本日の投資家向けニュースです!
10月28日、欧州危機対策には「他人頼み」が多く、具体化の作業はこれから。イタリア国債の利回りは高水準にあり、楽観一辺倒ではないマーケットの心理状態を表している。写真は記者会見に臨むイタリアのベルルスコーニ首相(中央)。8月4日撮影(2011年 ロイター/Tony Gentile) [東京 28日 ロイター] 欧州の債務危機対策と堅調な米経済指標を好感し、マーケットはリスク選好度を回復させているが、不安心理が完全に消えたわけではない。
欧州危機対策には「他人頼み」が多く、具体化の作業はこれから。イタリア国債の利回りは高水準にあり、楽観一辺倒ではないマーケットの心理状態を表している。米経済は予想外に消費が堅調だが、失業や住宅の問題はくすぶっており、依然弱々しい。あくまで過剰な悲観の反動であり、リスクオンを継続できるかは不透明だ。
<残るイタリアへの不安>
米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は27日、14%の急落となり、25.46ポイントと約2か月半ぶりの低水準となった。ユーロ圏首脳会合で債務危機対策が合意されたことを好感し、金融システム不安が後退、これまで下げのきつかった金融株が世界的に買い戻されている。米ダウは339ドル高、日経平均も約2か月ぶりに9000円台を回復した。米国内総生産(GDP)が7─9月期に年率換算で前期比2.5%増と2010年第3・四半期以来の高成長となったことも加わり、マーケットはリスク選好ムードとなっている。
ただ「諸手を上げて」の歓迎ムードというわけではない。イタリア国債10年物利回りは4.5ベーシスポイント(bp)低下し5.89%となったが、メルケル独首相とサルコジ仏大統領が危機解決に向けて今月末までに新たな対策を打ち出すと表明した今月上旬の水準を依然として約30ベーシスポイント(bp)上回っており、マーケットの悲観が完全に払しょくされたわけではないことも示している。
イタリアの景気は低迷しベルルスコーニ首相の信頼は後退、公的債務のGDP比は120%近くに達している。高まる他国からの圧力を受け、首相はユーロ圏首脳会議で年金支給年齢の65歳から67歳への引き上げを含む追加の財政再建策を提出したが、国内で反対論が多いほか、経済的効果をもたらすには数年かかるとの見方もある。経済規模が大きく金融システム上重要ながら、景気が低迷している国への不安波及を阻止できるか警戒感は強い。
実際、欧州の危機対応策の具体化作業はこれからだ。ギリシャ政府債務の自発的な50%削減に、銀行や投資家が応じるかはわからない。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡充には、政府系ファンド(SWF)などの支援も不可欠だ。銀行の資本増強には、まず自らの増資が求められることになるが、投資家がどこまで応じるかも不透明といえる。欧州の危機対策には「他人頼み」の部分が多く、具体策を詰める過程で、市場の不安心理が再び強まる恐れもある。
T&Dアセットマネジメント・チーフエコノミストの神谷尚志氏は「日本がりそな銀行への公的資金注入を決めたとき(2003年5月)の雰囲気と似ている。あのときも米経済指標が良くて地合いが好転していたところでの材料に、株価は大きく反発した。しかしそれから8年、株価は結局下がり、日本経済はいっこうに良くならなかった。危機対策で欧州経済の悪化に歯止めがかかったとしても、成長の道筋が見えたわけではない。財政緊縮はこれからだ」と述べる。
国際スワップデリバティブ協会(ISDA)の弁護士は27日、欧州の首脳と銀行側がギリシャ債務の民間負担を50%に拡大することで合意したことについて、任意参加である限り、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済につがる信用事由のトリガーとなる可能性は低いとの見解を示した。
だが、デフォルトにならないこと自体があらたな危機を生み出す可能性もある。自発的なためにイベントに該当しないとするなら、CDSのプロテクションを買う意味がなくなり、CDS市場が不要ということにもなり得るためだ。国際通貨基金(IMF)の首席エコノミストを務めるオリビエ・ブランシャール氏は27日、「一般的には、クレジットイベントを招かずに債権者の債権を大幅に削減できる場合、CDSの価値は疑問視される」と述べている。
きょうの日経平均株価は、後場に入ると徐々に上げ幅を縮小。市場筋によると、欧州系マネーの売りが継続しており、買い一巡後は上値が重い展開となっている。円が対ドルで連日史上最高値を更新するなど円高基調が続いているほか、9月鉱工業生産が6カ月ぶりのマイナスとなるなど震災後の回復基調が一服していることも重しとなった。株価の下値不安が後退したとはいえ、積極的な上値追いの買いはまだ乏しい。
<円高ではなくドル安>
円は対ドルで3日連続、史上最高値を更新した。午前の東京市場では、機関投資家や輸出勢によるユーロ/円の戻り売りでユーロ/円が下落。ドル/円に波及し、ドルの上値が重くなった。日銀は前日、追加金融緩和策を決めたが、円高阻止の効果は十分に発揮できていない。短期筋は介入期待感から、対円で引き続きドルロングになっているとされるが、ドルは米追加緩和期待もあってじりじりと下げている。
安住淳財務相は28日、円相場について「実体経済を反映したものになるべき」としたうえで、必要な時は断固たる措置をとるとし、日銀の金融緩和策を高く評価すると述べたが、為替市場の反応は限定的だった。
JPモルガン・チェース銀のチーフFXストラテジスト、棚瀬順哉氏は「円高が加速しているような印象を受けるが、過去3日間の主要通貨の騰落率をみると、円はドルに次いで弱い通貨となっている。足元のドル/円の下落は、明らかにドル安主導であり、円高によるものではない」と話す。
GDPなど米経済指標は比較的堅調だが、11月1─2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加緩和観測も強いままだ。
<円債金利は揺り戻しで上昇か>
「安全資産」選好が後退し、国債先物は大幅続落。10年際長期国債利回り(長期金利)は1.040%と、9月5日以来の高水準をつけた。もっとも、下値では地域金融機関とみられる押し目買いが入り、その後はやや戻す展開となった。2年ゾーンは日銀の追加緩和決定でしっかり。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は今後の見通しについて「しばらく長期金利がこう着していて、投資家が思ったように下期に積み上げられていないことから、いったん1.05%を背にして押し目買いが出そうだ」と指摘する。ただ、年末にかけては「欧米金融市場が世界経済の悪いシナリオを織り込み過ぎた揺り戻しが来るとみており、少し金利水準が上がるイメージを持っている。年末に1.15%を予想している」とやや売られるシナリオを描いている。
(ロイターニュース 伊賀大記;編集 田中志保)
http://news.livedoor.com/article/detail/5974585/
※この記事の著作権は配信元に帰属します
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反動のリスク選好度回復、イタリア利回りは不気味に高止まり
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111028-00000790-reu-bus_all
10月28日、欧州危機対策には「他人頼み」が多く、具体化の作業はこれから。イタリア国債の利回りは高水準にあり、楽観一辺倒ではないマーケットの心理状態を表している。写真は記者会見に臨むイタリアのベルルスコーニ首相(中央)。8月4日撮影(2011年 ロイター/Tony Gentile) [東京 28日 ロイター] 欧州の債務危機対策と堅調な米経済指標を好感し、マーケットはリスク選好度を回復させているが、不安心理が完全に消えたわけではない。
欧州危機対策には「他人頼み」が多く、具体化の作業はこれから。イタリア国債の利回りは高水準にあり、楽観一辺倒ではないマーケットの心理状態を表している。米経済は予想外に消費が堅調だが、失業や住宅の問題はくすぶっており、依然弱々しい。あくまで過剰な悲観の反動であり、リスクオンを継続できるかは不透明だ。
<残るイタリアへの不安>
米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は27日、14%の急落となり、25.46ポイントと約2か月半ぶりの低水準となった。ユーロ圏首脳会合で債務危機対策が合意されたことを好感し、金融システム不安が後退、これまで下げのきつかった金融株が世界的に買い戻されている。米ダウは339ドル高、日経平均も約2か月ぶりに9000円台を回復した。米国内総生産(GDP)が7─9月期に年率換算で前期比2.5%増と2010年第3・四半期以来の高成長となったことも加わり、マーケットはリスク選好ムードとなっている。
ただ「諸手を上げて」の歓迎ムードというわけではない。イタリア国債10年物利回りは4.5ベーシスポイント(bp)低下し5.89%となったが、メルケル独首相とサルコジ仏大統領が危機解決に向けて今月末までに新たな対策を打ち出すと表明した今月上旬の水準を依然として約30ベーシスポイント(bp)上回っており、マーケットの悲観が完全に払しょくされたわけではないことも示している。
イタリアの景気は低迷しベルルスコーニ首相の信頼は後退、公的債務のGDP比は120%近くに達している。高まる他国からの圧力を受け、首相はユーロ圏首脳会議で年金支給年齢の65歳から67歳への引き上げを含む追加の財政再建策を提出したが、国内で反対論が多いほか、経済的効果をもたらすには数年かかるとの見方もある。経済規模が大きく金融システム上重要ながら、景気が低迷している国への不安波及を阻止できるか警戒感は強い。
実際、欧州の危機対応策の具体化作業はこれからだ。ギリシャ政府債務の自発的な50%削減に、銀行や投資家が応じるかはわからない。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡充には、政府系ファンド(SWF)などの支援も不可欠だ。銀行の資本増強には、まず自らの増資が求められることになるが、投資家がどこまで応じるかも不透明といえる。欧州の危機対策には「他人頼み」の部分が多く、具体策を詰める過程で、市場の不安心理が再び強まる恐れもある。
T&Dアセットマネジメント・チーフエコノミストの神谷尚志氏は「日本がりそな銀行への公的資金注入を決めたとき(2003年5月)の雰囲気と似ている。あのときも米経済指標が良くて地合いが好転していたところでの材料に、株価は大きく反発した。しかしそれから8年、株価は結局下がり、日本経済はいっこうに良くならなかった。危機対策で欧州経済の悪化に歯止めがかかったとしても、成長の道筋が見えたわけではない。財政緊縮はこれからだ」と述べる。
国際スワップデリバティブ協会(ISDA)の弁護士は27日、欧州の首脳と銀行側がギリシャ債務の民間負担を50%に拡大することで合意したことについて、任意参加である限り、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済につがる信用事由のトリガーとなる可能性は低いとの見解を示した。
だが、デフォルトにならないこと自体があらたな危機を生み出す可能性もある。自発的なためにイベントに該当しないとするなら、CDSのプロテクションを買う意味がなくなり、CDS市場が不要ということにもなり得るためだ。国際通貨基金(IMF)の首席エコノミストを務めるオリビエ・ブランシャール氏は27日、「一般的には、クレジットイベントを招かずに債権者の債権を大幅に削減できる場合、CDSの価値は疑問視される」と述べている。
きょうの日経平均株価は、後場に入ると徐々に上げ幅を縮小。市場筋によると、欧州系マネーの売りが継続しており、買い一巡後は上値が重い展開となっている。円が対ドルで連日史上最高値を更新するなど円高基調が続いているほか、9月鉱工業生産が6カ月ぶりのマイナスとなるなど震災後の回復基調が一服していることも重しとなった。株価の下値不安が後退したとはいえ、積極的な上値追いの買いはまだ乏しい。
<円高ではなくドル安>
円は対ドルで3日連続、史上最高値を更新した。午前の東京市場では、機関投資家や輸出勢によるユーロ/円の戻り売りでユーロ/円が下落。ドル/円に波及し、ドルの上値が重くなった。日銀は前日、追加金融緩和策を決めたが、円高阻止の効果は十分に発揮できていない。短期筋は介入期待感から、対円で引き続きドルロングになっているとされるが、ドルは米追加緩和期待もあってじりじりと下げている。
安住淳財務相は28日、円相場について「実体経済を反映したものになるべき」としたうえで、必要な時は断固たる措置をとるとし、日銀の金融緩和策を高く評価すると述べたが、為替市場の反応は限定的だった。
JPモルガン・チェース銀のチーフFXストラテジスト、棚瀬順哉氏は「円高が加速しているような印象を受けるが、過去3日間の主要通貨の騰落率をみると、円はドルに次いで弱い通貨となっている。足元のドル/円の下落は、明らかにドル安主導であり、円高によるものではない」と話す。
GDPなど米経済指標は比較的堅調だが、11月1─2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加緩和観測も強いままだ。
<円債金利は揺り戻しで上昇か>
「安全資産」選好が後退し、国債先物は大幅続落。10年際長期国債利回り(長期金利)は1.040%と、9月5日以来の高水準をつけた。もっとも、下値では地域金融機関とみられる押し目買いが入り、その後はやや戻す展開となった。2年ゾーンは日銀の追加緩和決定でしっかり。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は今後の見通しについて「しばらく長期金利がこう着していて、投資家が思ったように下期に積み上げられていないことから、いったん1.05%を背にして押し目買いが出そうだ」と指摘する。ただ、年末にかけては「欧米金融市場が世界経済の悪いシナリオを織り込み過ぎた揺り戻しが来るとみており、少し金利水準が上がるイメージを持っている。年末に1.15%を予想している」とやや売られるシナリオを描いている。
(ロイターニュース 伊賀大記;編集 田中志保)
http://news.livedoor.com/article/detail/5974585/
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反動のリスク選好度回復、イタリア利回りは不気味に高止まり
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111028-00000790-reu-bus_all