1年半前、夫は目の前で発作を起こして、そのまま旅立ちました。

新婚だし、ラブラブな時期で、仲良くお風呂に入ってました。

夫が身体を洗っていたときでした。
夫の「ヤバい!!」という声の後、心臓発作で崩れ落ちました。
わけがわからず、私はお風呂から出てすぐに119番。
風呂場に戻ろうとしたけど、夫の身体がちょうどドアの前に倒れて、ドアが開かず。
時間だけが経っていきました。

119番に電話したとき、心臓発作です。早く来て下さい!!を必死で連呼していた私。
仕事で救急救命の講習を受けていたので、人工呼吸も心臓マッサージもできたはずなのに、、、
ドアが開かない。どうやっても開かない。

助けられたはずの命なのに、
「俺に何かあったら心臓マッサージよろしくね。」って言われていたのに、、、

何もできなかった。

病院に運ばれて、倒れてから一時間後には、医者から「厳しいです。決断して下さい」と言われました。

倒れた時の様子や、救命隊が蘇生を始めるまでの時間を考えると、もうダメだろうなと思ってたから覚悟はできていました。でもせめて家族で見送りたい。夫が慕っていた義兄が来るまではなんとか待ってもらいたかったのです。

義兄が来るまで5時間かかる。医者からはそこまでは待てない、と言われました。
じゃあ、せめて私の親が来るまで待って下さい。あと20分待って下さい、家族で見送りたいです。と必死でお願いしました。

私の親が来たときでした。これでお別れかと思ったとき、奇跡が起こりました。
夫の脈が一回打ったのです。

医者は、様子を見る判断をし、そこから丸1日夫は頑張りました。

以前、大好きだった祖父を看取ったとき、死に際にどう向き合うかで、残された者のその後の生き方が大きく変わるということを知りました。

だから夫が残してくれた時間、夫の最期の時に夫婦で向き合うという、夫婦としての究極の共同作業を成し遂げようと心に決めました。

奇跡を起こしてくれた夫は、私への最期のプレゼントに、私がこれから先、前を向いて生きていけるよう、夫の死を受け入れるための時間をくれました。