大好きなオッフェンバック/美しきエレーヌの公演を観に行きました。エレーヌ役はこれまた大好きな砂川涼子さん、とても楽しみです!

 

 

 

東京芸術劇場コンサートオペラ vol.9

オッフェンバック/喜歌劇『美しきエレーヌ』(演奏会形式)

(東京芸術劇場コンサートホール)

 

指揮:辻 博之

台本・構成演出:佐藤 美晴

 

エレーヌ:砂川 涼子

パリス:工藤 和真

メネラオス:濱松 孝行

アガメムノン:晴 雅彦

オレステス:藤木 大地

カルカス:伊藤 貴之

アキレ:岸野 裕貴

アイアスⅠ:反中 洋介

アイアスⅡ:堀越 俊成

語り(日本語):土屋 神葉

 

合唱:ザ・オペラ・クワイア

管弦楽:ザ・オペラ・バンド

 

 

 

オッフェンバック/美しきエレーヌは2018年にハンブルクで観て、ドハマりしたオペレッタ。トロイア戦争の原因となったことで有名な、絶世の美女エレーヌをパリスが連れ去ったいきさつを笑い飛ばす、めちゃめちゃ楽しい舞台です。今回は演奏会形式の公演ですが、エレーヌを砂川涼子さんが歌う、ということで、楽しみに観に行きました。

 

(参考)2018.1.3 オッフェンバック/美しきエレーヌ(ハンブルク国立歌劇場)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12353662280.html

 

 

 

いや~!これがめちゃめちゃ楽しい公演でした!!!

 

 

 

まずはエレーヌ役の砂川涼子さんが素晴らしい!いつもながらの正確で美しいフランス語の歌も本当に見事でしたが、舞台姿がうっとりするほど美しく、コミカルな演技もとてもいい!1ヶ月前に歌ったグノー/ファウストのマルグリートとは真逆な役どころですが、砂川涼子さんの幅広い役柄をカバーする演技力には本当に魅了されます。

 

特に惹かれたのが、第1幕ラストで、「クレタ島へ行け!」とお告げが出たにも関わらず、逡巡している夫のメネラオスに対して、砂川涼子さんが序曲の賑やかな主題で歌い出すシーン。これまで数々の悲劇のヒロインを演じてきたあの砂川涼子さんが、こんな楽しい旋律を歌っている!と感無量でした!

 

(参考)オッフェンバック「美しきエレーヌ」序曲。主要なアリアの旋律が入っていて、笑いあり、ほろりと泣かせる旋律ありと、とても魅力的な音楽です。この序曲の冒頭の「チャン、チャン、チャンチャカチャッチャッ♪」の賑やかな主題を砂川涼子さんが歌われたのです。

https://www.youtube.com/watch?v=GL6OyfAz5pA (9分)

※Portland Youth Philharmonicの公式動画より

 

 

しかも、その歌詞が「船の出航前にぐずる王様って 感じ悪いわ」という、あてこすり感満載の優れもの!笑 第3幕のドイツ語のアリアも素晴らしかった!また魔笛のパミーナが聴きたくなりました。

 

 

 

砂川涼子さんのほかにも、力強い歌が印象的だったパリスの工藤和真さん、第1幕のクープレと第3幕のシャンソンが抜群だったオレステスの藤木大地さん、王様の中の王様であるはずが威厳の全くないはっちゃけたアガメムノンの晴雅彦さんなど、みなさん、歌に演技にとても良かったです!

 

演奏会形式ですが、佐藤美晴さんの台本・構成演出により、土屋神葉さんの語りが物語を進行して、時には解説も入れて、とても分りやすくまとめられていました。随所で合唱のみなさんの演技が入ったのもいい感じ。辻博之さんのノリノリの指揮のもと、オケのみなさんも素晴らしい演奏でした!

 

 

 

しかし、一つ残念だったのが、お客さんの入りがいささか寂しかったこと…。エリアフ・インバル/都響の公演と重なってしまったのは不運でしたね。私なんか、重なってしまったので、土曜に美しきエレーヌを観るために、インバル/都響のチケットを買い直して金曜に聴きに行ったくらいです。

 

 

お~い!東京の聴衆のみなさん、楽しいのはこっちですよ、こっち!「シャンゼリゼのモーツァルト」と称されたオッフェンバックの才気煥発な音楽を大いに楽しめること請け合いです!

 

将来、オペレッタの公演があった時(たまにオペレッタを上演してくれる日生劇場でやらないかな~?強く希望します!)、どうか、お間違えのないように!

 

 

 

(参考)オッフェンバック/美しきエレーヌがどんだけ楽しいのか?私が観たハンブルク国立歌劇場のダイジェストの動画をご紹介します。めっちゃ楽しい音楽、キッレキレのダンスが活躍する舞台が最高!

https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=wJ_G1iUAeGc (4分)

※ハンブルク国立歌劇場の公式動画より

 

 

 

 

 

 

 

(写真)シャトー・ピション・ラランド2004。大好きな砂川涼子さんがエレーヌを歌う、ということで、終演後はその素晴らしい歌と演技に敬意を表して、ボルドーで最も女性的なシャトーと言われるシャトー・ピション・ラランドを開けました。

 

2004年は古典的なラランドで、香りは芳しく、味も飲み応え抜群!非常にきめ細やかなタンニンが構築感を醸しだしていて、あと10年は楽しめそうな印象を持ちました。

 

 

昨年は上野水香さんのバレエ(ボレロ)を観た後にシャトー・ピション・ラランド2003を開けましたが、2年連続で大ファンの女性アーティストの舞台を楽しんだ後に、ピション・ラランドで敬意を表することができ、こんなに嬉しいことはありません!

 

 

 

 

 

 

 

(追伸)先週は土曜日の美しきエレーヌだけでなく、水曜・木曜のパブロ・エラス・カサド/N響、金曜のエリアフ・インバル/都響と、充実の公演が続きました。

 

特に、スペイン人のパブロ・エラス・カサドさんがお国ものを振ったファリャ/バレエ音楽「三角帽子」が素晴らしかったです!何と言うか、リズム感やニュアンスが抜群!必ずしも民俗的な演奏を目指している訳ではない、と公演パンフには書いてありましたが、出てくる音楽はまさしくスペインの雰囲気に溢れたワクワクするもの。N響の演奏も良くノッて、さすがの一言でした。

 

 

(写真)ということで、ファリャを聴いた後は、お約束でスペイン料理を楽しんで来ました、笑。ピンチョス3種類とスペインワインの白赤。ちょうどバレンタインデーだったので、ディジェスティフとしてチョコレートを入れた特別なブランデーもいただいて、幸せを感じました。