北斗です。
いま公開中の映画で観たいのがいっぱいあるのにまだ『Jエドガー』しか観れてない今日この頃ですがみなさんいかがお過ごしでしょうか?
さて、そんな中でも最近DVDで観て良かったのが、『俺たちに明日はない』です。超有名なこの映画、45年前の作品だけど今観てもかっこいい。ボニーとクライド、かっこいい~。
後から知ったけど、この映画の公開前までは、ハリウッド映画にはヘイズコードというのがあって、セックスやドラッグ、暴力の描写は禁止されていて、夫婦が同じベッドで寝ているシーンもカットされるほどだったらしい。
そして、67年にヘイズコードが撤廃され、レイティング方式が始まり、成人指定としてこの映画が公開された。
しかし、試写を観たワーナーは上映中に六回もトイレに立ち、「小便六回分のクソだ」と吐き捨て、全米でたった25館で3週間だけ上映してフィルムを倉庫にしまい込んだ。
ほとんどの評論家が酷評する中、ポーリン・ケイルという女性評論家は、「『俺たちに明日はない』は歴史的に重要な映画だ。これほどまで過剰に叩かれたのは、誰もかつて体験したことのない映画だったからだ」と絶賛した。そして、「優れた芸術とは、既成の価値観を揺るがすものだ。この映画はまさに観客を最後まで揺さぶり続ける」というケイルの支持者は増え、ついに『タイム』誌が『俺たちに明日はない』を表紙にして、ハリウッドが変わり始めたと報じた。
慌てたワーナーは、倉庫からフィルムを引っ張り出して初公開の十倍以上の場所で再公開。大ヒットし、まさにハリウッドの歴史を変えた作品となった。
そして、この映画で一番かっこいいのはやっぱりラストシーン。
そうそう、この話は実話をもとにしてて、ボニーとクライドは実在の人物。そして、軍用自動ライフルで武装した警官が167発の銃弾を一分以上にわたって浴びせたというのも事実。
その最後のシーンは『七人の侍』を参考にして、スピードの違う四台のカメラで撮影して51のカットに切って、平均一秒一カットの54秒の銃撃シーンを作りあげた。
これが世界で初めて映し出した「暴力の美学」だった。
そんなわけで、この映画を観るとタランティーノや北野武監督の『アウトレイジ』なんかを思い出した。
これらの映画のもとには、この作品があったんですねぇ。
映画って、いろいろ知るとおもしろいですねぇ。
この文章は、町山智浩さんの『<映画の見方>がわかる本』を参考にさせていただきました。
この本もおもしろいです。
写真はフリーサイズのボニーとクライドです。
…嘘です。すいませんでした。
ただの、都と北斗です…。