ラジャ・ダト・ノンチック氏の詩 | Absolute Gem

ラジャ・ダト・ノンチック氏の詩

かつて 日本人は
清らかで美しかった

かつて 日本人は
親切でこころ豊かだった

アジアの国の誰にでも
自分のことのように一生懸命つくしてくれた

何千万人もの 人の中には
少しは変な人もいたし
おこりんぼや わがままな人もいた

自分の考えをおしつけて
いばってばかりいる人だって
いなかったわけじゃない

でも そのころの日本人は
そんな少しの いやなことや
不愉快さを越えて

おおらかで まじめで
希望に満ちて明るかった

戦後の日本人は
自分たち日本人のことを
悪者だと思いこまされた

学校でも ジャーナリズムも
そうだとしか教えなかったから

まじめに
自分たちの父母や先輩は
悪いことばかりした残酷無情な
ひどい人たちだったと 思っているようだ

だから アジアの国に行ったら
ひたすら ぺこぺこあやまって
私たちはそんなことはいたしませんと
言えばよいと思っている

そのくせ 経済力がついてきて
技術が向上してくると

自分の国や自分までが
えらいと思うようになってきて

うわべや 口先では
済まなかった悪かったと言いながら

ひとりよがりの
自分本位の 偉そうな態度をする

そんな
今の日本人が 心配だ

本当に どうなっちまったんだろう
日本人は そんなはずじゃなかったのに

本当の日本人を知っているわたしたちは
今は いつも 歯がゆくて
くやしい思いがする

自分のことや
自分の会社の利益ばかりを考えて
こせこせと
身勝手な行動ばかりしている
ヒョロヒョロの日本人は
これが本当の日本人なのだろうか

自分たちだけで 集まっては
自分たちだけの 楽しみや
ぜいたくに ふけりながら

自分がお世話になって住んでいる
自分の会社が仕事をしている
その国と 国民のことを

さげすんだ眼でみたり
バカにしたりする

そんな ひとたちと
本当に仲よくしてゆけるだろうか

どうして
どうして日本人は
こんなになってしまったんだ

1989年4月 クアラルンプールにて