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10月12日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同じ76円後半で推移。ユーロは銀行資本増強策の内容が見えず、1.37ドルと105円の上値の壁をブレークできずにいる。写真は8月撮影(2011年 ロイター/Issei Kato) [東京 12日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同じ76円後半で推移している。上下8銭レンジでのもみあいに終始した。ユーロは株安を受けたリスク回避から軟調にスタートしたが、アジア株の持ち直しとともに緩やかに切り返した。
 欧州の銀行の資本増強に対する期待がユーロの下値を支えているが、具体的な内容がみえてこないことから、1.37ドルと105円の上値の壁をブレークできずにいる。
 午後3時までのドル/円の値幅は、76.65─76.73円の上下8銭レンジ。76円後半でのもみあいが続いていることから売り方、買い方とも取引の興味は高まらなかった。ただ、日足でみると、10月3日からの三角持合いが煮詰まりつつあり、上下どちらかに放れる可能性も出てきている。
 ユーロは、欧州時間に売られたあと、米国時間は堅調に推移。スロバキア議会はEFSF拡充案を否決したが、週内にも可決の見通しが出てきたため、ユーロへの大きな影響はなかった。ただ、ユーロはこのところ上値の壁になっている1.37ドルと105円の上値が重く、米国時間もこの手前で跳ね返されてアジア時間は軟化した。グローベックス市場の米国株指数先物が軟調となるなどリスク回避地合いに加え、対円では本邦勢の売りが持ち込まれ、一時はユーロ/ドルで1.3582ドル、ユーロ/円で104.20円まで下落した。
 しかし、その後、上海総合指数を中心にアジア株に持ち直しの動きが出ると、ユーロ売りも一巡。本邦勢の売りも一服し、ユーロは緩やかに切り返し、ユーロ/ドルは1.36ドル台を回復した。
 市場では、ユーロの方向感が定まらないとの声が出ている。欧州の銀行の資本増強に対する期待がユーロの下値を支えているものの、具体的な内容がみえないことから1.37ドルの上値をブレークできずにいる。「リスクオフにもなりきれず、リスクオンにもなりきれず、センチメントが安定しないなかで様子見ムードが強まっている」(国内銀行)という。
 上海外為市場では、人民元が対ドルで一時6.3916元と、許容変動幅の下限に下落した。中国人民銀行(中央銀行)が設定した今日の基準値も1ドル=6.3598元で、11日の基準値(6.3483元)より元安の水準。11日の基準値は2005年の切り上げ後の最高値だった。オフショアの人民元はきょう、1ドル=6.5530元まで下落し、先月末の安値(1ドル=6.6828元)以来の元安/ドル高となった。
 <欧州の銀行資本増強合意でアク抜けか見方分かれる>
 市場の関心は、公的資金注入も含めた欧州の金融機関の資本増強に集まっている。このため、11日に相次いだスペインやイタリアの銀行に対する格下げの影響も限定的なものにとどまった。
 「月内には銀行の資本増強に向けた方針が打ち出されるとみており、ギリシャの債務カットなどへの備えを固めることになりそうだ。ユーロはいったんアク抜けするだろう」(国内銀行)との声が聞かれる。体力のある大手行は自力で増資するとみる声が多く、先行き増資ラッシュを予想する声もあるが「増資行の株価はともかく、株価指数はむしろ金融システムの安定を好感するだろう」(国内銀行)という。また、資本増強のためのユーロ需要の可能性もみえてくる。
 一方で「資本増強の方針が出ても、ユーロのアク抜けは難しい」(ステート・ストリート銀行金融市場部長、富田公彦氏)との見方もある。周辺国の銀行が自力での資本増強が難しい場合、国が支援できるかどうかが不透明なためで「アイルランドという前例もある。最終的には、ドイツが資金を出すかどうかという当初からの問題に戻ってくる」(富田氏)という。
 この判断は、自国の銀行を自国内で支援できるかどうか、あるいは自国内で支援しきれない場合の外部調達規模がどの程度のものになるかにかかっている。そのためには、各行ごとの増資規模が、その前提として銀行へのギリシャ支援負担がどの程度拡大するかがみえてこなければならない。現在は、銀行の資本増強の方向がみえたことでいったんユーロは落ち着いているが、市場では、増強に向けた具体的な内容が明らかになった段階でもう一度波乱がありうるとの見方も出ている。
 <人民元の基準値を元安に設定、米国の対中為替制裁法案への抗議も>
 人民銀行が、11日の人民元の基準値を2005年の切り上げ後の最高値としたあと、きょうは元安に設定したことについて、大和証券投資情報部部長、亀岡裕次氏は「11日に米上院が対中為替制裁法案を可決したことに対する抗議の意味合いのほかに、アジア通貨が幅広く売り先行となっている市場の流れが元に波及した面もある」とみている。中国は、長期的に介入での為替の押さえ込みを緩める方向で動いており、今後も実勢より元高に設定した場合、市場が十分についていかない可能性があるという。
 対中為替制裁法案は今後下院に送られるが、採決の行方は不透明で、亀岡氏は「可決の可能性は低い」とみている。米国は国内輸出企業の不満を中国にアピール、中国もこれに抗議することで国内向けに政府の強い姿勢を示すという政治的な駆け引きはするが「互いに制裁しあって貿易を縮小させ、実体経済に悪影響を与えるようなことはしないだろう」(亀岡氏)という。
 (ロイターニュース 松平陽子)



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