19話 私の心をつかんだポルチーニ茸
ウフィツィ美術館を出た私達は、またまたフィレンツェの町を歩く。
石畳で作られた道は昔から守られている。
ここがフィレンツェ中心の歴史地区だから
この町は美観を損なわないように何百年も守られて来た。
こういった意識の高さが観光にくる人を魅了する。
もちろん日本にも美観地区を守り続けている町は沢山ある。
それぞれに魅力的だし、私はこういった町が大好きだ。
凄く綺麗だし、それでいて情熱的で遊び心を忘れない。
きっとこの町に住む住民も誇りを持って暮らしているんだろうと思う。
私もこの先、自分の住む場所を選びたい。
自分の意識が高まるような美しい町に住むという決断をさせてくれた町だった。
フィレンツェの町を適当に歩いていると、サンタ・マリア・ノヴェッラ広場にあるアイリッシュパブを見つけた。そこでひと休憩する事に。
そこは無料wi-fiも繋がっているので、ついでにFacebookやブログのチェックも出来た。
珍しくオレンジジュース。
カプチーノばっかりで口をさっぱりさせたかったんだろう。
ついでにパンも頂く。
小腹がすいたときにちょうどいいサイズだった。
適当にかまわれない接客と、このお店の雰囲気が心地よかった。
このお店でかなりゆっくり休憩していた。
あまりにも長くいたため、結局...
カプチーノを頼んでしまった。
あぁ美味しい。
フィレンツェで疲れたら、是非寄ってみるといいですよ。
夜はバーになっていて、アイリッシュセッションなども行なわれているそうです。
The Irish Pub
そして一旦ホテルに戻り、小休止した後
またまた夜のフィレンツェを巡る。
私の感想としてはフィレンツェは昼より夜の方が好きだ。
ちょうどクリスマスも近づいて来た頃だったからかもしれないが、街全体が優しいイルミネーションに輝いていた。その雑多じゃない雰囲気が私にはちょうどよかった。
そして、やはり危険な視線がない。
もちろんスリはいると思うが、どう考えてもローマより危険な感じがしない。
女性一人だと危険かもしれないが、二人以上いるならば是非フィレンツェの夜を堪能してほしい。
一昨日のお店も良かったよねー。といいながら夜ご飯のレストランを探す。
なにせ適当に歩いているから、2日前に食べたレストランがどこにあったのかなんて覚えちゃいない。
あっちこっち探しながらも、美味しい匂いを嗅ぎ分ける嗅覚を使う。
フィレンツェ最後の夜は美味しいお店で締めくくりたいと思っていた。
ん?ここは?
どうだ?
クンクン、
クンクン、
おお!いいんじゃない!
ちょっと高そうかな~?
どうだろう?
どうだろう?
ジロジロと店内を覗き込む。
食べているお客さんのお皿をジロジロ。
美味しいお店を探すのも必死だ。
それはそれは真剣になる、今回の旅の目的は美味しい料理を食べる事だから。
私は常に人生の目標として世界中の美味しい料理を食べ歩きたいと思っている。
その料理を食べて影響を受けたものが私の作る料理に反映する。
だから、最高の料理を食べれば最高の料理を作る事だって出来る。
本物を知る事は私が成長する為の糧になる。
料理じゃなくてもそうだ。
絵画や器、建築なども、そしてそれを作る人間も
そこに生きる環境も全てが私を成長させてくれる。
成長した私の料理を食べてくれた人が私に対価としてお金をくれる。
そのお金で私はまた美味しい料理を食べる事が出来るのだ。
こうした私自信の食物連鎖が自分の人生のテーマにあるのだ。
そしてそれに関わるのが、やはり「人」との出会いだと思う。
妻のみっちがずっと言っている事だが
自分の人生はどんな人に出会うのかが、自分の成長に繋がると思うという事。
誰しも今、その人に身合った出会いしかしていない。
等身大の自分を知るには、周りにいる人を思い浮かべればいい。
その人達が全て自分の鏡だとすれば、私は本当に恵まれていると思える。
だっておもしろい人しか周りにいないんだもん。
結局、このお店に決めたのがまた大正解だった!!
私が今回の旅行で食べた料理で一番記憶に残るのがこのリゾットだ。
ポルチーニ茸のリゾット
むちゃくちゃ美味しい!
マジで美味しい!
あぁ、書いているだけで思い出す...
一粒一粒の味が最高だった。
日本のお米ではこの食感は生まれないだろう。
イタリアでしか味わえない味だと感じた。
このリゾットを食べるだけにフィレンツェへ行きたくなるくらいだ。