2012年 夏の話⑫
今年の夏、最大のイベントとなった「中の島盆踊り」を思い出しながらですが、私なりの目線で書いていきます。どうか皆様も今年の暑い夏を思い出しながら、上着を1枚脱いでご覧下さい。
当日は2時間くらい寝れただろうか、早朝から仕込みを始める。
焼き鳥以外にも枝豆、おにぎり、焼きそば、きのこ汁など多彩なメニューを用意していた為、全て当日の朝に仕込む事になっていた。
朝早くから、きよちゃんとゆうこちゃんが手伝いに来てくれていた。
この2人にかかれば、私が「たら~」っと仕上る物も、「ちゃっちゃっちゃっ」と仕上てしまう。
料理の仕込をしながら、持って行くものを準備しながらで、忘れ物の無いようにと心がけては見たものの、結局忘れ物だらけだったことに気付くのは、焼き鳥を焼き始めた頃だった。
さて、車に積み込むかと、動き始めたその時、最強の2人が現れた。
「おはよ~ございま~す。」
「持って来ましたよ、リボビタンD」
ええ~!ホント~!
西&西コンビの登場だ。
西&西コンビの「川」の方がコンビニで「リボビタンD」を買ってきたのは、前日のミッチのブログで私の表情を見た為だと言う。明らかに何らかのメッセージを発していたと、敏感な「川」の方が言う。
その「川」を西&西コンビの「村」の方が、迎えに行ってくれて白石~栄町~中の島まで運転してくれるからこそ成立した話だ。我先にと荷物を持ってくれて、自分の車に積み込む。
「ありがと~」と言った私の顔とブログには載っていなかったみっちの顔をジ~っと覗き込む
「大丈夫~?」
「ははは。テンション上がっているから大丈夫。多分終わった頃には廃人になっているね」
なんだかんだで結構な荷物だった。私の車一台では、何度往復するかわからない。
焼きとり用の炭の準備もしなければならなかったし、本当に助かった。
焼き台やビールの樽やクーラーボックスやその他備品があり、よいしょよいしょと運んでくれたお陰で、予定通りの時間で準備が進められる。
町内の人が用意してくれていたテントの中に荷物を入れる。
配置を決めながら、みんながみんな手際よく動いてくれる。ほとんど指示をしていないのに自ら仕事を探し出し、動いてくれるから本当に仕事が出来るやつらだ。
きよちゃんもゆうこちゃんも「川」の方も「村」の方も絶対どんな職種、仕事でもこなせると私は思う。
というか、数年後に雇いたい。
こんな感じで準備が整った。
生ビール 400円
枝豆 200円
おにぎり 100円
きのこ汁 100円
焼き鳥 500円
やきそば 300円
だったかな・・?
覚えてないや。はは。
まぁ、ばっちりだろう。ザ、お祭りって感じも出てるし、気合が入ったきよちゃんは浴衣姿になっていた。これがおじさんにウケル、ウケル。まぁなんというか、営業上手な所もあってか、人気者になっていたね。この姿を見て私は、今の仲居さんの仕事を紹介しようと思ったわけさ。
そして西&西コンビは・・・
あれ?
焼いてる!
2人で焼きそば焼いてるよ!?
ははは。
そう。
実はこの日、序盤はチラホラとしか人がいなくて、盆踊り自体もパっとしなかったから、私達も余裕で笑いながらやっていたのに、暗くなるにつれて徐々に人が増えてきて、あれよという間に会場が大盛り上がりになっていた。
予定では焼き鳥を100本くらい焼き溜めておこうと、保温用の発泡スチロールに入れていたのだが、その焼き鳥はあっと言う間に売りきれてしまった。
いつの間にか、焼き鳥待ちの列が出来始めていた。
焼き鳥を焼きながら、余裕で焼きそばもいけるだろうと考えていたが、まったく焼きそばに手をかけれず、結局、西&西コンビが手探りで焼き始めた。
結果、、、こうなる。
これからは順を追って、簡単に話をしましょう。
まず、私は焼き鳥を焼き始めました。
忙しくなりました。
焼き鳥以外のことが出来なくなりました。
みっちはお会計をしているので、手がはなせません。
きよちゃんは生ビールを注ぎながら、営業をしているので手がはなせません。
写真では伝わりきれませんが、この西&西コンビを指揮しているのはゆうこちゃんです。
この日から西&西コンビはゆうこちゃんの事を「姉さん」と呼ぶようになりました。
気がつけば、焼きそばに使う予定だった、中濃ソースとウスターソースを持ってくるのを忘れました。
結局、焼きそばの付属についている粉を使う事になりました。
普通の味になりました。
ちょっと悩んで、セブンイレブンに売っていないかときよちゃんを走らせました。
中濃ソースは売っていたようで、中農ソースと粉で味をつけました。
さっきよりは、、まぁ、まぁ・・・
あ!虫刺されのスプレー忘れた!ってなり買いに行きました。
ありました。
あれ?
そういえば焼き鳥を焼いている場所って夜暗くない?ってなりました。
テントから出ていたため、電気がありませんでした。
すぐに西&西コンビが電気の位置を調整してくれました。
そこにふらっと現れたのは、カンフーの先生。
「あれ?水谷さん来てませんか?」
どうやら大家さんに誘われたらしく、車をピンチョスに置き、2階のインターホンを鳴らしても音沙汰が無い為、すでに会場に来ているのでは?と思ったら、来てない。
う~ん。。
そのうち現れるんじゃないでしょうか・・・。
♪ちゃんこちゃんこちゃんこちゃちゃんがちゃん
手拍子合わせてちゃちゃんがちゃん♪
子供盆踊りが始まった頃、ビックママが登場した。
「焼き鳥とビール」
あ、じゃあビックママはテントの中の椅子に座ってて。
西&西コンビが知らせてくれた。
「そろそろ焼きそばが無くなりそうです。」
追加で焼きたい所だが私は焼き鳥でいっぱいいっぱいの状態だった。
「じゃあ焼いて」
「え?」
「さっき焼いてたの見てたしょ。あんな感じでお願いします。」
「え~!俺らが焼くの?」
ちゃっ、と動き出したのはゆうこ姉さんだ。
「焼くよ」ギラッ
「はい!」「はい!!」
おかげで私は焼き鳥に集中できたわけですよ。
会場にはどんどん人がやってくる。
子供盆踊りが終わりを迎える頃、焼き鳥を待つお客さんの数は10人をこえた。
「お~やってるなぁ~」
「5本くれ。あとビールと」
「あら!?水谷さん!カンフーの先生が待ってましたよ。」
ふっと後を振り返ると、焼きそばコーナーにカンフーの先生がいた。
なんと先生は昔、鉄板焼きのアルバイトをしていたらしく、焼きそばを焼くのはお手の物だと言う。そこで西&西コンビが焼いているのを見て、うずうずしたらしく、一緒に手伝ってくれていたのだ。
「あれ?さっきインターホン鳴らしても出てこなかったから先に来ているのかと思ってましたよ。」
「あ~。そうか。寝てたわ。」
「え~!」
「何かなってるなぁとは思ったんだけどな」
「・・・。」
「水谷さん!!水谷さん!!こっち!!こっち!!空いてます。椅子空いてます!!座って!!!座って早く!!私払いますから!」
ビックママが水谷さんを2つあるテントの椅子に案内した。
「お、そうか。」
「私払いますから!!!!」
「いや、いいよ。なんだ?だれだ?」
「有名ですから!!水谷さんのことは有名ですよ!!誰でも知ってますよ!!!」
ビックママが水谷さんをいきなり気分よくさせた。
「おお。そうか。はは。」
こうして、ピンチョスのテントの中は、浴衣姿のきよちゃん、ゆうこ姉さん、西&西コンビの「川」の方、同コンビの「村」の方、カンフーの先生、ビックママ、水谷さん、みっち、私の9人となった。
この時にはわからなかったが、町内役員やお客さんから見れば、やたら従業員を使っているお店にみたらしいが、良く見てみると、年齢がばらばらで、いったい誰が店主なんだかわからない状態になっていた。挨拶周りをしていた国会議員からすれば椅子にゆうゆうと座り、焼き鳥とビールを飲んでいる水谷さんとビックママがこの空間の「ドン」だと思ったに違いない。
そんな楽しさを味わっている間もなく、私は焼き鳥に追われていた。
次から次へとお客さんが並んでいき、並んでいる姿がまた人を呼び、どんどん注文が押し寄せてくる。串鳥のトヨから借りた焼き台は80センチくらいの長さしかない為、限界があった。
せめて、もう一台くらい焼き台があればまた違っただろう。
まぁ次回の課題となった。
本当に沢山の常連さんも顔を出してくれて、買ってくれて、本当に嬉しかった。
たいした挨拶も出来ないまま、焼き時間もかかってしまい、申し訳なかった。
それでも、ず~っと焼いた。この日はず~っとず~っと焼いてた。
結局、盆踊りが終わってもお客さんは途切れず、会場の明かりが消えるまで焼き続けて、他のおにぎりや焼きそば、枝豆なども売り切れて、焼き鳥は1000本売れた。
ありがとうございました。
さぁ~!片付けましょう!
片付けにはきよちゃんのお友達も手伝ってくれた。
皆で一気に片付けた為、すぐに終わりそうだったが、ここで気分よくなり続けていたのは水谷さんだ。
「おぉ~ビールくれ。」
「いや、もう片付けますよ。」
「ええ。なんだ。もっかいビールつないでくれ。」
「いや、帰りますよ。もう終わりですよ。」
「なんだ。でないのか。じゃぁどっかで飲みなおしだ。」
「まぁそうですね。みんなで打ち上げしましょう。」
まずはピンチョスに帰りますよ~!
こうして、撤収作業はあっという間に終わり、皆で打ち上げにビックリドンキーにいった。
私も乾杯にビールを飲んだが、もう体力が限界に来ていたため、ふらふらだった。
それでも、1時間位はいただろう。
その後、皆、解散して一件落着と言いたいところだが、ピンチョス明日の営業に備える為、少しでも片づけをしなければならなかった。
私と同じ睡眠時間で働いていたみっちが「私が片づけするから、たっくはシャワー浴びて先に寝てていいよ。」
「え?でもみっちも疲れてるでしょ。」
「私はまだ大丈夫だから、軽く片付けるだけだし、先に寝てて。」
確かに、私の体は限界だった。
結局お言葉に甘える形になり、家のシャワーを浴びたはいいが、もう眠すぎて体を洗いながら寝てしまう。はっと起きて頭を洗いながら寝てしまう。これはいけないと思っていても、ふっと落ちそうになる。
だめだぁ・・・
シャワーから上がり、体を拭いて、ふらふらになりながらベットに落ちた。
そのまま、起きることなく、深い眠りについた。
結局、みっちは1時ごろまで片づけをしていたらしく、相当疲れていたと思う。
年に1回の大きなイベントだったからこそ、テンションも上がり限界まで動けたが、今回本当に自分の限界が見えた。これ以上の仕事をするには、今のままでは絶対出来ないことがわかった。もう一つ上のレベルが見えた瞬間でもあった。
改めて、今数ヶ月経って振り返ってみると、凄く昔に感じる。
この頃の自分を分析できる事が、成長を感じられる一つになる。
沢山の人に支えられ、愛されている事をもっと実感しなければならない。
暑い夏も終わり、寒い冬がやってくるが、私達ピンチョスは常に成長していく為に、次の道へと進んでいる。
それは2012年冬の話から始まる。
おわり
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