前回の続きです。


ここまでの話をまとめると、


仮に


・塾や予備校は、本質的な思考力や行動力を高めることはない(もしくは効果は十分に小さい)


・塾や予備校は、入学試験の点数を上げる効果がある


・塾や予備校は有料である


とした場合、




・塾や予備校があると、利用する子としない子で進学先の入れ替えが発生する


いいかえると、


・本質的な思考力が少し低くても塾や予備校のサポートで合格する子がいる一方、

 
 本質的な思考力が少し高くても塾や予備校のサポートがないため不合格になる子がいる


という結果になりました。



さて、この入れ替えは


誰にとって得(損)なのか考えたいと思います。



前の例を再掲しておきます。



<塾がない世界>


Aさん 80点 A学校

Bさん 75点 B学校

Cさん 70点 C学校

Dさん 65点 D学校


     ↓


<塾がある世界>


Aさん 87点 A学校 (通塾で+7)

Cさん 77点 B学校 (通塾で+7)

Bさん 75点 C学校

Dさん 65点 D学校



Aさんは通塾してもしなくてもA学校なので


お金をかけた分ちょっと損です。


でもCさんが仮に+12になっていれば


A学校にいけなくなっていたので、


リスクを回避するために+7するという考えもあり、


そうであれば、A学校に確実にいくための必要投資とも考えられます。




Bさんは下位の学校になったので、


お金はかけていませんが、自分の能力に比べて簡単な内容の


教育を受ける結果になります。



もし、上位の学校に進学し、勉強、部活動、行事、仲間との交流などを通じて


下位の学校に進学した場合より高いレベルで思考、行動できるようになるとすれば、


Bさんは成長の一部を失ったことになり、損をしていると言えます。



また、思考力、行動力の成長にそれほど大きな違いがなかったとしても


就職時に上位の学校の卒業者の方が、より高度な能力を必要とし、


より高給な職に就けるとすると、やはり能力に対して低め(給与も低め)の職につくことになり、


損をしていると言えます。




Cさんは逆に上位の学校になったので、


お金をかけた甲斐があったように見えます。



特に就職時に、出身校のレベルが採用の基準としてつかわれる場合、


能力的に少し不足していても、高い能力を要求される高給な職に


就ける可能性が高まるため、生涯的に見れば得が多いといえます。



ただ、ある意味無理をして進学しているので、


せっかく高度な内容の教育を受けても、吸収できないかもしれませんし、


高度な能力を要求される職業についていけないかもしれません。



塾や予備校の受験対策の力が絶大なほど


このような現象が出やすいと考えられます。



Dさんはお金をかけてないですし、


進学先も変わっていないので損得なしでしょう。





では、この4人以外の人はどうでしょう?


仮に出身校のレベルがある程度就職に影響を持つと仮定した場合、


塾や予備校がなければBさんが就く予定だった職は


やや能力が不足しているCさんになっています。




大手企業の総合職や官僚など高給で


高度な能力が必要とされている職で考えると分かりやすいですが、


能力が不足している人が担当することは社会全体として


マイナスの面があると思います。




また、塾や予備校が本質的な能力を高める効果をあまり持たないのであれば、


膨大な数の親が支払う授業料は実質的に社会へのプラスの投資になっていないため、


できれば他の使い道にまわしたいところです。




長くなりましたが、まとめると


①塾や予備校を利用するとより上位の大学に入れ、


自分の能力に対して少しレベルが高すぎる教育を受けたり


少しレベルが高すぎる職に就ける可能性が高まる。



②ただ社会全体としてみたら


お金を使って社会の適材適所を歪めている面があり、


あまり望ましくない状態。




どうすればもっと良くなるのかは別の記事で考えます。




前回の続きです。



仮に進学先が入れ替わる現象があったとしたら、


例のBさんとCさんの進学先が変わることで


誰にどんな損得があるのでしょうか?




それを考える前に、1つ検討しなければならないことがあります。



それは塾や予備校での勉強が


その子の能力を高めるかどうか


ということです。




ここでいう能力は社会に出て


どのくらい世の中に貢献できるか


(どれだけ価値のあるものを作り出せるか)


という尺度で測る力です。



極端な2つの仮定を考えます。


①塾や予備校は能力を高める


②塾や予備校は能力を高めない





もし①だとしたら


お金を払うことで本当の意味で頭が良くなったり、


人間的に成長するということになります。




塾に行く子が増えれば増えるほど、


頭の良い子が増え、人間的に成長する子が増え、


社会で大きな価値を生み出す人材が増えることになります。




もし②だとしたら、塾や予備校は能力に影響を与えず、


試験問題の正答率を上げて、能力と進学先のマッチングを


変えるという効果だけを持ちます。



BさんとCさんの例で言うと、


BさんはCさんより能力が高い状態のままですが、


Cさんの方がより高度な教育を行う学校に


進学するということになります。




上の仮定は極端ですが、どちらかと言えば


現実の世界は②に近いのではないかと思います。




通塾率、予備校の利用率は数十年前より


高くなっていると思いますが、それによって学生全体の


能力が引き上がっているという話は聞いたことがないからです。




また、少しですが、自分が通っていた経験からも


「本当に考える力を身につける」より「解き方を覚える」タイプの


授業が多かったのでその面からも②の方が近い気がします。





「進学校に入ってみて」の続きです。



「塾や予備校が利用者の合格力を上げている」という仮定をすると、


「塾や予備校を利用した人としない人で進学先が入れ替わる」という結果が出ると思います。


※仮定は極端ですが、分かりやすくするためです。




例を挙げてみます。


仮に塾や予備校がない世界では学校での勉強の結果、


点数が高い人からA学校、B学校、・・・のように合格し、


以下のように進学先が決まったとします。


Aさん 80点 A学校

Bさん 75点 B学校

Cさん 70点 C学校

Dさん 65点 D学校




次に塾や予備校のある世界を考え、


Aさん、Cさんはお金を払って塾に通って


7点UPしたとします。


すると、、


Aさん 87点 A学校

Cさん 77点 B学校

Bさん 75点 C学校

Dさん 65点 D学校


BさんとCさんの進学先が入れ替わりました。




実際の世界はそんな単純ではないと思いますが


こういう現象は多少あるのではないかと思います。


前の「塾や予備校への疑問」で書いたことは


ずっと気になっていましたが


高校や大学に進学して気づいたこともあります。




世間ではレベルが高いと言われるような学校に入ったのですが、


やっぱりみんな塾や予備校で勉強していました。


1年間だけ、3年間、小学校からずっとなどばらつきはありましたが


「全然行ったことがない」っていう人は


ほとんどいませんでした。



ということで、進学校では多くの入学者が


学校以外の有料の進学サポートを受けているという実態は


分かったのですが、それをどう評価するかの前に


設定しないといけない仮定があると思います。


話を分かりやすくするために極端な2つにします。



①もともと合格する力は不足していて塾や予備校に行ったから合格できた


②もともと合格する力があったから塾や予備校に行かなくても結果は同じだった






①なら経済的な理由で塾とか行けない子は


塾とか行ける子と順位が逆転することになります。


②なら塾や予備校は世の中にあってもなくても


誰がどこに進学するかには影響がないことになります。




自分が通った経験からは現実は②より①の方に近いと思います。

(今は違うかもしれないけど)



仮に①に近い状態だったとして、



①は塾とかがない世界と比較して

誰にとってどんな得(損)があるのか?



そこを考えてみようと思います。
中学時代に思っていたこと。


学校の成績が結構良くても


私立とか国立とか受けようとすると、


公立の中学校で教えてもらってない知識が試験に出る。


なんで?



塾に行くと当然のように教えられて


できるようになるけど、


学校では当然のように教えられない。



なんで?




高校時代にも同じような疑問があった。


教科書をなんとなくまとめた程度の


学校の授業のノートを見返しても


国立や私立の難関大学の試験問題は


なかなかできるようにならない。


本屋で売られていた問題集をやってみても解けず、


解答を見て「すごいなー、なんでそんな解き方思いつくかな―」


とは思ったけど、なかなか理解のスピードが上がらない。




その後、予備校に少し通う機会があって入ってみたら、


時系列、カテゴリ別など様々軸で情報は整理され、


最短の解法はなぜそうするのかを含めて分かりやすく解説され、


学校別の試験対策まである。



これ、予備校行ってない人結構不利じゃない?




大部分の塾、予備校はタダでは入れない。


ということは、お金を出してくれない、出せない親を持つ子や


出してほしくない子は入れない。



その子がどれだけ意欲を持っているとか、


どれだけ能力が高いかとかは関係ない。




今の受験・進学の形は本当にベストなのか?



大学でもなんとなく


心にひっかかっていたことでした。