたら、それはこのお店のオーナーであり作者だろう。

私は俄然このお店に興味を持ち、中へ入った。
どうやらこのお店はミラノにも支店があるらしいが、ここが本店のようだ。

お店の奥から一人の男性がやって来た。


かっこ良すぎる。
どうだ、このセンス。素晴らしい。
男である私も驚くほどかっこいい男性だった。

この男性から色々と学ぶべき事もありそうだ。
この時は買えなかったが、必ず次ぎにヴェネチアへ来たときはこの眼鏡屋さんで自分の眼鏡を買おうと思った。ここの眼鏡が似合う男になりたいと思った。


いやぁ~凄かったなぁと余韻を楽しんでいる暇もない。
そんな暇もないくらい次々と面白いものが目に飛び込んでくる。
本当にヴェネチアという町は心の底から私を虜にさせたのだ。