本日の投資家注目ニュースです!
10月27日、日銀は追加緩和策を決定したが、長期国債買い入れ増額だけにとどまったことでユーロ圏首脳会議の合意内容を評価した株高・円安を後押しすることはできなかった。写真は都内で撮影(2011年 ロイター/Issei Kato) [東京 27日 ロイター] 日銀は追加緩和策を決定したが、長期国債買い入れ増額だけにとどまったことでユーロ圏首脳会議の合意内容を評価した株高・円安を後押しすることはできなかった。
ただ円売り介入があれば金利押し下げ効果が相乗的に発揮され円安進行・株価上昇が期待できるとの見方も出ている。ユーロ圏首脳会合は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)拡充などの合意を得たことで評価されているが、ギリシャ国債の50%債務減免(ヘアカット)などの実行は容易ではない。楽観ムードが一気に広がったわけではなく、リスクオンはあくまで限定的だ。
<ヘアカットの実行に疑問視>
ユーロ圏首脳会合の合意内容に市場がポジティブに反応したことについて「ドイツが何度も冷や水を浴びせて市場の期待値を下げてくれた効果が出た」(シティグループ証券エコノミストの村嶋帰一氏)との声が出ている。ユーロ圏首脳会合の合意内容はほぼ事前の予想通りだったが、27日の東京市場では材料出尽くしとの反応にはならず、一定のポジティブ評価が得られた。日経平均は8900円台まで反発。ユーロも1.4ドル付近まで上昇した。「具体策はこれからだとしても、期待値が低められていたおかげで合意したこと自体を評価できた」(同)という。
したがってマーケットが危機対応策を全面的に評価し、欧州債務問題が解決に向かうとの期待が強まったわけではない。「3つの柱を強力に推し進めることができるのであれば金融市場にあく抜け感が出てくるのだろうが、実行には時間が必要。1つ1つ、実行と効果を見極めていくことになるのだろう」(ニッセイ基礎研究所・主任研究員の伊藤さゆり氏)。
3つの柱とは、1)2012年6月末までに銀行の中核的自己資本比率を9%に引き上げる、2)EFSFに4─5倍のレバレッジをかけ、約1兆ユーロ(約1兆4000億ドル)の規模に拡大する、3)民間セクターが保有するギリシャ債務については「自発的に」50%減免する──という今回の合意内容だ。ただこれらの合意内容を実現させていくには立ちはだかる障害も少なくない。
ひとつはギリシャ債務を「自発的に」ヘアカットするという点だ。強制力がないため、銀行は国際金融協会(IIF)が対応をまとめたとしても、ファンドなどその他の投資家などが応じるかは不透明。またフランスのサルコジ大統領はデフォルトは除外されたとしているが、クレジットイベントにならないとすればクレジット・デリバティブ・スワップ(CDS)市場が混乱するおそれもある。「信用リスクをヘッジするというCDS本来の役割が果たせなくなることの方が問題」(市場筋)。「信用リスクを回避する手段がなく
なれば、現物の国債への売り圧力がこれまで以上に高まりかねない」(国内証券)との指摘も多く、後々のCDSマーケットの波乱要因になる可能性を残したともいえる。
<日銀追加緩和には失望も>
「最小限の緩和措置」(大手証券)──日銀の追加緩和策も株高・円安を後押しすることができなかった。日銀は27日に開いた金融政策決定会合で、リスク性資産も購入対象にしている資産買い入れ基金を5兆円増額し、総額55兆円とする追加の金融緩和策を賛成多数で決定した。だが増額対象はすべて長期国債。株式市場が期待していたような指数連動型上場投資信託受益権(ETF)などは見送られたことで、発表直後、株価は伸び悩んだ。「日銀のETF買い入れ枠は徐々に残り少なくなっており、一回の購入額も以前より小さくなっている。市場では追加緩和策としてETF増額を期待していた向きも多かった」(東洋証券・情報部長の大塚竜太氏)という。
円債市場では追加金融緩和にもかかわらず国債先物が下げ幅を拡大。「市場の予想に沿っており、出尽くし感がある」(新生銀行の勝智彦キャピタルマーケッツ部次長)との声が出ていた。また長期金利引き下げの効果についても「基金による長期国債の買い入れに際し、残存期間を1─2年のものと以前に発表しているが、長めのものにしなければ実体的な意味はないとみている」(第一生命経済研究所・主席エコノミストの熊野英生氏)との指摘もあった。
ドル/円も発表を受けてドルをロングに傾けていたインターバンク勢の売りが出て76円を割り込んだ。市場では「金融政策を通じて積極的に円高を是正する意図は感じられず、失望売りが出ている。ただ、介入期待が残っており、ドルの下値をサポートしている」(バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏)との声が出ていた。
<介入あれば日銀緩和も効果発揮か>
ただ、単独では円高是正に短期的な効果は乏しかった日銀の追加緩和だが、円売り介入がセットで実施されれば効果が発揮されるとの指摘もある。円安に振れれば株価の上値を圧迫する力も低下するという。
野村証券・金融市場調査部チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏は今回の緩和には、実質的な金融緩和効果や経済の下支えではなく、円売り介入に向けた手続き的な側面があるとみている。「日本が実施した過去3回の円売り介入は全て金融緩和政策を伴っている。主要7カ国(G7)の枠組みにおいては、通貨高是正のための政策的選択肢として、マクロ政策が先行すべきとの認識が共有されているとみている。今回、金融緩和に踏み切ったことで、円売り介入の地ならしが出来たのではないか」という。
藤田幸久財務副大臣は27日午後の参議院財政金融委員会で、日銀の金融政策決定会合に出席し「政府・日銀一緒になって今の円高対策、デフレ対策に対して行動していく必要があるという認識を共有してきた」と述べた。
為替市場では午後3時を過ぎてドルが76円を割り込み、じりじりと下落している。市場では「ドルが75.50円を割れて下に走るようなら、海外市場でも介入はありうる。日銀にあれだけ強い姿勢で追加緩和を促したこともあり、いつ介入が入ってもおかしくない。すでにリーチはかかっている」(大手銀行)とされ、介入警戒感は一段と強くなっている。
(ロイターニュース 伊賀大記;編集 宮崎大)
http://news.livedoor.com/article/detail/5971823/
※この記事の著作権は配信元に帰属します
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追加緩和には欧州問題の影響考慮、円高だけが要因でない=日銀総裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111027-00000561-reu-bus_all
10月27日、日銀は追加緩和策を決定したが、長期国債買い入れ増額だけにとどまったことでユーロ圏首脳会議の合意内容を評価した株高・円安を後押しすることはできなかった。写真は都内で撮影(2011年 ロイター/Issei Kato) [東京 27日 ロイター] 日銀は追加緩和策を決定したが、長期国債買い入れ増額だけにとどまったことでユーロ圏首脳会議の合意内容を評価した株高・円安を後押しすることはできなかった。
ただ円売り介入があれば金利押し下げ効果が相乗的に発揮され円安進行・株価上昇が期待できるとの見方も出ている。ユーロ圏首脳会合は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)拡充などの合意を得たことで評価されているが、ギリシャ国債の50%債務減免(ヘアカット)などの実行は容易ではない。楽観ムードが一気に広がったわけではなく、リスクオンはあくまで限定的だ。
<ヘアカットの実行に疑問視>
ユーロ圏首脳会合の合意内容に市場がポジティブに反応したことについて「ドイツが何度も冷や水を浴びせて市場の期待値を下げてくれた効果が出た」(シティグループ証券エコノミストの村嶋帰一氏)との声が出ている。ユーロ圏首脳会合の合意内容はほぼ事前の予想通りだったが、27日の東京市場では材料出尽くしとの反応にはならず、一定のポジティブ評価が得られた。日経平均は8900円台まで反発。ユーロも1.4ドル付近まで上昇した。「具体策はこれからだとしても、期待値が低められていたおかげで合意したこと自体を評価できた」(同)という。
したがってマーケットが危機対応策を全面的に評価し、欧州債務問題が解決に向かうとの期待が強まったわけではない。「3つの柱を強力に推し進めることができるのであれば金融市場にあく抜け感が出てくるのだろうが、実行には時間が必要。1つ1つ、実行と効果を見極めていくことになるのだろう」(ニッセイ基礎研究所・主任研究員の伊藤さゆり氏)。
3つの柱とは、1)2012年6月末までに銀行の中核的自己資本比率を9%に引き上げる、2)EFSFに4─5倍のレバレッジをかけ、約1兆ユーロ(約1兆4000億ドル)の規模に拡大する、3)民間セクターが保有するギリシャ債務については「自発的に」50%減免する──という今回の合意内容だ。ただこれらの合意内容を実現させていくには立ちはだかる障害も少なくない。
ひとつはギリシャ債務を「自発的に」ヘアカットするという点だ。強制力がないため、銀行は国際金融協会(IIF)が対応をまとめたとしても、ファンドなどその他の投資家などが応じるかは不透明。またフランスのサルコジ大統領はデフォルトは除外されたとしているが、クレジットイベントにならないとすればクレジット・デリバティブ・スワップ(CDS)市場が混乱するおそれもある。「信用リスクをヘッジするというCDS本来の役割が果たせなくなることの方が問題」(市場筋)。「信用リスクを回避する手段がなく
なれば、現物の国債への売り圧力がこれまで以上に高まりかねない」(国内証券)との指摘も多く、後々のCDSマーケットの波乱要因になる可能性を残したともいえる。
<日銀追加緩和には失望も>
「最小限の緩和措置」(大手証券)──日銀の追加緩和策も株高・円安を後押しすることができなかった。日銀は27日に開いた金融政策決定会合で、リスク性資産も購入対象にしている資産買い入れ基金を5兆円増額し、総額55兆円とする追加の金融緩和策を賛成多数で決定した。だが増額対象はすべて長期国債。株式市場が期待していたような指数連動型上場投資信託受益権(ETF)などは見送られたことで、発表直後、株価は伸び悩んだ。「日銀のETF買い入れ枠は徐々に残り少なくなっており、一回の購入額も以前より小さくなっている。市場では追加緩和策としてETF増額を期待していた向きも多かった」(東洋証券・情報部長の大塚竜太氏)という。
円債市場では追加金融緩和にもかかわらず国債先物が下げ幅を拡大。「市場の予想に沿っており、出尽くし感がある」(新生銀行の勝智彦キャピタルマーケッツ部次長)との声が出ていた。また長期金利引き下げの効果についても「基金による長期国債の買い入れに際し、残存期間を1─2年のものと以前に発表しているが、長めのものにしなければ実体的な意味はないとみている」(第一生命経済研究所・主席エコノミストの熊野英生氏)との指摘もあった。
ドル/円も発表を受けてドルをロングに傾けていたインターバンク勢の売りが出て76円を割り込んだ。市場では「金融政策を通じて積極的に円高を是正する意図は感じられず、失望売りが出ている。ただ、介入期待が残っており、ドルの下値をサポートしている」(バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏)との声が出ていた。
<介入あれば日銀緩和も効果発揮か>
ただ、単独では円高是正に短期的な効果は乏しかった日銀の追加緩和だが、円売り介入がセットで実施されれば効果が発揮されるとの指摘もある。円安に振れれば株価の上値を圧迫する力も低下するという。
野村証券・金融市場調査部チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏は今回の緩和には、実質的な金融緩和効果や経済の下支えではなく、円売り介入に向けた手続き的な側面があるとみている。「日本が実施した過去3回の円売り介入は全て金融緩和政策を伴っている。主要7カ国(G7)の枠組みにおいては、通貨高是正のための政策的選択肢として、マクロ政策が先行すべきとの認識が共有されているとみている。今回、金融緩和に踏み切ったことで、円売り介入の地ならしが出来たのではないか」という。
藤田幸久財務副大臣は27日午後の参議院財政金融委員会で、日銀の金融政策決定会合に出席し「政府・日銀一緒になって今の円高対策、デフレ対策に対して行動していく必要があるという認識を共有してきた」と述べた。
為替市場では午後3時を過ぎてドルが76円を割り込み、じりじりと下落している。市場では「ドルが75.50円を割れて下に走るようなら、海外市場でも介入はありうる。日銀にあれだけ強い姿勢で追加緩和を促したこともあり、いつ介入が入ってもおかしくない。すでにリーチはかかっている」(大手銀行)とされ、介入警戒感は一段と強くなっている。
(ロイターニュース 伊賀大記;編集 宮崎大)
http://news.livedoor.com/article/detail/5971823/
※この記事の著作権は配信元に帰属します
BUYMAでおまかせ在庫0販売
追加緩和には欧州問題の影響考慮、円高だけが要因でない=日銀総裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111027-00000561-reu-bus_all