(昨夏の旅行記の続き)旅行12日目。この日もバート・イシュルでオペレッタを観ますが、夜の公演なので、日中にエクスカーションを入れるチャンスです。前日はドナーコーゲル登山を大いに楽しんだところですが、この日はクリッペンシュタインという山に行って、長い距離をハイキングしようと思います。

 

 

 

 

(写真)クリッペンシュタインへは、バート・イシュルから列車で30分ほどのObertraun Dachsteinhöhlen駅からスタート。羊が寝そべる、のどかな光景です。

 

 

 

(写真)列車とバスの時間が合わなかったので、ケーブルカー乗り場には歩いて行くことにしましたが、途中、寄り道すると、「世界で一番美しい湖畔のまち」こと、ハルシュタットの景色を対岸から楽しめる絶好のポイントがあるのを見つけました!ハルシュタット、遠くから眺めても美しい!

 

 

 

今回の旅程ではハルシュタットに行く予定はありませんでしたが、対岸から眺めて、「またハルシュタットに行けたらいいな~」と心の中でつぶやくフランツ。(注:2006年に一度滞在)

 

 

まさか、その数時間後に実際に行くことになるとは、この時は知る由もありませんでした。

 

 

 

(写真)道中にはケーブルカーのオブジェが。気分が盛り上がります!

 

(写真)クリッペンシュタインに向かうケーブルカー乗り場に到着。すると長~い行列が。しまった!出遅れたのか?寄り道せずに、もっと早く来れば良かったか!?

 

(写真)さっそくケーブルカーのチケット売り場に並びましたが…、あれれっ!?何だか様子がおかしい???すると、アナウンスで、トラブルによりケーブルカーは運転を中止していることが分りました。そうか!そういうことなんだ!

 

 

 

 

 

それでは、と、取りあえず並んで待っていましたが、いつ運転が再開になるか分りません?どうしようか?ここでずっと待っていようか?それとも見切り付けて、どこか別のところに観光に行こうか?

 

 

ここで閃きました!そうだ!もしケーブルカーが早々に再開されない場合、ハルシュタットに観光に行こう!先ほど湖の対岸で見えたくらいなので、距離はそんなに遠くありません。ケーブルカー乗り場そばのバス停を確認したら、ちょうどハルシュタット行きのバスがありました!これだ!これにしよう!

 

 

ただし、次のハルシュタット行きのバスまでは1時間くらいあるので、まずはケーブルカーの再開を待つことに。すると、30分くらい経ったら、ケーブルカーが動き出しました!意外に早かった!ケーブルカー保守のみなさま、GJ!これで予定通り、クリッペンシュタインに登れるのかな?

 

しかし、長~い行列なので、すぐに山に登れるとは限りません…。ケーブルカーに乗れる人数、地上と山頂の往復の時間、行列の人数、再びトラブルでケーブルカーが止まってしまうリスクなどなど、様々な要素を考慮に入れて、どうするか検討しました。

 

カチカチカチと頭の中の旧式の計算機が動いて、もしかして今回の旅行で一番頭を使った瞬間です。どうする、どうする、どうするフランツ?笑

 

 

 

そして、3分間くらい考えて決断しました。クリッペンシュタインに登るのはスパッと諦めました。替わりにハルシュタットに観光に行こう!

 

その決定的な理由は「私が大のオペレッタ好き」だからでした。ええっ!?それとクリッペンシュタインやハルシュタットがどう関係するの???

 

 

はい。私はオペレッタが大好きなので、オペレッタの音楽祭が開催されるバート・イシュルにはいつかきっとまた来るはず。この日確実に行けるかどうか分らない不確実性が残るなら、クリッペンシュタインは次回にまたチャレンジすれば良い、と考えたからです。前日に難しいドナーコーゲル登山をやり遂げたので、登山に関しては既に達成感があったのも大きかったです。

 

 

 

 

 

ということで、この日は急きょ、ハルシュタット観光に変更になりました。ハルシュタットは2006年に一度行ったことがあります。あれから17年。再訪になりますが、何しろ世界一美しい湖畔のまち。とても楽しみです!

 

 

 

 

(写真)バスでハルシュタットのまちに到着。湖のそばを歩いてまちの中心を目指します。湖に張り付くように縦に建物が展開しているのがよく分ります。

 

 

 

(写真)まちの中心マルクト・プラッツに到着。素敵な噴水があって、その周りをお店やペンションがぐるっと取り囲みます。

 

 

(写真)船着場からのまちと湖の風景。いや~、本当に美しい!手前の観光客の方が景色を大いに楽しんでいる気持ち、よく分ります。

 

 

(写真)船着場には水鳥たちが。私は動物が大好きなので、美しいまちにいても生き物探索には余念がありません、笑。この方たちはハルシュタットを毎日湖のいろいろなアングルから見ることができて、本当に幸せものですね。

 

えっ?餌を探しているので、そんな余裕はない?ですよね~笑

 

 

(写真)ハルシュタットでどこに行くのか?全くのノープランなので、取りあえず、いろいろ歩き周ります。写真のような階段や狭い路地を歩いていきます。

 

 

(写真)ランダムに道を歩いているだけで通りかかる光景の一つ一つに魅了されます。本当に美しいまちです。

 

 

(写真)工夫された飾りを見て周るのも楽しい。とても歓迎されている気持ちになります。

 

 

(写真)ハルシュタットのまちの北側からの風景。これです、これ!このショットがハルシュタットの観光ガイドなどでよく使われる写真です。とっても美しい!さすがは世界一美しい湖畔のまち!そして世界遺産のまちでもあります。

 

 

 

(写真)ハルシュタットの墓地と納骨堂バインハウス。土地が狭く墓地が十分なかったハルシュタットでは、埋葬の後、遺骨を取り出して次の遺体を埋める風習がありました。

 

バインハウスにはその取り出した頭蓋骨が沢山並んでいました。故人の生没年と花飾りなどが描かれていて、遺骨が大切に扱われているのがよく分ります。

 

(写真)高台からの教会の眺め。湖と山をバックにした教会の景色がまた美しい!

 

 

(写真)マルクト・プラッツにはグムンデン焼きのショップがありました。以前、グムンデンの陶器工場に見学に行ったのが懐かしい~。素朴で可愛らしい飾りが本当にいい味出しています。

 

(参考)2013.8.13 グムンデン観光(グムンデン陶器工場&トラウン湖)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-11610382636.html

 

 

 

 

 

(写真)ハルシュタットのまち歩きを十分楽しんだので、そろそろランチにしましょう。まずは魚の前菜盛り合わせ。白ビールがよく合って美味しい!

 

(写真)トラウトのソテー、ポテト添え。ハルシュタットに来たら、ハルシュタット湖の鱒料理は外せません!結構大きな鱒でした。ワインはグリューナーフェルトリナーがドンピシャで合いますね!ポテトも甘くて美味しい!

 

 

 

(写真)ランチの後のマルクト・プラッツ。多くの観光客がのんびり過ごしています。何もせず一日歩いているだけで十分楽しいまちです。

 

 

 

 

 

(写真)そして、名残惜しいですが、夜にオペレッタがあるので、そろそろハルシュタットのまちを後にします。この船でハルシュタット湖を対岸に渡ります。

 

 

(写真)船から眺めるハルシュタットの風景。視点を湖からに変えても美しさには変わりありません!

 

(写真)ハルシュタット湖を取り巻く山の景色がまた美しい!

 

 

 

(写真)船で湖の対岸に渡り、鉄道のハルシュタット駅のホームから眺めるハルシュタット。今回の訪問も素晴らしかったです!また会う日まで!

 

 

 

 

 

(追伸)1月9日(火)にサントリーホールで、ウィーン・リング・アンサンブルのニューイヤー・コンサートを聴いてきました。ウィーン・リング・アンサンブルはOBも含めてウィーン・フィルのメンバー9人による極上の室内楽。今回も粋で愉しい演奏に大いに魅了されましたが、特に、ワルツ「美しく青きドナウ」の演奏には心打たれて涙しました…。

 

というのも、東日本大震災のあった2011年のウィーン・フィルの来日公演で、アンコール曲として特別に演奏されたのが、この「美しく青きドナウ」だったからです。ウィーン・フィルは元日のウィーンでのニューイヤー・コンサート以外ではこの曲を演奏しないのが通例のところ、被災した日本を励ますために、2011年の日本公演で特別に演奏したと言われています。

 

今年の元日のウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートでも、楽団長のダニエル・フロシャウアーさんは「美しく青きドナウを日本のみなさまに捧げる」と発言されています。そのフロシャウアーさんがセカンド・ヴァイオリンを務めるウィーン・リング・アンサンブルによる「美しく青きドナウ」。日本とオーストリアの絆を感じて、非常に心に沁みた感動的な演奏でした。

 

 

 

この温かいメッセージや演奏が、能登半島を始め被災地のみなさまに届くと良いですね。厳しい寒さだったり、道路の寸断だったり、被災者のみなさまは大変な避難所生活が続いていますが…、そんな方々が少しでもホッとできますように。