学生時代にやったアルバイトの中で、得した気分になれたのが、「コンサートの当日スタッフ」でした。とはいえあまり「アルバイト」という感じではなく、むしろ有志による「お手伝い」という雰囲気で、給料も気持ち程度でしたが。
その「お手伝い」に行ったのは、当時住んでいた地域で活動するブラスバンドのコンサートでした。プロではなく、地域の方が集まっている楽団なのですが、思った以上にレベルが高い集まりでした。情報誌などで募集していたのではなく、人手が足りないから、と知人に召集されたのでした。
私たちの仕事は、チケットを受け取ってパンフレットを渡したり、曲の合間にドアを開けたり(曲の途中にお客さんを出し入れしない、というのも大事な仕事でした)、終演後にアンケートを回収したり、といった簡単なものでした。しかしお得だったのは、作業が楽という点ではなく、スタッフによってはコンサートがタダで聞けることです。特に扉の開閉のためにホールの中に控えているスタッフは、ステージも見ることができます。そのためスタッフには、その楽団や吹奏楽に興味のある人が集まっていたようです。
また、終演後は多くのお客さんが楽しそうにしていて、楽団とはまったく関係のないスタッフにまで「良かったよ!」と声をかけてくれる方も。関係ないとはいえ、こう言われると嬉しくなってしまうものです。何もしていないのに気分まで良くなるという点もまた、お得感がありました。「ガッツリ稼ぎたい」という人にはおすすめできませんが、いい思いをさせてもらったバイトでした。