気になる本でした!

●『「生き場」を探す日本人』
「日本にいる同年代の人より、アジアで暮らす日本人はみんな元気なんですよ。元気だからアジアに行ったのか、行ったから元気になったのか、わかりませんが」と笑う著者。本書は、駐在員ではなく、自分で仕事を見つけてアジアで暮らす日本人のルポである。
「50代から60代、もうひとがんばりしたい人の活躍の場が日本には少ないんです。ある年齢になると若者に譲るべきという雰囲気があるし、再就職先は限られます。でも、アジアは違う。自分の能力を提供したい人の受け皿は、アジアですね」
 タイでプリントショップを始めた元中堅商社マンもいる。音響メーカーのエンジニアが合併で子会社へ出向、浄水器の訪問販売を命じられ退職、ミャンマーで投資会社を起こすが失敗し、日本の靴下メーカーのタイ工場を立ち上げる。
 一方、日本で稼ぎアジアで過ごす「外こもり」若者たちの事情も変わってきた。派遣切りの影響で日本に帰っても仕事がないのだ。
「今の若い人には“報われない感”が強いですね。彼ら自身、精神年齢が幼いのは事実だけど、会社側も若い人を育てる余裕がありません。管理と効率を追い求める中で、失敗に対するプレッシャーがのしかかってきます。全体像が見えるような仕事をさせてもらえない。強い子はいいけれど、ミスやトラブルにあって追い詰められてしまう子もいます。彼らがアジアへ来ると、給料は安くても、仕事の手ごたえを得られるんです」
●アジアの国は「行けば、なんとかなる」社会
 報われず、やり直しを許さない日本が息苦しくなった人間にとって、アジアの風通しの良さ、ゆるさは心にしみるのだろう。
「アジアで働く彼らには『すごいことしてるでしょ』という気負いがないんです。それぞれの決断はあるものの、特別の才能があるとか現地の言葉が堪能だというわけでもない。日本人にとって、アジアがセーフティーネットになってきたし、『行けば、なんとかなる』社会なんです。成功する必要はないし、自分のやりがいが見つかればラッキーだと思いますよ」
 日本企業の海外シフトは止まらない。先行き不安なサラリーマンも、就活で苦労している若者も、選択肢のなかにアジアで働くことを入れる時代になってきた。
「とくにシニア層は、色あせていく50代、60代が輝いてくるかもしれませんよ」
▽しもかわ・ゆうじ 1954年、長野県生まれ。慶応大学経済学部卒業。「南の島の甲子園」でミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。著書「日本を降りる若者たち」「鈍行列車のアジア旅」ほか多数。
(日刊ゲンダイ2011年7月27日掲載)



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