悲しいね/渡辺美里
何だろう、春なのに、春だからか。
ちょっとセンチメンタルな気分になることが増えた。
でも、例えば学生時代の多感な頃の、
やり切れなさや切なさ、後は愛しさか。
自分では抱えきれない感情と流れと時間と。
そんな胸が締め付けられるようなあの感じ、分かるかな。
最近はあの頃のようなセンチメンタルな気分になることは殆どないじゃないか。
勿論、それに代わる感情もあってさ。
十分ドラマチックにもなれるんだけどさ。
それでも。
あの頃のような恥ずかしさ混じりの感情になれることは減ってしまったので、純粋に嬉しいんだ。
嬉しいと思っている事は、あんまり人にはばれたくはないんだけどね。
割とみんなそうだと思うけど、20年以上経つのに、中身はあんまり変化もないと思ってはいるけど。
その辺の切なさやらの感情が、少し感じにくいと言うか。
ただ純粋に感じていられたあの頃と、何かに呼び起こされて感じる今とでは、その辺が変わってしまったんだな。
写真や音楽、映像や言葉。
色んな事でそんな感情がまだ残っていたんだと気づかされる。
繰り返すけど、少し嬉しい。
そして、そんな気持ちにひと時でもなれたのなら。
むず痒く感じながらも、遠慮なく切なくなりたいと思うんだ。
恥ずかしいけど、うっすら涙ぐんだりもする。
当たり前のことなんだけど、時間は戻ったりはしないのだから。
明日はきっと今日を懐かしく思うんだから。
今からだって、きっと遅くはないんだ。
遅すぎることなんてないと、誰かも言ってた。
最近はそれを強く思っているんだよ。