夫が倒れた日の午前中。私の両親と祖母が新居に初めて来ました。


我が家で、母の手作りケーキとともに、祖母の93歳のお誕生会。
楽しい時間を過ごし、両親も祖母も私の幸せな姿を見て、安心して帰っていきました。

温かい家族に憧れていた夫は、「家族っていいね。また来てもらおうね」と嬉しそうに何度も言っていました。

夕食後、急に私の腕を引っ張って抱きしめた夫、シャイなので今までそんな事は一度もなかったから私は嬉しくて嬉しくて、夫にピッタリくっついて最高に幸せな時間でした。(今思うと、これが虫の知らせだったのかと思います。)


まさかその数分後に、夫が帰らぬ人になるなんて、、、

今日、人生で一番幸せな日だったよね。
ついさっきまで最高の瞬間にいたよね。

両親、祖母、私にとって一気に天国から地獄に突き落とされた日でした。

93歳にもなって、こんなに辛い思いをしなければならなくなった祖母と、結婚の挨拶に行った時、涙を流して喜んでいた母の事を思う度、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

「親不孝」夫が亡くなった後、言われた言葉。
わかってる。悪気はない、って。

でも、、、、

辞書によると、親不孝とは  「親を大切にしないで心配や迷惑をかけること」とあります。

夫は、親を大切にしなかった?心配をかけた?迷惑をかけた?

確かに夫は義父との間で色々ありました。けど、義母を亡くして1人で暮らしている義父を保険金の受取人にしていました。義父のことを大切に思っていたと思います。
義母の命日には、毎年必ず飛行機でお墓参りにも行っていました。
高校卒業後、一人暮らし、経済的にも親に頼ることもなく生きてきました。

親不孝なんて言われる理由なんて1つもない。

親より先に逝くことになって一番悔しくて、悲しくて、辛い思いをしているのは夫。

私だって、あんなに喜んでいた祖母と両親に悲しい思いをさせてしまったけど、不可抗力だし、望んだわけでもない。

夫も私も悪くない、言った人もけっして悪気はない。
わかってる。わかってるけど、、、

天国から地獄、こんな思いを親と祖母にさせてしまったのは事実。


娘の幸せな姿を見られなくなってしまった親の気持ちを思うと、
「親不孝」というより、「親不幸」なのかもしれない・・・・・

「親フコウ」
この言葉が今もずっと心の奥に深く突き刺さったままです。