前回の投稿は2017年の11月だったので、実に長い月日が過ぎた。
 しかしその間、私は以前と変わらずライカで写真は撮っていた。何となれば東京の本社勤務には戻ったものの、東南アジア方面への出張は頻度を増し、その都度以前と同じようにライカを手に出かけていた、からである。そして出張から帰るたび、撮影済のフィルムを自宅の自分の部屋の本棚に並べて長いことそのままにしていた。理由はない。単に出すのを面倒がっていた、というのか、とにかく放っておいたのである。
 それがたまたま今日、その気になってフィルムを全て袋に詰め、出かけたついでにいつもの写真屋さんに現像に出した。お店の人も変わってなかったのは私にとっては幸いだった。久しぶりにしかし前と変わらないような会話をし、19本も貯め込んだフィルムを預けてきたのである。
 変わっていたのは、店に並ぶフィルムだった。
 このところフライトが成田空港からが多いので、いつも成田空港でフィルムを買っていた。しかしそれがビックカメラやヨドバシカメラといった大手チェーン店でも以前よりもフィルムのコーナーは縮小されていることは感じていた。フィルムの消費量はさすがにもういくらでもないだろう。何となればコンデジですら売れない時代、そして携帯電話のカメラは性能を増し、ついにはライカレンズ搭載の携帯まで出るようなそんな時代。
 しかし今日久しぶりに言った写真屋のフィルムの棚を見て私は驚きを隠せなかった。そこには減っているどころか、ものすごく増えていたから、である。まずはお店の許可を取って私の携帯で(笑)撮影させてもらった、そのフィルムの棚の写真を見ていただこう。細かいところが見れるように写真は原寸のまま掲載しているつもりです。
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 このフィルムの種類の多さは一体どういうことなのだろう?聞けば結構若い人で中古フィルムカメラを買ってフィルムを楽しむ人がいるのだという。私の見る限りでは、どこへ出かけてもフィルムカメラを持っているような人にはとんと会わなくなって久しいが、地道にやっている若い人がいる、ということか。

 さらに驚いたのは、富士フィルムがアクロスの生産中止を予告しているらしい。アクロスと言えば私がライカを使い始めてからずっと愛用しているISO100のモノクロフィルム。かつ、富士フィルムは現在ではこのフィルムしかモノクロはもう生産していない。それがいよいよ生産終了するなんて全く知らなかったので、早速ググってみると、確かに2018年10月でアクロスの生産中止を発表している(リンクはこちら)

 確かに以前からフィルムを日本で生産しても、もはや商売にならない、とは言われていた。私などはそれでもアクロスを生産してくれる富士フィルムに感謝していたくらいである。マニアや好きな人からすれば実に残念ではあるが、これも時代の流れ、企業であれば止むを得ないことなのだろう。ただ写真屋さんの話によれば、さすがに反対している人たちも多く、まだ生産中止にもなってないが、早くも再生産の話もある、とのことだった。

 アクロスの生産中止の話は知らなかったが、一方で世界中から取り寄せているとはいえ、決して安くないフィルム、それも消費期限のあるものをこれだけ揃えているというのは、写真屋さんもやはりフィルムが好きなのだろう。アクロスも1本が680円になり、これにフィルムの場合現像代やらプリント代などがかかるから最早安い趣味とは言えないが、他の多くの聞いたことのないブランドのものでは高いもので1本が1730円もするものもあり、これを買い求める人は一体何を撮影しているのか、気になって仕方がない。

 それでもまだフィルムが世の中にこれだけ存在し、その多くはEU製(おそらく東欧?)でも、今どきお店にこれだけ並べられていて、「行けば買える」というのは現代においては貴重な体験だ。あるいはきっと世界中で日本、それも大都市圏近郊だけのことだろう。何となれば時代は急速にネット社会になり、もうネットで買えないものはない時代だし、世界を見れば例えばシンガポールにはCDショップというものがなくなって久しい時代なのだ。で、あるならばこれを楽しみとして享受できる間に楽しんだほうがよいのではないか、と考える今日だった。