出来る限りの
あたしの記憶を
引き出してみても

あたしの生涯の半分ぽっちも
埋まらなかった

家族やパートナーの
あたしとの思い出を
かき集めても

あたしの人生の三分のには
振り返ることが出来なかった

友だちの
あたしとの日々を
拾ってきても

あたしの性格は
表の縁と裏の端っこしか
みつけられなかった


すれ違った人の
あたしの印象を掘り起こしても
あたしの姿は
もやもや


宇宙のすべての
あたしをつぎはぎすると

あたしの心臓1つ分が
見つからない




本当のあたしなんか
どこにもいやしない


いつもいるのは
あたしの断面