スペースデブリ(人間が作った宇宙ゴミ。主に人工衛星やロケットの残骸)は、現在4,500トンを越える量が放置されている。
宇宙ゴミは、地表から36,000kmの静止軌道では秒速3km=時速10,800kmというスピードで移動している。直径10cm程度の金属が衝突すれば宇宙船は完全に破壊されるほどの威力がある。1cmの金属が人間に衝突すれば弾丸を打ち込まれるに等しい。
1963年アメリカは長距離通信を実現するために、電波を反射させる金属を宇宙に配置すれば電離層ができるという仮説のもと、長さ2cmの銅製の針をまき散らした。
実験は成功したものの、4億もの針のうちいくつかは今もなお軌道上を周回している。
この映画はスペースシャトルが人工衛星を撃墜したことで生じたスペースデブリと衝突し、宇宙空間に投げ出される宇宙飛行士(宇宙作業員と呼んだほうが正確かもしれない)の恐怖を描いた作品。
このシチュエーション、
「宇宙からの脱出」でのプルエット船長を思い出した。
主役のライアンストーン博士役にアンジェリーナ・ジョリー、マリオン・コティヤール、スカーレット・ヨハンソン、ブレイク・ライヴリー、ナタリー・ポートマンといった候補があがった結果サンドラブルックに決まったらしいが、49歳という年齢を感じさせないほど、ハードなアクションをこなしていて、演技力も素晴らしい。
ジョージ・クルーニーが演ずるマットコワルスキーの絶体絶命の場面での思いやり、死に直面したときの潔い決断など、絶対に真似のできない男らしさもかっこいい。
映像も素晴らしく、アポロ11号の乗組員バズ・オルドリンが現実の宇宙空間にかなり近いものであると称賛しているとのこと。