皆さんは、NASAのコンセンサスゲーム、 
「月で遭難したら」をご存じですか? 

グループメンバーが月面で遭難したという 
想定の下で、限られたリソースの中から 
生存に必要なアイテムを選び出し、 
その優先順位を決めるというゲームです。 

企業研修でもよく使われているので、 
知っている人も多いかもしれません。 

アメリカの社会心理学者ジェイ・ホール博士 
が1970年代にアポロ計画をもとに考案し、 
NASAが監修協力しています。 

これはひと言で言うと、 
合意形成のプロセスの話です。 

タイトルにもある通り、社長がやる、 
と決めればすぐ実行されるので楽ですよね。 
にもかかわらず、なんでチームでわざわざ 
合意形成のプロセスを踏むのか? 
について説明します。 

(コーチングを受けている江藤のコーチで、 
 あべき先生主催の 
 「オーナー士業超実践講座」の一コマから 
 情報提供しています。 
 「士業」とはありますが、 
 部下がいたり、人の仕事をマネジメント 
 するような小さな組織のリーダーや、 
 小規模会社のトップの方にもとても 
 有益なコンテンツを提供しています。) 

以下問題です。 
あなたの乗った宇宙船が月面に緊急着陸 
した。母船とは、320キロ離れた太陽光が 
当たっている場所でランデブーする 
予定だったが、不時着したときに宇宙船が 
破損し、以下の15品目以外は全て使用不可能 
になってしまった。 
全乗組員の生死は、母船に戻れるかどうかに 
かかっている。母船までたどり着くのに最も 
重要な品目は何か、生存に重要な順に 
優先順位をつけなさい。 
最重要が1、最低が15となる。 

・マッチ箱 
・宇宙食 
・長さ50フィートのナイロン製ロープ 
・パラシュート 
・太陽光発電による携帯ヒーター 
・45口径のピストル2挺 
・粉ミルク1ケース 
・100ポンドの酸素ボンベ2本 
・月から見た星座表 
・自動的に膨らむ救命ボート 
・磁気コンパス 
・5ガロンの水 
・照明弾 
・注射器入りの救急箱 
・太陽光発電によるFM送受信機 

まず、この問題を個人ワークで回答し、 
各々出した結果を、なぜその優先順位に 
したのかをグループで討議し、全員の意見を 
考慮してグループとしての優先順位リストを 
作成します。 

この問題には科学的に導き出されたNASAの 
模範解答があり、個人ワークで出した回答と 
グループで出した回答の誤差を比較します。 

すると、ほとんどのケースでグループで 
出した回答の方が誤差が少ないという 
結果になります。 

つまり、社長が一人で考えるよりも、皆を 
巻き込んだ方が良い結果を得られる可能性が 
高いということです。 

江藤がこのワークをやったときは、 
「個人:70、グループ:60」で、 
やはりグループの方が誤差が少なく、 
個人よりもグループの方が良い成績でした。 

ちなみに誤差55までが「可」なので、 
グループでもNASA的には死んでいます(笑) 

一方で、グループの方が悪い結果となる 
ことがあります。 
こういったケースでは、 

〇自分の考えを通すために、 
 他人を言い負かそうとする。 
〇仲間内の衝突を避けようとして、 
 多数決、平均を取る。 
〇議論が行き詰まったときに、誰かの意見を 
 採用し、誰かの意見を捨てなくては 
 いけないと決めてかかる。 

などの要因があるかもしれません。 

「グループが協力して導き出す結論は、 
 各自が考える方法の平均値を上回る。 
 最も優れた個別のアイディアと比べても、 
 はるかに優れた結果になることが多い。」 
(ジェイ・ホール博士、Psychology Today, 
 1971年11月号) 

とは言え、このワークはファシリテーターの 
ウデ次第という面も無きにしも非ず。 

特に社長がやってしまうと社長ばかりが 
しゃべる「ジャイアンリサイタル」になって 
しまいがちですので、そのコツについては 
また別の機会に。。。 

ではまた!