2000年に今は亡き

埼玉県の大宮にあったロフトの

楽器屋で勢いだけで買ったベース


Fender 62 Jazz Bass


を24年間使っていたんです。

当時二十歳とかでまだ全然お金ないのに
一人暮らししててバイト掛け持ちしながら
バンド活動してて
ベースが欲しくなって買いに行って
最終的に14万のmoonのベースと
FenderのUSAとJAPANが候補で
残ったんです。

店長の策略により
朝イチから店に来た小坊主に
どんどん試奏させていくスタイルで

最初は手持ちが7万だったから
7万で買えるベースを買いに行ったのに
商売人の口車に乗せられまくり
最終的に14万のmoonと
27万のFenderが候補に残りました。

それを弾いてから
7万のベースなんか弾けないワケ。

音がペラペラで!

で、店長さんと相談して決めたんです。

kino「Fender Japanのジャズベで」

店長「ほほう。確かにJAPANの方が
日本の湿度が高い気候に対応してるから
いいかもね」

kino「そーゆーのあるんですね?」

店長「あるよー。楽器なんか木材だから
湿度管理がしっかりしてないとすぐダメになる。そこを考えたらJAPANはアリだよね」

kino「んじゃFender Japanに決めた!」

「まいどありー!」

とローンを組んで27万8000円
Fenderのジャズベを買ったんです。

それからレコーディングや
たまにベースで参加したライブは
全部このベースで参加してました。

だがしかし!

この度、スペックを何の気なしに調べて
いたら……

どう調べても

Fender American Vintage 62 Jazz Bass

と出てきてしまう上

保証書にもそう書いてある。

あれあれ?
アタクシ、あの日に
Fender JAPANをチョイスした
覚えがあったし
ずーっとそのつもりで使ってたけど…

アメリカンヴィンテージって
どーゆー事よ!

って保証書と竿を持って
知り合いの楽器屋へ突!

「あー、こんな高いの持ってたんすか?」

「今こんなの売ってないッスよ?」

「ヴィンテージじゃん(笑)」

アタクシ、知る人ぞ知る
拗らせ系ミュージシャンなので
有名処のブランドとかヴィンテージとか
使いたくないんです。

使いたくないからギターは
手作りなのに…

ベースだけは何となく買ってみたら
まさかのアメリカンヴィンテージ?

湿度の話はどこいった店長!

すっかり勘違いしてました。

ちなみに今日聞いた知り合いの
楽器屋さんは親切にスペックも
大体の価格も教えてくれました。

今、こんな値段でこのベースは
ありませんよ!

ギリギリ過去の情報にはあるけど
新品は存在しませんね。

へー。

なんか…複雑な気分。


売ったろとか思ってたのに…
なんか家宝クラスだったじゃないか。

ボディがアルダーな気はしてた。
指板がローズウッドなのも手触りで
わかってた。

ただ、ずーっとJAPANだと思ってた。

さてと…

どーすっかコレ(笑)

と、なってた時に買いたいという人が
現れてしまう。

だいぶボロボロだったけど
定期的にメンテに出してて
音も状態も悪くない。

手持ちにスティングレイもあるし
サヨナラするか。

みたいな気持ちで
別れてみた。

最後まで迷ったけど
コレも何かの縁。

今までありがとうメアリー。

やたらと音が良かったのも
どんどん馴染むのも
悪くなかった。

2000年から24年間
故障もしないで尽くしてくれて
ありがとうございました。

え!?

長女が生まれる1年前!?

ホント、バンドマンってサイテー!

娘が生まれる前にローン組んだのか!

娘の出産費用も貯めたけどね!

どーやって?

あれ?

覚えてない!

って思って嫁に聞いてみました。



「死ぬほど働かしたし

死ぬほど働いたよね私」




娘達の冷ややかな視線…。





この売却したお金…





嫁に献上いたしました…。






スンマセンでした。