邦画がおもしろい。年齢が上がったからだろうか。昔よりも邦画を見る機会が確実に増え、おもしろい!と思う映画もバリバリ増えた。
そこでこの「南極料理人」。おすすめです!日本の映画館では珍しい~と思うくらい、笑いの渦が頻繁に巻き起こっていたので(ちなみにマレーシアの映画館では、どんな映画でもみな膝をたたいて大爆笑している)、わたしだけでなく観客全員がブラボー!と心のなかで叫んでいたと思う。
いちばんいいな、と思ったのは、南極越冬隊員のセリフ。すっごく普通に、誰もが言いそうなセリフ満載で、いうなれば「南極越冬隊」という会社に勤めている新入社員がつどう男子寮のノリ。肉を振り回しながら「あっ、おれ、ねっ、だんだん楽しくなってきたぞー!」と叫んだり、伊勢海老があると聞いて「海老フライが食べたい。もう、みんな海老フライモードだからね」と調理人に念をおしたり。さながら血気盛んな男子寮をのぞき見しているような気分になる。
主人公である調理担当西村さんの心のこもった料理に、食べ物にまつわる個人のエピソードがうまい具合にからんでいて、とってもうまい、うますぎる。珍しいオーロラの景色よりも、長いこと食べてなかった「アッツアツの湯気のたったラーメン」のほうが大切、なんていうシーンは、実際に4年間マレーシアで日本食を大切に、大切に、食べてきた経験を思い出して、ムショーに切なくて、思わず涙が出そうになってしまった。
ちなみに、この映画のフードスタイリストもまた「飯島奈美さん」。彼女はすごい。映画「かもめ食堂」「めがね」、そして「南極料理人」と大活躍。さらに調べてみれば、映画「ヴィヨンの妻」も「のんちゃんののり弁」にも参加しているそうな。すごい、のっている。
もうひとつちなみに、飯島奈美さんの特徴を「かもめ食堂」と「南極料理人」を見て発見。しょうが焼きやぶりの照り焼きなど、ソースを煮詰めてタレにする料理は、フライパンで煮詰めながら、必ずソースをスプーンですくって、何度も何度も魚や肉のうえにかけてるね。もしかしたらこの作業が、奈美さんそのもの!なのかもしれない。
最後にもうひとつちなみに。
南極越冬隊には、西村さんのような“料理担当”という仕事があるわけで、人が暮らしていくためには料理人という仕事が必要不可欠なんです。なので料理って、立派な仕事なんだ、と実感したしだい。仕事をしながら、料理もして、子育てもしてる、ってなお母さんたちは、兼業、兼務、かけ持ちのプロってわけなんですね。あっぱれです。