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7月12日、欧州債務問題が再燃し、市場ではリスク回避の動きが強まっている。写真はユーロ紙幣。1月撮影(2011年 ロイター/Andrea Comas) [東京 12日 ロイター] 欧州債務問題が再燃し、市場ではリスク回避の動きが強まっている。ユーロ財務相会合でギリシャの第2次支援について具体策が決まらなかったことに加え、イタリアにも債務懸念が波及。株式などリスク資産から債券などの安全資産に資金がシフトしている。
日本は欧州へのエクスポージャーが小さいとして比較的安全との見方もあり、避難してくるマネーもあるという。ただ、不安定な政治や全国的な電力不足懸念などネガティブ材料も依然多く、積極的な買いは乏しい。
<日本は欧州へのエクスポージャーが小さいとしてマネー逃避>
ギリシャの財政緊縮法案可決で一段落した欧州債務問題は、わずか約1週間半で再燃した。11日に開催されたユーロ圏財務相会合で、ギリシャの債務問題解決に向けた協議が難航。日本に次ぐ「債務大国」で知られるイタリアにも懸念は波及し、同国国債の保証コストは過去最高に上昇した。
イタリアのファンダメンタルズ面で大きな変化が見られたわけではないが、海外投機筋が同国国債を売り、国内銀行が買いを手控える中で利回りが大幅に上昇。「利回り上昇が市場の不安を呼び、さらに利回りが上昇するという悪循環になっている」(準大手証券)という。
11日のユーロ圏債券市場でイタリア国債10年物の利回りは43.5ベーシスポイント(bp)上昇し5.714%。市場では「40bpの上昇はかなり異常だ。不安が加速し利回りが急上昇すると言われる分岐点の7%に利回りが近づいており、警戒される」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏)との声が出ている。
世界的にリスク回避の動きが強まる中、日本でも株安・債券高となった。ただ、日経平均は1万円の大台を割り込んだものの下げ幅は150円程度と限定的。12日前場の東証1部騰落数は値上がり111銘柄に対し値下がり1473銘柄とほぼ全面安だが、下値でアジアマネーの買い注文も観測され、値下がり銘柄数の割に指数は比較的底堅い動きになっている。「逆張り的な買いが入っている」(外資系証券トレーダー)という。
その背景について、みずほ証券・エクイティストラテジストの瀬川剛氏は「主要国の中で日本は欧州へのエクスポージャーが比較的小さいとみられている」と指摘する。
国際決済銀行(BIS)のデータによれば、各国銀行のイタリアに対する2010年12月末時点のエクスポージャー(政府債保有、銀行間融資、個人・法人への融資を含む)は、主要24カ国全体で8672億ドル。そのうち欧州の銀行が90%の7838億ドルを保有している。欧州以外で、日本は405億ドル(約3兆2400億円程度)と米国の367億ドルなどと比べ小さくはないが、米国はデリバティブなどの潜在エクスポージャーが2323億ドルある(日本は53億ドル)。
また「日本には復興需要という特殊要因があるほか、下値では日銀の指数連動型上場投資信託受益権(ETF)買いへの期待・警戒感があるため売り込みにくい」(別の外資系証券トレーダー)との指摘もあった。
とはいえ、6月米雇用統計が市場予想を大きく下回り米景気減速懸念が強まる中で積極的な買いは乏しい。「エクスポージャーが低くても金融システム不安につながれば日本も例外ではない」(みずほ証券の瀬川氏)。国内銀行株も軟調だ。
また日本へのネガティブな評価も払しょくされたわけではない。先日アジアの日本株投資家を訪問した、ある外資系証券エコノミストは「議論は原子力発電所の運転再開の見通しや菅政権の行方に集まった。投資家、特に日本人以外の投資家は、日本の政治情勢について行けず、半ばあきれてみているという様子だった」と話している。
<外為市場では円に逃避>
リスク回避の中での日本へのマネー逃避は、外為市場でも見られている。ユーロや高金利通貨が売られる一方でドルや円が「安全資産」として買われているという。ドルと円はともに買われているため、ドル/円の値動きはユーロに振らされる面が大きく、市場では「ユーロ/円が下落すれば、結果的にドル/円が80円を割る可能性もある」(大手銀行)との指摘もあった。
11日に開催されたユーロ圏財務相会合でギリシャの第2次支援について具体策が決まらなかったことが、ユーロの下値不安につながっているとの声が多い。リスク回避でドイツ国債金利も急低下しており「米独金利が米国有利になっていることも、ユーロ/ドルを軟調にしている」(クレディ・スイス証券チーフ通貨ストラテジストの深谷幸司氏)という。
ソブリン問題のイタリアへの波及について深谷氏は「イタリアの実態はそう悪くない。財務内容の開示など別のファクターでイタリアは大丈夫だという証拠を見せる必要がある」と話している。
一方、欧州ソブリン問題の拡大が、欧州の銀行のドル調達に影響する兆しが出てきている。11日のドル建て短期金融市場では、先物取引が、一部参加者が向こう2―6カ月間に資金繰り問題に直面する可能性があることを示唆した。欧州銀行のドル建て預金金利、ドル建ての3カ月物銀行間取引金利と翌日物インデックス・スワップ(OIS)のスプレッド先物は、ドル資金の調達金利が9月までに上昇する可能性があるとみられていることを示唆している。
<「質への逃避」で円債先物が上昇>
円債価格は先月末からの軟調地合いから一転して急反発基調となっている。下振れた6月米雇用統計に加え、欧州債務問題の再燃で「質への逃避」が加速。午後の国債先物9月限の上昇幅は一時50銭を超えた。「銀行や生命保険会社、年金勢からまんべんなく買いが入っている」(邦銀の運用担当者)。長期金利は6月28日以来、2週間ぶりの低水準となったほか、5年債利回りは節目の0.4%を割り込んだ。
株式市場に比べ景気に対する慎重な見方が多いのが最近の円債市場の特徴だ。
ニッセイ基礎研究所・金融研究部門主任研究員の徳島勝幸氏は、円債市場で先週、金利上昇圧力がかかったのは株高に踊らされた面が強いと指摘。「日本に関しては、景気回復をもう少し慎重に見ないといけない。確かに震災復興という要素はあるが、やはり輸出主導の面もあるので、海外がうまくいかないと、どうしても景気回復は鈍くなる。電力供給の問題もある。今の(金利)状況の方が、より実勢に近いのではないか」と述べている。
(ロイターニュース 伊賀大記 編集:山川薫)
http://news.livedoor.com/article/detail/5702736/
※この記事の著作権は配信元に帰属します
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現場から記者リポート:米原・集落営農組織 被災農家と共作 /滋賀
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110712-00000197-mailo-l25
7月12日、欧州債務問題が再燃し、市場ではリスク回避の動きが強まっている。写真はユーロ紙幣。1月撮影(2011年 ロイター/Andrea Comas) [東京 12日 ロイター] 欧州債務問題が再燃し、市場ではリスク回避の動きが強まっている。ユーロ財務相会合でギリシャの第2次支援について具体策が決まらなかったことに加え、イタリアにも債務懸念が波及。株式などリスク資産から債券などの安全資産に資金がシフトしている。
日本は欧州へのエクスポージャーが小さいとして比較的安全との見方もあり、避難してくるマネーもあるという。ただ、不安定な政治や全国的な電力不足懸念などネガティブ材料も依然多く、積極的な買いは乏しい。
<日本は欧州へのエクスポージャーが小さいとしてマネー逃避>
ギリシャの財政緊縮法案可決で一段落した欧州債務問題は、わずか約1週間半で再燃した。11日に開催されたユーロ圏財務相会合で、ギリシャの債務問題解決に向けた協議が難航。日本に次ぐ「債務大国」で知られるイタリアにも懸念は波及し、同国国債の保証コストは過去最高に上昇した。
イタリアのファンダメンタルズ面で大きな変化が見られたわけではないが、海外投機筋が同国国債を売り、国内銀行が買いを手控える中で利回りが大幅に上昇。「利回り上昇が市場の不安を呼び、さらに利回りが上昇するという悪循環になっている」(準大手証券)という。
11日のユーロ圏債券市場でイタリア国債10年物の利回りは43.5ベーシスポイント(bp)上昇し5.714%。市場では「40bpの上昇はかなり異常だ。不安が加速し利回りが急上昇すると言われる分岐点の7%に利回りが近づいており、警戒される」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏)との声が出ている。
世界的にリスク回避の動きが強まる中、日本でも株安・債券高となった。ただ、日経平均は1万円の大台を割り込んだものの下げ幅は150円程度と限定的。12日前場の東証1部騰落数は値上がり111銘柄に対し値下がり1473銘柄とほぼ全面安だが、下値でアジアマネーの買い注文も観測され、値下がり銘柄数の割に指数は比較的底堅い動きになっている。「逆張り的な買いが入っている」(外資系証券トレーダー)という。
その背景について、みずほ証券・エクイティストラテジストの瀬川剛氏は「主要国の中で日本は欧州へのエクスポージャーが比較的小さいとみられている」と指摘する。
国際決済銀行(BIS)のデータによれば、各国銀行のイタリアに対する2010年12月末時点のエクスポージャー(政府債保有、銀行間融資、個人・法人への融資を含む)は、主要24カ国全体で8672億ドル。そのうち欧州の銀行が90%の7838億ドルを保有している。欧州以外で、日本は405億ドル(約3兆2400億円程度)と米国の367億ドルなどと比べ小さくはないが、米国はデリバティブなどの潜在エクスポージャーが2323億ドルある(日本は53億ドル)。
また「日本には復興需要という特殊要因があるほか、下値では日銀の指数連動型上場投資信託受益権(ETF)買いへの期待・警戒感があるため売り込みにくい」(別の外資系証券トレーダー)との指摘もあった。
とはいえ、6月米雇用統計が市場予想を大きく下回り米景気減速懸念が強まる中で積極的な買いは乏しい。「エクスポージャーが低くても金融システム不安につながれば日本も例外ではない」(みずほ証券の瀬川氏)。国内銀行株も軟調だ。
また日本へのネガティブな評価も払しょくされたわけではない。先日アジアの日本株投資家を訪問した、ある外資系証券エコノミストは「議論は原子力発電所の運転再開の見通しや菅政権の行方に集まった。投資家、特に日本人以外の投資家は、日本の政治情勢について行けず、半ばあきれてみているという様子だった」と話している。
<外為市場では円に逃避>
リスク回避の中での日本へのマネー逃避は、外為市場でも見られている。ユーロや高金利通貨が売られる一方でドルや円が「安全資産」として買われているという。ドルと円はともに買われているため、ドル/円の値動きはユーロに振らされる面が大きく、市場では「ユーロ/円が下落すれば、結果的にドル/円が80円を割る可能性もある」(大手銀行)との指摘もあった。
11日に開催されたユーロ圏財務相会合でギリシャの第2次支援について具体策が決まらなかったことが、ユーロの下値不安につながっているとの声が多い。リスク回避でドイツ国債金利も急低下しており「米独金利が米国有利になっていることも、ユーロ/ドルを軟調にしている」(クレディ・スイス証券チーフ通貨ストラテジストの深谷幸司氏)という。
ソブリン問題のイタリアへの波及について深谷氏は「イタリアの実態はそう悪くない。財務内容の開示など別のファクターでイタリアは大丈夫だという証拠を見せる必要がある」と話している。
一方、欧州ソブリン問題の拡大が、欧州の銀行のドル調達に影響する兆しが出てきている。11日のドル建て短期金融市場では、先物取引が、一部参加者が向こう2―6カ月間に資金繰り問題に直面する可能性があることを示唆した。欧州銀行のドル建て預金金利、ドル建ての3カ月物銀行間取引金利と翌日物インデックス・スワップ(OIS)のスプレッド先物は、ドル資金の調達金利が9月までに上昇する可能性があるとみられていることを示唆している。
<「質への逃避」で円債先物が上昇>
円債価格は先月末からの軟調地合いから一転して急反発基調となっている。下振れた6月米雇用統計に加え、欧州債務問題の再燃で「質への逃避」が加速。午後の国債先物9月限の上昇幅は一時50銭を超えた。「銀行や生命保険会社、年金勢からまんべんなく買いが入っている」(邦銀の運用担当者)。長期金利は6月28日以来、2週間ぶりの低水準となったほか、5年債利回りは節目の0.4%を割り込んだ。
株式市場に比べ景気に対する慎重な見方が多いのが最近の円債市場の特徴だ。
ニッセイ基礎研究所・金融研究部門主任研究員の徳島勝幸氏は、円債市場で先週、金利上昇圧力がかかったのは株高に踊らされた面が強いと指摘。「日本に関しては、景気回復をもう少し慎重に見ないといけない。確かに震災復興という要素はあるが、やはり輸出主導の面もあるので、海外がうまくいかないと、どうしても景気回復は鈍くなる。電力供給の問題もある。今の(金利)状況の方が、より実勢に近いのではないか」と述べている。
(ロイターニュース 伊賀大記 編集:山川薫)
http://news.livedoor.com/article/detail/5702736/
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現場から記者リポート:米原・集落営農組織 被災農家と共作 /滋賀
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110712-00000197-mailo-l25