勝手にコーナー化しました。
今回の映画は、『我等の生涯の最良の年』です。
監督は『ベン・ハー』なども撮ってるウィリアム・ワイラー。
アカデミー賞、作品賞を始め、8部門で受賞。
第二次世界大戦の復員兵三人が戦後故郷に帰るところから始まる。
家族との再会というクライマックスから始まる物語。
役者は、アル役のフレデリック・マーチの酔っぱらったときの演技が魅力的。アカデミー主演男優賞を受賞しています。
そしてもうひとり助演男優賞を受賞したハロルド・ラッセル。
この人の役は、戦争で両腕を失い義手となった男。
婚約者を抱けない男の苦悩が伝わってくる素晴らしい演技。
映画を観た後で知ったけど、この人は本当に戦争中に両腕を失った人で、演技経験のない彼に、関係者が演技を教えようとしたところ、それを知ったワイラーが激怒したらしい。自然なままの姿を監督が求めたためで、予備知識なくこの人の演技を観ても、とても印象的だったのでウィキペディアで調べてみたら、こういうことでした。
もうひとりのダナ・アンドリュース演じるフレッドも、妻は金使いが荒く、戦争中は勲章をたくさんもらったにも関わらず復員後は仕事もなく、不本意ながら、かつてドラッグストアでバカにしていた男の助手として働かざるを得ない状況。
そして、アルの娘に恋をしてしまう…。
170分もの大作ながら、全く長さを感じない。
そしてこの作品が公開されたのは1945年。
終戦の翌年、まさに復員兵の現在の問題を描いた点がすごい。
伝えなければいけないという思いを強く感じる作品。
こないだ観た園子温監督の『ヒミズ』でも震災の映像を使うことで、より訴えかける作品になってました。
映画って、エンターテイメントでありメッセージでもある。
やっぱり思いの伝わる映画、心が震えるような映画が好きです。
いや~、映画って本当にいいもんですね~
