恋うや
慕いや
過ぎ去る日々に
常想うことがあらば
其れは
あなたの事
想いて苦しみ
焦がれて泣き
この濡れた夜
を
抜け出す術を
わたしは知らない
わたしは毎日
同じような言葉を吐き乍ら
今日も変わらない
と
安堵さえ覚えている
苦しみさえ
減ることもなく
あなたに抱いた
全ての感情
が
薄れて
滲まないことに
喜びを感じてしまう
けれど
口惜しい
わたしは
あのひとに
何を残せるだろう
あのひとのどんな位置に居る?
あのひとのどの部分を占めている?
なにもわからない
だから
足掻く
必死に
惨めで
不様かもしれない
それでもいい
ゆっくり
少しずつ
柔らかく
蝕むように
あのひとを侵したい
わたしが
染みて
拡がってゆけばいい