妻がいない世界で、生きている
正直に言うと、
今でも現実だとは思えていない。
朝起きたとき、
「あ、夢じゃなかったんだ」って毎回思う。
周りは普通に生活していて、
笑っていて、
時間は何事もなかったみたいに進んでいく。
その中にいる自分だけが、
まるで違う世界に取り残されたみたいだった。
「時間が解決するよ」って言われても、
そんなふうに思えなかった。
むしろ、
時間が経つほどに
「妻がいない時間」が増えていくだけで、
しんどさは別の形になっていった。
—
最近になって、
少しだけ変わったことがある。
楽になった、とは言えない。
ただ、
少しだけ息ができる時間が増えた気がする。
でもそれは、
傷が癒えたわけじゃなくて
ただこの状態に、
少し慣れてきただけなんだと思う。
—
そんな中で、
同じ経験をした人と話す機会があった。
無理に前向きなことを言わなくていい場所。
「わかるよ」って
軽く言われるんじゃなくて、
本当に分かっている人たちがいる場所。
そこでは、
頑張らなくてよかった。
ちゃんと元気にならなくてもよかった。
ただ、そこにいるだけでよかった。
—
もし今、
どうしようもなくしんどいなら。
無理に前を向かなくていい。
頑張らなくてもいい。
ただ、
ひとりじゃなくていい。
そんな場所があることだけ、
知っておいてほしい。
それでも今日も、生きている。