(GWの旅行記の続き)旅行4日目。この日もオストラヴァでオペラを観ますが、日曜日により開演時間が夜ではなく夕方からなので、日中に観光できる時間が限られます。このため、オストラヴァから最も近い観光地、列車で1時間のオロモウツに行くことにしました。

 

 

 

(写真)朝食は列車の中でアップルパイとオレンジジュース。実はオストラヴァはホテルが限られ、今回私が泊まったところもアパートメントでした。なので朝食はありません。

 

(写真)オロモウツ中央駅に到着。オロモウツはチェコのモラヴィア地方で、ブルノとともに中心都市。中世ではモラヴィア随一のまちとして栄えていたそうです。

 

 

(写真)駅からトラムで5駅ほどで、旧市街地の中心のホルニー広場の近くに到着。この15世紀に造られた市庁舎は本当に美しく、石造りの階段やチェコの紋章など、とても雰囲気ありました。

 

 

 

(写真)市庁舎の仕掛け時計。プラハの仕掛け時計と並んで名高いものだそうです。毎正時に時計の仕掛けが作動しますが、私が目撃した朝9時は、左上にある鍛治のおじさんの人形が9回金床をコ~ン、コ~ンと鳴らす動きのみでした?おそらく12時には全体の人形が盛大に動くのでしょう。

 

 

(写真)聖三位一体の碑。高さ35mもあるオロモウツが誇る世界遺産ですが、ガーン!修復中なのか煤払いなのか、足場が組まれていました!ああ~、世界遺産さまが…。

 

ただし、足場が組まれていたことで、その巨大さを体感するとともに、地震のない国はこんな簡単な足場で作業ができるんだと実感。逆に珍しい光景で貴重なのかも?フランツ、ただでは転びません!笑

 

 

 

 

 

(写真)ここホルニー広場やすぐ近くのドルニー広場には、様々な噴水が見られます。上から、ヘラクレスの噴水、アリオンの噴水、ネプチューンの噴水、ジュピターの噴水。

 

みな立派な噴水でしたが、いろいろなものに姿を変えて女性にアプローチしたジュピターと、オンフェレにメロメロになって鼻の下を伸ばした絵画を観たことのあるヘラクレスには、立派とは別の感想も持ってしまうのでした…笑。

 

 

(写真)オロモウツ・モラヴィア劇場。5月の予定を見ると、オペラよりもバレエや演劇の上演をよくやっているようでした。

 

(写真)ホルニー広場に置いてあったストリートピアノ。もしかして、出番?1曲弾いちゃおうか?と思いましたが、勝手には弾けなさそうなピアノでした。それ以前に、朝早いので周りには誰もいません笑。

 

 

(写真)受胎告知教会。ドルニー広場そばの教会です。全くノーマークでしたが、ファザードの素敵なモザイクと、教会内の印象的な祭壇画が私の好きな主題のマリア様の受胎告知でした!特に両手を上げて驚く様子の祭壇画のマリア様が可愛らしくて、出会えて本当に良かったです!

 

 

(写真)ドルニー広場から移動する時に、大勢の市民の方が集まって合同で犬の散歩をしているのに遭遇しました。愛犬家のコミュニティか何かがあるのでしょうか?結構壮観でした。

 

(写真)ドルニー広場とホルニー広場の間の道にあった美しい花。ヨーロッパを旅すると、日本では見かけない、色合いや大きさが際立った印象的な花に出会えるのも楽しみの一つです。

 

 

 

(写真)聖モジツ教会。ホルニー広場のそばにある立派な教会です。ミサをやっていたので一番後ろで少し参加しました。ここにはモラヴィア地方で一番大きなオルガンがありますが、ミサで奏でられるオルガンは深々とした響き、慈愛に満ちた音色。素晴らしい!

 

また、片膝を床に着いてミサに参加する敬虔なキリスト教徒の方々の様子には心打たれます。ミサの最後の方だったので、近くの信者の方から握手を求められてニッコリ握手。とても嬉しく、旅の思い出となります。

 

 

(写真)聖ヴァーツラフ大聖堂。ホルニー広場と駅の間にあります。聖モジツ教会よりもさらに大きな教会。ここでもミサに少し参加しました。片手で赤ちゃんの乳母車を揺らしてあやしながらミサに参加するお母さんが素敵。

 

ここのオルガンも敬虔な響きに魅了されます。また、オルガンだけでなく、ピアノとタンバリンに合わせて少年少女の合唱が入ったり、教会によってミサの音楽にも工夫がありますね~。

 

 

 

 

(写真)聖モジツ教会の塔に登ることのできる時間になったので、聖モジツ教会に戻って登りました。美しい市庁舎、そして周りの建物よりも高い聖三位一体の碑がどれだけ大きいのかが良く分ります(上の写真)。

 

塔の上からのオロモウツのまちの景色が素敵!また、このまちは駅とホルニー広場を結ぶトラムの走る風景が風情あります(中の写真)。塔から眺める聖ヴァーツラフ大聖堂のまた大きいこと!(下の写真)

 

 

 

 

 

ここで当初の予定では、聖ヴァーツラフ大聖堂に隣接する大司教区博物館を観に行く予定でしたが、お天気が良くホルニー広場の市庁舎がとても美しかったので、市庁舎を眺めながらビールを飲むことにしました!

 

 

 

(写真)チェコのビールRadegast。観光であちこち歩き回って喉が渇いたところで、美しいオロモウツの市庁舎とカエサルの噴水を見ながらのビールは控えめに行って最高!30分くらいゆっくり楽しめました。(続く)

 

 

 

 

 

 

 

(追伸)昨日6月4日(火)、東京都交響楽団の記念すべき第1000回の定期演奏会をサントリーホールで聴いてきました。エリアフ・インバル指揮でブルックナー/交響曲第9番ニ短調。第4楽章(2021-22年SPCM版)を加えた形で演奏されましたが、記念公演に相応しい、極めて感動的な演奏でした!

 

何より都響の演奏が素晴らしい!今年の2月の同じくインバルさんとのマーラー/交響曲第10番も絶品でしたが、都響の芳醇なサウンドがサントリーホールに響き渡り、ブルックナーの宗教的・神秘的・瞑想的な音楽を存分に味わえた最高のコンサートでした!

 

 

そして、第4楽章!私が第4楽章の実演を聴くのはおよそ30年ぶり。その間、CDで聴いたこともないですが、この日演奏された第4楽章は、ブルックナーの交響曲第9番は第3楽章までの方が良い、という見方を180℃変えて、第4楽章のためにブルックナーが残したものの素晴らしさが存分に伝わってくる内容でした!繰り返し登場するコラール主題、これまでの交響曲には聴かれなかった複雑かつ新しい和声とリズム。とても魅力的な音楽!

 

30年前に聴いた時には、まだまだブルックナーを聴き込んでいなかったこともあり、「第4楽章って、こうなっちゃうんだ???」という以上の感想を持てませんでしたが…、その後、特に初期の交響曲を何度も実演で聴いて、バッハ・コレギウム・ジャパンによるバッハの演奏を沢山聴いて(奇しくも今年のテーマはコラールカンタータ!)、さらには上記のようにヨーロッパ各地の教会でオルガンを聴いて。

 

それらの経験を積ませていただいた私の耳には、第3楽章までに続くフィナーレとして良く接続して、非常に説得力のある曲・補筆だと感じました。

 

 

(写真)本記事に登場したオロモウツの聖三位一体の碑の、頂上の金色に輝くモニュメント。第4楽章のラスト、第1楽章の主題が昇華するように絶妙に回帰した後、最後の最後に現れた輝かしく壮大な長調の瞬間、私の脳裏に浮かんだのはこの光景。極めて感動的なラストでした!

 

 

 

(写真)そして私は1か月前にウィーンでベルヴェデーレにあるブルックナー最後の家を訪ねてきたばかりです。ブルックナーはこの場所でお亡くなりになる最後の日まで、交響曲第9番のフィナーレの作曲をしていたと聞きます。その最後の家の残像が強く残る中、ブルックナーの想いを伝える第4楽章を聴くことができ、とても感動的でした!

 

 

 

最後に、東京都交響楽団の演奏者及び関係者のみなさま、第1000回の定期演奏会、本当におめでとうございます!東京生まれの東京育ち、都響のコンサートをずっと聴きに行ってクラシック音楽を世界を広げてきた者として、この場に立ち会うことができて感無量でした!

 

言うまでもなく、都響は東京都民の貴重な財産・宝物・誇りです。近年、都響は極めてクオリティの高い演奏が続いていて、個人的には、もはやライバルはウィーン・フィルやベルリン・フィルなのでは?とも思えてしまうくらいの充実ぶり。

 

これからも都響ならではの奥深い音色と芳醇な響きを大切にしつつ、ますますのご発展を心より祈っております!