村岡桃佳選手
2つめの金メダル
おめでとうございます!
パラリンピック 村岡桃佳が金メダル 今大会2個目 アルペン女子
北京パラリンピックのアルペンスキー、女子スーパー大回転の座って滑るクラスで、村岡桃佳選手が、金メダルを獲得しました。
前日の滑降に続いて今大会2つめの金メダルです。
北京郊外の延慶にある「国家アルペンスキーセンター」に設けられたスーパー大回転のコースは標高差が540メートル、長さはおよそ2キロあり、急斜面を一気に滑り降りるスピードと、ターンの技術が求められます。
座って滑るクラスは、専用のいすに1本のスキーを装着した「チェアスキー」で滑り、障害の程度に応じた係数をかけたタイムで争いました。
日本選手団の主将を務める25歳の村岡選手は、序盤でコンタクトレンズが外れるアクシデントがありましたが「何とか持ち直せた」と持ち味の正確なターンで徐々にスピードに乗り、フィニッシュしました。
タイムは1分23秒73で2位の選手とは0秒11のわずかの差で金メダルを獲得しました。前日の滑降に続いて、今大会2つめの金メダルです。
銀メダルはドイツのアナ レーナ・フォルスター選手、銅メダルは中国の張ブン静選手でした。
また、46歳の田中佳子選手は2大会ぶりのパラリンピックの最初の種目で「思い切って滑ることができた」と1分35秒69のタイムで5位に入りました。
村岡 田中両選手談話
村岡選手は
「うれしさもあるが、自分の滑りを振り返ったときに 少しだけ反省もある。まずは金メダルをとれてよかった」
と振り返りました。
また
「レースの序盤でコンタクトレンズが落ちてしまい、途中から何も見えなくなってしまった」
とコースの途中で起きたアクシデントを明かしたうえで
「ひやひやしたが、途中から持ち直せた」
と話しました。
そして2つめの金メダルについて
「以前までは滑りの中で気持ちの迷いがあったが、今大会は自分に自信を持って滑れている。成長につながっている」
と胸を張っていました。
田中佳子選手は
「すごく緊張した。久しぶりのレースで滑ったことがないような難しいコースと雪だったが思い切って滑ることができた」
と振り返りました。
そのうえで、残りの種目に向けて
「楽しんでスタートが切れるようにしたい」
と意気込みを話していました。
大会前に右ひじ痛めるも見事な滑りで2日連続の「金」
連日の金メダル獲得となった村岡桃佳選手。日本選手団の主将として大会序盤から結果で日本チームをけん引しています。
村岡選手は前回のピョンチャン大会で金メダル1つを含む5つのメダルを獲得し、一躍、日本女子チェアスキーの顔となりました。
今大会は日本選手団の主将を務めていますが、ふだんは自他ともに認めるシャイな性格で人前に出ていくタイプではないと言います。
村岡選手に主将就任の打診があったのはことし1月でしたが、その直後、練習中に転倒して右ひじのじん帯を損傷しました。
箸を使えないほど痛みが出て雪上練習もできなくなり、1か月半後に迫る大会に向け不安が募りましたが、悩んだ末に大役を引き受けることを決断しました。
「誰かの後ろをついてばかりの自分を卒業する機会だとも思っている。かっこいい背中を見せて引っ張っていける主将になりたい」
と誓って臨んだ大会で、競技初日から2種目続けての金メダル獲得。
右ひじを痛めた影響は滑りからは感じさせず、精神的にも一回り大きくなった姿を見せました。
たくましさを増した25歳はこのあとも背中で日本チームを引っ張っていきます。