前回の記事では、
認知症で見られるBPSD(行動・心理症状)についてお伝えしました。今回は、「中核症状」と「BPSD」の違いについてお話しします。
認知症について学び始めると、
「中核症状」
「BPSD」
という言葉を目にすることがあります。
少し難しく感じるかもしれませんが、この2つの違いを知ることで、認知症の方への接し方が大きく変わります。
中核症状とは?
中核症状とは、認知症そのものによって起こる基本的な症状です。例えば、
・新しいことを覚えられない
・日時や場所が分からなくなる
・判断することが難しくなる
・言葉が出にくくなる
などがあります。
これらは脳の働きが低下することで起こるため、
認知症では多くの方に見られる症状です。
BPSDとは?
BPSDは、
中核症状に加えて現れる行動や心理面の症状です。
例えば、
・怒りっぽくなる
・不安が強くなる
・「財布を盗まれた」と訴える
・「家に帰りたい」と繰り返す
・昼夜逆転や徘徊が見られる
などがあります。
BPSDは、体調や生活環境、人との関わり方など、
さまざまな要因が重なって現れることがあります。
違いを知ることが大切
例えば、財布をしまった場所を忘れるのは、中核症状による記憶力の低下が関係しています。
その結果、
「誰かに盗まれた。」
と思い込んでしまうのは、BPSDの一つと考えられます。この違いを理解すると、
「困った行動」と見るのではなく、
「症状によって困っているんだな」
という視点で関われるようになります。
寄り添う介護につながる
BPSDだけを抑えようとするのではなく、その背景にある中核症状や不安な気持ちを理解することが大切です。
「なぜ、この行動をしているのだろう。」
と考える習慣が、
本人に寄り添う介護につながります。
家族も自分を責めない
認知症の方への対応は、
思い通りにいかないことがたくさんあります。
それは介護者の接し方が悪いからではありません。
病気による症状を理解し、
一歩ずつ向き合っていくことが大切です。
困った時には、一人で抱え込まず専門職に相談することも忘れないでください。
最後に
認知症には、
**「中核症状」と「BPSD」**という二つの大切な考え方があります。だからこそ、
・中核症状は病気そのものによる症状であることを知る
・BPSDはさまざまな要因が重なって現れることを理解する
・行動だけではなく、その背景を見る
・本人の不安や気持ちに寄り添う
・一人で悩まず相談する
こうした視点を持つことで、
介護への向き合い方は少しずつ変わっていきます。
認知症介護では、
**「症状を責める」のではなく、「その人の気持ちを理解しようとすること」**が何より大切です。
その積み重ねが、本人にも介護者にも穏やかな時間をもたらしてくれるでしょう。
次回は、
「認知症介護で知っておきたい専門知識⑤ 認知症の方とのコミュニケーションで大切なこと」についてお伝えします。
毎日の声かけや会話の工夫で、不安を和らげ、安心につながるコミュニケーションのポイントを分かりやすくご紹介します。
今回も読んでいただき、ありがとうございます!