耳が聞こえず、目も見えない人がつかう言葉、触手話。
もともと聞こえない人で手話を使っていた人が目も見えなくなった場合、
触手話を使うことが多い。
反対に、もともと目が見えない人で、あとで耳が聞こえなくなった人は、
手の甲にカタカタと点字をうつ、指点字を使うらしい。
もちろん盲ろうの方が、必ずどちらかの手段を使うわけではなく、
たくさんあるコミュニケーション手段のひとつが、この2つである。
先週、触手話の講習会に参加してきた。
今までイベントや福祉大会などで見たことはあったけれども、
実際に話しを聞くのは初めてだった。
第一部は、盲ろうの方の講演。
彼は、もともと聞こえない人だったので、手話がペラペラ。
手話で、実体験やこれからの夢を語る。
話しがとても上手で、ドッと笑いがおこる。
なるほど~とみんなで頷いたりもする。
でも、この反応がどれくらいまで伝わっているか分からない。
思わず、いつもよりもたっくさん手を動かして反応したりする。
彼は弱視という症状なんだそうだ。
弱視のなかにも色々あるらしく、
彼の見え方は、そこにある物が、違う場所に見えてしまう。
手を伸ばしても、そこに物はない。位置がズレてしまうのだ。
彼は、通訳さんの手を触りながら、指の形、手の動きを読みとっていた。
これが触手話。
通訳さんの手の上に、自分の手を軽く乗せ、形、動きを読みとる。
伝えるほうは、指文字、数字、手話、すべてを総動員して伝える。
伝えたい言葉のなかには、文字だけでなく、目に見える情報もはいっている。
「階段があるよ」
であれば、階段のマークを手で作り、
下に降りる階段であれば、すこしずつ下に動かす。
上に上がる階段であれば、すこしずつ上に動かす。
そのようにして、周りの状況も触手話で伝える。
第二部は、触手話体験タイム。
隣りの人と目をつぶりながら、体験してみた。
いやぁ、、難しい…。
表情で伝える(ごまかす?笑)ことができないので、
全部、手で伝えなければいけない。
指文字や数字についても、手で触って読みとる方法が分からない。
でも体験していくうちに、すこしコツが分かった。
それは、「手話の動き」が大切ということ。
触手話というのは、いつもの手話で表しているとおりの動きや形を
そのまま表す。
自分のあごの下に手を置いて伝える「待って」
という手話だったら、
相手の手を、自分のあごの下までひっぱって、
そこで「待って」とする。
目をつぶって、相手の手を読みとってみるとよく分かる。
動きのある手話は分かりやすい、
お腹からポロンと出る仕草をする「生まれる」。
とんとんと両手で机の表面をたたくような「今日」。
そういう手の動きがある手話なら、ははーん、と検討がつく。
なるほど。
目で見る手話が、動きで感じる手話になったんだな。
手話も使い方で、変化するんだ。
目で見る言葉=手話というわけではないんだ。
触手話。
コミュニケーションを新しい側面を見せてくれました。