心身共に疲れきったせいで、
余計に歩きたくなった会社の帰り道。
地面には花のじゅうたん。
見上げれば、そのほとんどを散らした桜が、優しく微笑んでいる。
2日続けて、
いや、昨日は休日だったから、正しくは一日おき。
なぜか2日共、
さて、もう帰れるかなという時刻になって、
私は切れていた。
普段、ほとんど切れない私だから、
ふつふつと湧きあがる血を持て余し、
かーっとする頭で、
「ああ、私もおかんと同じ病気で死ぬタイプかなあ」
とか、
「もしかして更年期?!」
などと考えていた。
どちらの出来事も、
人から見れば、怒るほどのことではないのだろう。
情緒不安定な今の時期のせいかもしれない。
ただ、
私の中の私が「なんで?」「どうして?」「怖い」と叫びまくるのだ。
体がガチガチに固まって、
ぷるぷると震えて、
体中の体液が頭に向かって登って行くような。
周りの同僚が、
顔を真っ赤にして固まっている私に驚いていた。
おとといの件は、
ほかに振るべきところがある仕事を、
その人に頼みにくいからと、
頼みやすい私に、
いとも簡単な調子で、頼んできたことが発端で、
そもそもその仕事を担当している人に頼めば、
私がやるのよりも、何分の一の時間でできることなのに、
その人には言いにくいと振ってきたことに腹がたち、
しかも、
べたっと私にくっつくようにして、仕事の説明をするその人に、
恐怖と嫌悪を感じてしまった。
悪気はないのだ、たぶん。
今日の人も、きっと悪気はない。
突然メールが来た。
「月末は、みんなは忙しいのだから、あなたが電話をとってください。
それとも何か、たてこんでいる仕事でもあるんですか?」
まるいものでも言いようで四角。
ただ、それだけのことだろう。
でも、
その日、朝からノンストップで皆の依頼をこなしまくっていた私は、
爆発してしまった。
そんなに私は暇に見えますか?
遅くまで残業している人の方が、やはり忙しいのですか。
楽しくおしゃべりしながら、手を止めている時間が長くても。
ああ、あの人には私は暇人に見えているのだ。
暇なくせにと思われているのだ。
悲しくて、
悔しくて、
登って行く血をどうすることもできなくて、
ガタガタと震えが止まらなくて・・・。
普段なら、少し待てば落ち着くのに、
全然だめで。
そんな時、いつも私の話を聞き、諭してくれる上司も、生憎お休み。
木曜日の怒りを、
やっとのことで沈めようとしていた私に、
泣きっ面に蜂。
ああ、でも、
こんなことでカッとなるなんて、
私はどうしたんだろう。
それが一番悲しかったし、怖かった。
頭が破裂しそうで、
お母さんみたいに、頭の中が血でいっぱいになりそうで、
怖かった。
今もまだ、うまく血が下がらない。
低血圧なうえ、
貧血なのに。
初めてパニック発作起こした時みたいだ。
落ち付けー、
落ち付けー、
大丈夫だから。
頼む、
落ち着いてくれ、私。
