
見て

このかわいらしい日替わりイベント付きカレンダーを

これは訪問先のおうちで見つけてあまりにかわいいのでパチリ

病気の進行によって首から上しかほとんど動けなくなった患者さんの視線の先、天井に近い高さに、飾られていました。作ったのは娘さんです

1年前、脊髄腫瘍と診断されました。
進行は早く、またこの病気は効果的な治療がなく、
体は徐々に動かなくなって来ました。
50代です。
最近の50代はおじさんではありませんね。お兄さんですよ。
本当に若いんです。
「家族に迷惑をかけたくない」
「歩けないなら病院にいたい。せめて松葉杖で歩けるようになってから家に帰りたい」
病院側も、必死にリハビリを頑張る患者さんを前にして、退院を勧めることがなかなかできませんでした。
治らないからこそ
「おうちに帰りましょう。」
・・・家族とケアマネさんの説得があり、退院することになりました。
しかし、家の中は病院のようにはいかない。
車いすの乗り降りも、トイレに入るのも、病院の勝手とは違い、今までスムースにできたことが手間がかかったり、不便が出て来ました。
毎日やっていたリハ室でのリハビリもなくなり、訪問リハによる自宅内でのリハビリに変わりました。
日々進行する麻痺。
不安、焦り・・・。
「病院に戻りたい」
いろんな葛藤の繰り返しでしたが、
家族が一丸となってサポートされていました。
そして病院に戻りたいということは言わなくなりました。
「うちのごはんは5つ星」
毎週訪問するたびに麻痺が進行しているのが著明でした。
首から上しか動けない状態となり、呂律障害も出て来て、呼吸筋も動きが悪くなって浅い呼吸となってきました。酸素投与も開始しました。
『しゃべれる』
これが自分にとって、ただひとつ残されたことだとおっしゃっていました。
「しゃべれなくなったら、もう死にたい」
そして彼はしゃべり続けました。
おやじギャグも連発して、
会いに来る家族や友人、訪問する私たちを笑わせ続けました。
そして奥さんがいつもとなりでコロコロ笑います

妻「最近『めやに』が出るんだよね。」
「まぁ、や~にぃ」

私「出た!おやじギャグ・・・それ、院長に報告しておきますよ」
「先生も笑っちゃって、に~や~に~や~」

最愛の妻の笑い声を聞いて、彼は嬉しそうでした

その3日後の今日、彼は旅立ちました。
昨日訪問したとき、呼吸が浅くなってきて下顎呼吸になっていても、一瞬眼を開けてにっこり微笑んでくださいました。
ご家族に囲まれて、たくさんの思い出を残して、
大変おだやかな、優しいお顔で旅立たれました

本当はね、
ブログにリアルタイムのお看取りの話題は載せないようにしているんです。
いろんな人生があるから、すばらしい看取りだとか、よくなかった看取りだとか、評価するみたいな感じになってしまうといけないなと思って。
今日はなぜブログに書こうかと思ったかというと、ケアマネさんとお話しして「これだ

担当のケアマネさんがおっしゃいました。
「良い看取りができましたって言うのでしょうか。そう言っていいのかしら。良い関わりができたのかしら。・・・でもきっと、退院してきて良かったんですよね。」
私は、絶対


私の大好きなベテランのケアマネさんですから、入院中の患者さんに退院を勧めに行ったときは「さすがだなぁ」と思っていました。
でも、そんな単純なことではないですね。
「ほんとに良かったかな?」
これは、患者さんとともに葛藤して来られたからこそ感じることですよね。
私は直接その葛藤を聞いていませんが、ケアマネさんは心の揺れも、不安も、直接聞いていたから。
退院をすすめて本当に良かったのかなといつも考えて、心配していた
他人の人生の最期を、ちょっとばかし関わった私たちが「良い」とか言っちゃうのって変ですよね。
私たちが決めることではないし、本人に確認できないし、家族にとって良かったかどうかなんていうのも、今わかることではなくて今後の人生の中、いろんなことがある節々で感じることだから。
こういうケアマネさんと一緒に仕事ができる私は幸せです

そして、これだけは言えます

患者さんはケアマネさんに一番感謝していたに違いありません

なんたって、ケアマネさんは「愛人1号」に任命されていたのです

愛人が4号まで任命されているというのに
私なんて任命されたのは「おさわり1号」でしたからね

べつに
ひがんでいませんけどね

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