小さい頃によく聞いたような気がします。
働かざるもの食うべからず。
仕事もしない奴には飯はやらん!
家のお手伝いをせん奴には飯はやらん!
みたいなニュアンスでしょうか。
ネットにある文献を色々みていたら、
元は聖書にある言葉のようです。
働こうとしない者は、食べることもしてはならないー。
これがまた、ソ連のレーニンが引用したことにより、マルクス主義と共に日本で流行ったもののようです。
そう考えると、この「働かざるもの食うべからず」を言ってた人って、団塊の世代とか学生運動世代の人までですよね。
今70歳以下の人って、あんまり言わない気がする。
禅にも似たような言葉があります。
一日不作一日不食
(いちにちなさざれば、いちにちくらわず)
表面上、文章の意味は一緒です。
一日作業しないなら、その一日食うな、です。
しかし抜本的な違いがあります。
「働かざる者食うべからず」は、指示。
「一日不作一日不食」は、能動的な言葉なんです。
働か~は、使徒パウロさんという聖人が信徒さんに向けて書いた書面に書かれた文章の一節だそうです。
終末論が世にはびこり、この世は終わりだー!とソワソワしていた信徒さんに
「安心せい。ええから、いつも通り働け」
といった内容の手紙なんだとか。
かたや、一日~。
こちらは、百丈懐海さんという禅僧が言った言葉。
このお坊さん、どんな年になっても作務(掃除や事務などの仕事)を怠らない、勤労な方だったらしいのですが、どんなに高齢になってもそれを続けるのでした。
お弟子さんたちは
「老師、あんまりにしんどそうだから、ホウキ隠して、掃除できないようにしよう。そして休んでもらおう!」
と言って掃除道具一式を隠したんだそう。
懐海さんは、しぶしぶ掃除に参加せずに休みました。
その後、食事の時間になったときに言いました。
一日不作一日不食
(ワシ、今日働いてないから、今日ご飯ええわ)
お弟子さんらは、「えーっ!やってもたー!」と思ったことでしょう。
人に言われるのと、自分で言うのとでは、この言葉の意味合いがカナリ変わってくるかと思います。
命令か、誓約か。
自分自身でこういうキモチになれれば、日々が有意義に過ごせそうな気がします。