娘へ。
きみがこの世へと、
生まれ出たとき、
私はその場に立ち会っていました。
小さな命を腕に抱いたとき、
とても感動しました。
こう言っては語弊があるかもだけど、
最初の子ども、
そして娘だったきみは、
私の中で特別でした。
そう、
あからさまに、
弟よりも可愛がっていたと思います。
でも、
きみには申し訳ないことをしました。
私達の勝手な都合で、
離婚したことにより、
父親の居ない家庭にしてしまったからです。
それなのに、
きみは私を慕ってくれました。
特に、
きみが社会に出てからは、
いろいろな話をしたり、
ともに時間を過ごすことが多くなりましたね。
父親、
ましてや離婚した父親なんて、
嫌われて当然なんて思っていたので、
この状況を、
とても幸せに思っています。
娘へ。
きみが心の病を患い、
それを抱えて、
自らの中で苦しんでいることを知ったとき、
私はとても胸が痛みました。
私自身、
いろいろな不自由な身で、
充分とはいかずとも、
きみのために出来ることは、
何でもしようと思います。
あと、
何年生きていられるかわからないけど、
きみを見守りたいと思います。
娘へ。
きみの名前は、
私の好きな言葉。
新撰組所縁の、
碧血の志
から付けました。
義に殉じた者の血は、
大海へと流れ出し、
碧色となる。
というものです。
そんな、
自分の色を持った人間になって欲しい。
そんな願いが込められています。
この先、
きみにどんな人生が待っているのか、
それはわかりません。
できることなら、
健やかに、
幸せに過ごして欲しいです。
それが父の願いです。
娘へ。
誕生日おめでとう。
私の娘でいてくれて、
本当にありがとう。