時間のせせらぎが聞こえる店 | 酒の友は我が友也

酒の友は我が友也

酒好きで女好きとの評判な筆者が、意外と適当じゃないことを綴るブログ。
きっと何か発見がある。たぶん、本を買うより安上がり。
合い言葉は、『愛だろ?愛』

昨日はウォーキングがてら、以前から行きたかった店へ。
自宅から二駅離れた土地。それは諏訪ノ森。
私が子供の頃住んでいた土地だ。

日曜と言うこともあり、閉まっている可能性もあるな…。
そう思いながら歩くこと30分程度だっただろうか。
遠くに小さな明かりが見えた。
その店の名は“SAVOY”

酒の友は我が友也-SAVOY店構え

既に寝静まった街に、ひっそりと佇む。
少し大人びた外観が威厳すら感じさせる。
子供の頃と印象は変わっていない。
「ようやく来ることが出来た」
心の中で呟いた。

中に入ると初老は超えているであろうマスターが出迎えてくれた。
ぐるりと店内を見渡す。小さな空間はまるで宇宙のようだ。
所狭しとウイスキーやブランデーが飾られてある。

酒の友は我が友也-SAVOY 内観

感慨に浸りながら溜息をつく。
まずは一杯目。スコッチから頂いた。
名前は失念したが、薫りが過去の旅へと誘う。
洋酒の素晴らしさを堪能出来る逸品だった。

二杯目は“グレンフィディック”
ちょっとスタンダードで小休憩。
そして、三杯目は“CAOLILA(カリラ)”
1998年物。度数は、なんと59.1%だ。
薫りだけで酔いそうな代物だった。

酒の友は我が友也-CAOLILA

マスターとも色々話した。
ここの店は1963年からやってるらしく、
その当時でマスターは26歳。そう、今は76歳らしい。
50年もこの土地で店を続けていられると言うことに正直驚いたが、
それだけ名店ということなのだろう。いや、実際名店だった。

店内は音楽すら流れていない。要するに無音だ。
外の世界と遮断され、独特の空間を醸し出す。
時間のせせらぎが聞こえるような…。
癒しの空間がそこにはあった。

時には静かに飲むのもいい。
そう思えた夜だった。