前回、NHK交響楽団の第2000回の定期公演の記事を書きました。みんなでこぞってお祝いする、記念公演に相応しいマーラー8番。本当に素晴らしい演奏でしたね。

 

 

(参考)2023.12.16&17 ファビオ・ルイージ/N響のマーラー8番

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12833087121.html

 

 

 

そこでも書いたように、私は大学生の頃からN響の定期公演を聴きに行って、クラシック音楽のオーケストラ曲を開拓してきました。子供の頃からピアノを弾いていたので、ピアノ曲はまあまあ知っていましたが、オーケストラ曲はさっぱり、笑。とてもありがたかったです。

 

東京の他のオーケストラにも、もちろんお世話になっていますが、N響は年に27回(以前は3月にも定期公演があったので年30回)、異なるプログラムのコンサートをやっていたので、聴きに行った回数が断トツで多いんです。

 

 

 

そこで、N響の定期公演2000回を記念して、私がこれまで聴いてきたN響の定期公演のうち、特に思い出に残っている公演を時系列で感想も加えて挙げてみたいと思います。(年1~3公演しばりで挙げたところ、計60公演となりました。)

 

もっと長く聴いて来られてきた方々も沢山いらっしゃると思いますが、私も2000回中、1/3くらいは聴いたので、N響の定期公演の歴史の一端を感じていただけると思います。16,000字を超える長〜い内容ですが、以前はこんな公演をやっていたんだ、とか、そうそうこんな公演もあったね、と懐かしんでいただいたり、ご参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

1989年

 

4月Cプロ 第1079回

(指揮:十束尚宏/チェロ:堤剛)

ベルク/「叙情組曲」からの3章

三善晃/チェロ協奏曲

マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」

 

⇒初めて聴きに行ったN響の定期公演。そして自分の意志で初めてチケットを買ったコンサートです。マーラーの交響曲を実際にホールで聴いて、第1楽章や第4楽章がめちゃめちゃ迫力あって驚きました!

 

一言で言うと、ハマりました!本記事の最後にも書きましたが、みなさま、生のオーケストラを聴きにコンサートに行きましょう!

 

 

11月Cプロ 第1094回

(指揮:オットマール・スウィトナー/ピアノ・トリオ:ケーベル・トリオ・ベルリン)

ハイドン/交響曲第100番ト長調「軍隊」

ベートーベン/ピアノ、ヴァイオリン、チェロとオーケストラのための協奏曲ハ長調

ドヴォルザーク/交響曲第8番ト長調

 

⇒この頃のN響には名誉指揮者が4人いて、「四天王」とも言われていました。すなわち、ウォルフガング・サヴァリッシュさん、ホルスト・シュタインさん、ヘルベルト・ブロムシュテットさん、そしてこのコンサートで聴いたオットマール・スウィトナーさんです。しっとり味わい深い演奏だったことを覚えています。

 

 

 

1990年

 

3月Aプロ 第1107回

(指揮:ウーヴェ・ムント/ピアノ:ルドルフ・ブッフビンダー)

ブラームス/大学祝典序曲

シューマン/ピアノ協奏曲イ短調

ブラームス/交響曲第2番ニ長調

 

⇒この頃のN響はウーヴェ・ムントさんのドイツ・オーストリアものも楽しみな聴きものでした。ルドルフ・ブッフビンダーさんとの素晴らしい共演!そしてバランスの良い魅力的なプログラム!

 

長い歴史のN響の定期公演。こういうプログラムは、過去に同じのをやったことがあるからと却下することなく、定期的に繰り返していただけると嬉しいです!(なお、最近のN響だと、ファビオ・ルイージさんが振る時のプログラムはバランス良くまとまっていて好きです。)

 

 

4月Cプロ 第1109回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット/ヴァイオリン:藤川真弓)

グリーグ/「ペール・ギュント」組曲第1番

モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調「トルコ風」

チャイコフスキー/交響曲第2番ニ長調「小ロシア」

 

⇒ヘルベルト・ブロムシュテットさんを初めて聴いた公演です。当時ブロムシュテットさんのペール・ギュントのCDが評判でしたが、ライブも素晴らしかった!

 

颯爽とした指揮姿がめっちゃカッコ良くて、山の魔王の洞窟にて、では、するするするっと、オケがあっという間に加速したのに驚きました!

 

 

(写真)ヘルベルト・ブロムシュテット/サンフランシスコ交響楽団のグリーグ/ペール・ギュントのCD。レコードアカデミー賞を受賞した名盤です。

 

 

9月Bプロ 第1119回

(指揮:外山雄三/ヴィオラ:ユーリ・バシュメット)

ハイドン/歌劇「予期せぬ出会い」序曲

ブラームス=ベリオ/ヴィオラとオーケストラのための作品

シュニトケ/ヴィオラ協奏曲

プロコフィエフ/スキタイ組曲「アラとロリー」

 

⇒この頃のN響はAプロはオーソドックス、Cプロはポピュラー、Bプロはレアな曲目と棲み分けされていました。なので、Bプロにはかなり鍛えられましたが、特にマニアックだと感じた曲目がこれ!初心者リスナーに対して容赦ない(笑)印象ですが、恐る恐る聴きに行ってみたところ、ユーリ・バシュメットさんのシュニトケ/ヴィオラ協奏曲が素晴らしかったです!

 

 

 

1991年

 

3月Bプロ 第1138回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット/ヴィオラ:ジェラルディーン・ウォルター)

ヒンデミット/弦楽と金管のための協奏音楽「ボストン交響曲」

ヒンデミット/ヴィオラ協奏曲「シュヴァーネンドレーヤー」 

メンデルスゾーン/交響曲第3番イ短調「スコットランド」

 

⇒ブロムシュテットさんはヒンデミットも十八番。サンフランシスコ交響楽団との素晴らしいCDは私も愛聴盤ですが、そのヒンデミットを存分に堪能できた定期公演でした。端正なスコットランドも幽玄な第3楽章を始め、素晴らしかったです!

 

 

 

1992年

 

2月14日Aプロ 第1164回

(指揮:ゲオルゲ・アレクサンダー・アルブレヒト/ピアノ:アンヌ・ケフェレック)

メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」

ベートーベン/ピアノ協奏曲第4番ト長調

ブラームス/交響曲第2番ニ長調

 

⇒N響に客演した指揮者の中で、強烈な印象が残っている指揮者が2人います。その1人がゲオルゲ・アレクサンダー・アルブレヒトさん。ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの崇拝者で、演奏の最後にフルトヴェングラーばりの猛烈なアッチェレランドを掛けるので度肝を抜かれました!ブラームス2番の第4楽章ラストが大盛り上がりで、観客からやんやの喝采!笑

 

(別プロのチャイコフスキー5番も第4楽章の燃え方が凄まじかったです!一方、マーラー6番での過度なアッチェレランドは、曲のスケールを損なって効果的でないと感じました。)

 

 

なお、アルブレヒトさんは2002年に手兵のワイマール・シュターツカペレとも来日しましたが、この時にフルトヴェングラー/交響曲第1番を演奏して(日本初演)、こちらも大いに盛り上がりました!ベートーベン、ブラームス、ワーグナー、ブルックナーがこだまして、後期ロマン派の交響曲の最高傑作とも言えそうな素晴らしい曲!

 

 

(写真)Alfred Walter/Czecho-Slovak State Philharmonicのフルトヴェングラー/交響曲第1番ロ短調のCD。特に第4楽章のこれでもか!と盛り上がる、めくるめく音楽が最高!フルトヴェングラーを尊敬していることを公言されている下野竜也さんに、いつかN響定期で取り上げてほしいです!

 

 

4月Aプロ 第1170回

(指揮:ホルスト・シュタイン/ピアノ:ゲアハルト・オピッツ)

レーガー/ピアノ協奏曲へ短調

R.シュトラウス/アルプス交響曲

 

⇒ホルスト・シュタインさんの公演はどれも充実していましたが、ゲアハルト・オピッツさんがソリストを務めたレーガー/ピアノ協奏曲は、曲といい演奏といい最高でした!

 

レーガー生誕150周年の今年に取り上げられなかったのは本当に残念ですが…、ぜひまた再演してほしいです。シュタインさんの骨太なアルペンシンフォニーも素晴らしかった!

 

 

(写真)ホルスト・シュタイン/ゲアハルト・オピッツ/バンベルク交響楽団のレーガー/ピアノ協奏曲ヘ短調のCD。「オピッツさん、レーガー生誕150周年にひとつ演奏、いかがですか?」「いや~、あんな大変な曲、若いもんに任せるよ。ワッハッハッ!笑」と、今のオピッツさんが言われそうなくらいの大曲・難曲です。

 

 

11月Bプロ 第1186回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット)

マーラー/交響曲第9番ニ長調

 

⇒1992年・2010年・2022年と計3回聴いたブロムシュテットさんとN響のマーラー9番の1回目です。私はこの曲はレナード・バーンスタイン/ウィーン・フィル(映像)で入っているので、実演を聴いても正直なかなか満足できませんが…、ブロムシュテットさんのマーラー9番には唸りました!表現の違いこそあるものの、目指すものがレニーと同じだからだと感じました。

 

 

 

1993年

 

1月Bプロ 第1192回

(指揮:エフゲニー・スヴェトラーノフ/ピアノ:シューラ・チェルカスキー)

ムソルグスキー/歌劇「ホヴァンシチナ」から第4幕の間奏曲

チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第2番ト長調

カリンニコフ/交響曲第1番ト短調

 

⇒強烈な印象を残した指揮者の2人目がエフゲニー・スヴェトラーノフさんです。とにかく表現力やスケールが超弩級!

 

この公演では知られざる名曲のカリンニコフ1番が演奏され、日本全国からカリンニコフのファンの方々が集まって、涙を流しながら聴いた、と噂された伝説のコンサートです。

 

 

9月Bプロ 第1210回

(指揮:小泉和裕/ヴァイオリン:ジュリアン・ラクリン)

グリンカ/歌劇「イワン・スサーニン」から3つの舞曲

チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調

ラフマニノフ/交響曲第3番イ短調

 

⇒ソリストも豪華なN響の定期公演ですが、ジュリアン・ラクリンさんのチャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲には驚かされました!遅いテンポで歌いまくって圧巻!NHKホール内が異様な興奮状態に陥ったのをよく覚えています。

 

 

11月Cプロ 第1214回

(指揮:ホルスト・シュタイン/バリトン:ヘルマン・プライ)

シューベルト/竪琴引きの3つの歌、夕焼けに、音楽に、プロメテウス、ひめごと、馭者クロノスに、セレナード、彼女の絵姿、魔王

R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」

 

⇒レニーのマーラーでも歌っているヘルマン・プライさんが定期に登場!青春そのものという感じの甘い声色のバリトンにうっとりしました!ドイツ系のバリトンで一番好きな歌手です。

 

このように、ホルスト・シュタインさんやウォルフガング・サヴァリッシュさんは実力派の歌手を連れて来て、前半に歌曲のプログラムを組むことが度々あり、観客を大いに喜ばせました。ヘルマン・プライさんのほか、クルト・モルさん、トーマス・ハンプソンさんなどなど。堪りませんね!

 

 

 

1994年

 

11月Cプロ 第1244回

(指揮:ウォルフガング・サヴァリッシュ/ピアノ:ラドゥ・ルプー)

ブラームス/ピアノ協奏曲第1番ニ短調

ブラームス/交響曲第3番へ長調

 

⇒「1000人に1人のリリシスト」こと、ラドゥ・ルプーさんのブラームス1番が雰囲気抜群で絶品でした!実はルプーさんのことを知らずに聴きましたが、何か違う!と大いに魅了されたことを覚えています。録音を辞めてしまった後のルプーさんのライブはとても貴重な機会でした。

 

 

12月Bプロ 第1249回

(指揮:イルジー・ビエロフラーヴェク/メゾ・ソプラノ:ダグマル・ペツコヴァー)

マーラー/交響曲第10番から「アダージョ」嬰ハ短調

マーラー/リュッケルトによる5つの歌

マルティヌー/ニッポナリ~日本の和歌による7つの歌曲集

マルティヌー/交響曲第6番「交響的幻想曲」

 

⇒前回記事に書いたように、N響の定期公演に合わせて、新しい曲をCDで予習して臨むのが若い頃の私のルーティーンでした。しかし、このマルティヌー6番だけは何度聴いてもさっぱり分からず…、全く歯が立たなかったことをよ~く覚えています、笑。

 

 

(写真)そのマルティヌー6番のCDはヴァーツラフ・ノイマン指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団。6番は全然ダメでしたが…、交響曲全集のCDだったので、ついでに聴いた4番や5番は結構行けて、その後に聴いた実演の時の助けになりました。こういう横の広がりをもたらしてくれるのも嬉しい。

 

なお、鬼門の6番ですが、本記事を書くに当たって試しに聴いてみたら、全然聴き易かったです。あれから少しは成長したのかも?笑

 

 

 

1995年

 

4月Bプロ 第1260回

(指揮:ローレンス・フォスター/チェロ:ミッシャ・マイスキー)

ドヴォルザーク/チェロ協奏曲ロ短調

エネスコ/交響曲第1番変ホ長調

 

⇒ミッシャ・マイスキーさんのドヴォルザークももちろん絶品でしたが、ローレンス・フォスターさんのエネスコ1番が大いなる聴きものでした!私はこの時の素晴らしいエネスコ体験がきっかけで、いつかルーマニアに行ってみたいという願望を持ちましたが、2012年に実現できました!

 

 

(写真)ルーマニアはブカレストにあるジョルジョ・エネスコ国立博物館。ヴァイオリニストとしても有名だったエネスコの使っていたヴァイオリン、ルーマニアの民謡を採集していた様子など、いろいろな展示がありました。訪れることができて、感無量!

 

 

5月Bプロ 第1264回

(指揮:若杉弘/岩永圭子/田代誠/ラインヒルト・ルンケル/小林一男/志村文彦/木村俊光/国立音楽大学)

シェーンベルグ/グレの歌

 

⇒若杉弘さんは都響の音楽監督でしたが、N響にもたまに客演して、マーラーやブルックナーの大曲を振ることが多かったです。大曲中の大曲のシェーンベルク/グレの歌を初めて聴きましたが、広いNHKホールの舞台目一杯に沢山の奏者が乗って壮観でした!

 

 

 

1996年

 

9月A・B・Cプロ/10月A・B・Cプロ 第1298~1303回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット(9月)/ホルスト・シュタイン(10月))

ベートーベン/交響曲チクルス

 

⇒以前のN響では、月の公演を特定の作曲家のチクルスにする企画もたまにやっていました。この時は9月と10月に渡りブロムシュテットさんとシュタインさんがベートーベン交響曲全曲(9番以外)を振る、という夢のような企画、素晴らしかったです!

 

 

 

1997年

 

5月Cプロ 第1322回 

(指揮:イルジー・コウト)

スメタナ/連作交響詩「我が祖国」

 

⇒チェコの名匠イルジー・コウトさんもよく客演していました。オペラも得意なコウトさんなので、ワーグナーなども聴き応えがあり、毎回楽しみにしていましたが、お国もののスメタナ/我が祖国はやはり絶品でした!

 

 

9月Aプロ 第1329回

(指揮:エフゲニー・スヴェトラーノフ)

マーラー/交響曲第7番ホ短調「夜の歌」

 

⇒ロシアものはもちろん素晴らしかったスヴェトラーノフさんですが、私はマーラーにも大いに惹かれました。この7番は第3楽章が異様に遅くて、おどろおどろしい感じ。圧倒的な感銘を受けました!

 

 

 

1998年

 

2月Bプロ 第1345回

(指揮:ホルスト・シュタイン/ポール・エルミング/マッティ・サルミネン/ウォルフガング・シェーネ)

ワーグナー/舞台神聖祭典劇「パルジファル」第3幕(演奏会形式)

 

⇒この頃の私はようやくオペラに目覚め始めたばかりで、パルジファルは全く聴いたことがありませんでした。しかし、この豪華な布陣のパルジファル第3幕は、とにかくもの凄いものを聴いた!とインパクトの大きな公演でした!

 

なお、シュタインさんと言えば、まん丸な大きなお顔が印象的です。ところが、バイロイトのワーグナー博物館に行くと、バイロイト音楽祭に登場した歴代の指揮者の写真がずらっと並んでいるコーナーがありましたが、シュタインさんの写真がまさかのシュッとしたイケ面で大いに驚きました!笑

 

 

9月Aプロ 第1358回

(指揮:チョン・ミュンフン/中村智子/西明美/佐野成宏/直野資/二期会合唱団)

ヴェルディ/レクイエム

 

⇒この公演は演奏も良かったですが、終演後に男女の友人と3人で食事に行って盛り上がって、終電を逃してしまったことをよく覚えています。結局、2人を自宅に泊めましたが、間違いがあってはいけないので(笑)、3人で同じ部屋で語り明かした思い出の公演です。まるでフランソワ・トリュフォー監督の「突然炎のごとく」状態。いや~、青春ですね~!

 

 

 

1999年

 

1月Aプロ 第1370回

(指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ/ヴァイオリン:コンスタンティ・クルカ)

シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲第1番

ブルックナー/交響曲第7番ホ長調

 

⇒読響の常任指揮者として数々のブルックナーの名演を残されたスタニスラフ・スクロヴァチェフスキさんですが、N響にも何度か客演しています。当時全く知らなかった指揮者による素晴らしいブルックナーに突如出会って、大いに驚きました!

 

 

2月Aプロ 第1373回

(指揮:エフゲニー・スヴェトラーノフ)

マーラー/交響曲第6番イ短調「悲劇的」

 

⇒個人的に大好きだったスヴェトラーノフさんのマーラー。6番は第3楽章の後半盛り上がる場面で、聴いたことないような金管の大きな強調が入り、仰け反った良き思い出が、笑。

 

ちなみに、スヴェトラーノフさんはN響のメンバーにも慕われていたそうで、確か女性奏者の方が、スヴェトラーノフさんの肩にかけるタオルがめっちゃ汗臭い(笑)ことを、親しみを込めて語っていた記事を見た覚えがあります。トレードマークの赤い扇風機もユニークでしたね。

 

 

11月Cプロ 第1393回

(指揮:ウォルフガング・サヴァリッシュ/バリトン:トーマス・ハンプソン)

R.シュトラウス/交響詩「マクベス」

R.シュトラウス/讃歌、ノットゥルノ、巡礼の朝の歌、夜のさすらい

R.シュトラウス/交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」

 

⇒実はウォルフガング・サヴァリッシュさんの指揮にはこれまでそんなに感銘を受けませんでした。私の好みもあると思いますが、何というか生真面目で、「我こう思う」という表現や踏み外しによる感動がなかなか得られない演奏、という印象でした。

 

しかし、このR.シュトラウス/ツァラトゥストラはこう語った、の演奏は唸りました!一点の隙もない構築感が本当に素晴らしい!指揮者の円熟、巧みの技、というものを大いに感じました。

 

 

 

2000年

 

9月Bプロ 第1412回

(指揮:エフゲニー・スヴェトラーノフ/ヴァイオリン:樫本大進)

ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調

ラフマニノフ/交響曲第2番ホ短調

 

⇒私のラフマニノフ2番体験の頂点の公演です。第1楽章から尋常ではない雰囲気の演奏でしたが、特にゆっくりたっぷり歌い抜いた第3楽章が圧巻!第3楽章の途中で、サントリーホールの客席のあちこちからすすり泣きが聞こえてきたという伝説の公演です。私も冒頭のクラリネットにボロ泣きしました…。

 

 

 

2001年

 

10月Aプロ 第1442回

(指揮:ウォルフガング・サヴァリッシュ/ソプラノ:マリアーナ・リボヴシェク)

ストラヴィンスキー/バレエ音楽「カルタ遊び」

ワーグナー(ヘンツェ編)/ヴェーゼンドンクの5つの詩

ブラームス/交響曲第1番ハ短調

 

⇒実はこの公演のサヴァリッシュ/N響のブラームス1番が、生涯で30回以上は聴いたであろうブラームス1番で、最も感銘を受けた演奏でした。一言で言えば完璧!堂々として揺るぎなく味わい深い演奏!

 

ブラームス1番が希代の名曲であることがよく分かりました。サヴァリッシュさんとN響の長年に渡る良好な関係の上に成り立った、飛び切りの名演だと思いました。

 

 

 

2002年

 

1月Aプロ 第1452回

(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/チェロ:マリオ・ブルネロ)

ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲

サン=サーンス/チェロ協奏曲第1番イ短調

シベリウス/交響曲第5番変ホ長調

 

⇒パーヴォさんのN響への最初の客演です。私はシベリウスの5番がいわゆる無人島に持っていく1曲ですが、パーヴォさんの繊細かつスケールの大きなシベリウス5番に、大いに感動しました!

 

 

 

2003年

 

5月Bプロ 第1489回

(指揮:ネルロ・サンティ)

ロッシーニ/歌劇「絹のはしご」序曲

ハイドン/交響曲第101番ニ長調「時計」

チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」

レスピーギ/交響詩「ローマの祭り」

 

⇒この頃はネルロ・サンティさんもよく客演されていました。オペラの演奏会形式の公演もありましたが、私が特に感動したのはこのローマの祭り。ローマの松やローマの噴水に比べ、それまでいま一つ良さが分かりませんでしたが…、この演奏を聴いて開眼しました!

 

特に第4部「主顕節」の愉しさには、まるでサントリーホールの丸い客席がメリーゴーランドのようにぐるぐる回り始めたかのような錯覚を覚えました!

 

 

 

2004年

 

10月Aプロ 第1524回

(指揮:ウラディーミル・アシュケナージ)

チャイコフスキー/交響曲第3番ニ長調「ポーランド」

チャイコフスキー/交響曲第4番ヘ短調

 

⇒このコンサートは確かアシュケナージさんの音楽監督就任のお披露目の公演と記憶していますが、アシュケナージさんが指揮棒で怪我をされて…、後半は指揮者なしで演奏した、という非常に珍しい公演でした。怪我から回復されたようで本当に良かったです。

 

 

 

2005年

 

5月Bプロ 第1541回

(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン)

ペルト/フラトレス

プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調

ショスタコーヴィチ/交響曲第5番ニ短調

 

⇒最高のシベリウス5番に感動したパーヴォさんの2002年の客演でしたが、パーヴォさんはショスタコーヴィチも素晴らしかったです!ヒラリー・ハーンさんとはよくドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団で一緒に来日されますが、この頃から仲良しだったんですね。

 

 

 

2006年

 

2月Bプロ 第1561回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット/ピアノ:ラルス・フォークト)

モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番イ長調

ブルックナー/交響曲第3番ニ短調(第1稿)

 

⇒ブロムシュテットさんのブルックナーです。3番の第1稿を初めて聴きましたが、よく演奏される第3稿とかなり違う音楽、特にワーグナーの旋律が聴こえてきて驚きました。まるで牧師さんのように敬虔なブロムシュテットさんのブルックナーに大いに魅了されました。

 

 

3月Aプロ 第1562回

(指揮:ウラディーミル・アシュケナージ/マリーナ・ブルデンスカヤ/セルゲイ・ラーリン/ペーテル・ヤブロンスキー/井口真由子/国立音楽大学)

スクリャービン/交響曲第1番ホ長調

スクリャービン/プロメテウス(火の詩)

 

⇒アシュケナージ時代で最も印象に残っているのが本公演。珍しいスクリャービン1番も嬉しかったですが、大きなスクリーンに色光ピアノで音楽に合わせて様々な色を登場させてイメージを作る映像の付いたプロメテウスがめちゃめちゃ素晴らしかったです!

 

スクリャービンが見たら、きっと泣いて喜ぶことでしょう。これ、全く同じ企画でいいので、ぜひ再演してほしいです!

 

 

 

2007年

 

5月Cプロ 第1594回

(指揮:ローレンス・フォスター/ピアノ:ルドルフ・ブッフビンダー)

ブラームス/ピアノ協奏曲第1番ニ短調

ドヴォルザーク/スラブ舞曲第1集

 

⇒ルドルフ・ブッフビンダーさんのブラームス1番が最高でした!2012年のクリスティアン・アルミンク/新日フィルとのブラームス1番も素晴らしかったですが、言わばブッフビンダーさんの十八番。来年5月の定期公演でもファビオ・ルイージさんとのコンビでこのブラームス1番を弾いていただけるのを、今からとても楽しみにしています。

 

 

 

2008年

 

1月Cプロ 第1611回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット)

シベリウス/交響詩「4つの伝説」~「トゥオネラの白鳥」

シベリウス/交響詩「タピオラ」

シベリウス/交響曲第2番ニ長調

 

⇒ブロムシュテットさんのシベリウスは特別。3曲のカップリングも厳しい前半、解放される後半と言った流れで、タピオラのラストの長調から2番冒頭のつながりがいいですね~。至福の時間でした!

 

 

 

2009年

 

2月Aプロ 第1640回

(指揮:ラドミル・エリシュカ)

スメタナ/連作交響詩「我が祖国」

 

⇒N響が定期的に取り上げるスメタナ/我が祖国には何度も感動させられていますが、チェコの名匠ラドミル・エリシュカさんの我が祖国も絶品でした!

 

 

4月Cプロ 第1644回

(指揮:エト・デ・ワールト/ヴァイオリン:ジャニーヌ・ヤンセン)

チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調

R.シュトラウス/アルプス交響曲

 

⇒これまで比較的、自由席(E席)で聴きに行くことが多かったですが(チケットを取っても仕事が忙しくて行けないリスクがあるため)、この公演はNHKホールに行ったらまさかのソールドアウト!うっそ~!もしかして、美貌のヴァイオリニスト、ヤンセンさん目当てのみなさんが集結?笑

 

そこで、「チケット求む」で何とか滑り込んだ公演でした…。いや~、危ない危ない。チケット譲っていただいた方、感謝感謝です。これ以降はなるべく事前にチケットを購入するようになった、転換点となった公演です。

 

 

 

2010年

 

4月Aプロ 第1670回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット)

マーラー/交響曲第9番ニ長調

 

⇒2回目となるブロムシュテットさんのマーラー9番です。前回1992年が素晴らしかったので、1日目・2日目と2日間聴きに行きましたが、今回もともに素晴らしかった!マーラー生誕150周年の特別な思い出となりました。

 

 

 

2011年

 

9月Bプロ 第1708回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット)

シューベルト/交響曲第7番ロ短調「未完成」

ブルックナー/交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)

 

⇒ブロムシュテットさんの未完成&ブルックナー7番!これ以上、何を望むことがあるのでしょうか?果たして、素晴らしいコンサートでした!

 

 

 

2012年

 

10月Aプロ 第1736回

(指揮:ロリン・マゼール/ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル)

チャイコフスキー/組曲第3番ト短調

グラズノフ/ヴァイオリン協奏曲イ短調

スクリャービン/法悦の詩

 

⇒何と、大御所のロリン・マゼールさんが登場する!と話題となったコンサート。マゼールさんが本当に来た!ということばかりに気が行ってしまい、ごめんなさい、どんな演奏だったか、さっぱり覚えておらず…泣。ただ、スクリャービン/法悦の詩を久しぶりに聴けて満足だったのを覚えています。

 

 

 

2013年

 

5月Aプロ 第1754回

(指揮:尾高忠明/テューバ:池田幸広)

エルガー/序曲「フロアサール」

ディーリアス/歌劇「村のロメオとジュリエット」から間奏曲「天国への道」

ヴォーン=ウィリアムス/テューバ協奏曲

ウォルトン/交響曲第1番変ロ長調

 

⇒尾高忠明さん得意のイギリス音楽プロ。最高のプログラム!大好きなウォルトン1番は素晴らしかったですし、寂しさや黄昏れ感を感じるRVWのテューバ協奏曲もいいですね~。尾高忠明さんとN響はエルガー1番も最高の聴きものでしたし、この10月に聴いたブラームス3番も絶品でした!日本を代表する本格派の指揮者だと思います。

 

 

 

2014年

 

1月Aプロ 第1774回

(指揮:ファビオ・ルイージ/モイツァ・エルトマン/ヘルベルト・リッパード/ティモシー・オリヴァー/マルクス・マルクヴァルト/東京混声合唱団/東京芸術大学合唱団/東京少年少女合唱隊)

オルフ/カトゥリ・カルミナ

オルフ/カルミナ・ブラーナ

 

⇒オペラを得意とするルイージさんの合唱曲が特別なものと実感した公演。圧倒的だったカルミナ・ブラーナ!これが就任公演のヴェルディ/レクイエム、定期公演2000回のマーラー8番へと繋がっていくんですね。(なお、カトゥリ・カルミナの歌詞があまりにも小っ恥ずかしかったのも良き思い出、笑)

 

 

 

2015年

 

1月Cプロ 第1802回

(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/ヴァイオリン:庄司紗矢香)

シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調

ショスタコーヴィチ/交響曲第5番ニ短調

 

⇒この公演は後輩の女性を誘ったところ、仕事で遅くなってしまった後輩が可哀想なことにまさかのソールドアウトの洗礼を浴びて、コンサートホールに入れなかった公演でした…。パーヴォ人気、恐るべし!庄司紗矢香さんのヴァイオリンも素晴らしかった。健気な後輩ちゃんは待っててくれて、終演後にお茶した思い出があります。

 

 

10月Aプロ 第1817回

(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/エリン・ウォール/リリ・バーキシヴィ/東京音楽大学)

マーラー/交響曲第2番ハ短調「復活」

 

⇒パーヴォさんのN響の首席指揮者の就任公演です。パーヴォさんらしく引き締まって、歌うところは歌う復活が素晴らしかった!パーヴォさんのマーラーはオリジナリティを強く感じて大好きです。

 

 

 

2016年

 

9月Aプロ 第1842回

(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/ピアノ:ラルス・フォークト)

モーツァルト/ピアノ協奏曲第27番変ロ長調

ブルックナー/交響曲第2番ハ短調

 

⇒パーヴォさんはシベリウスやマーラーだけでなく、ブルックナーも素晴らしい。1曲1曲捉え方がユニークで、特別感がありますね。ラルス・フォークトさんはN響によく客演されていて、ドイツ音楽界の実力派でしたが、2022年に若くしてお亡くなりになってしまいました…。本当に惜しいです…。合掌。

 

 

 

2017年

 

5月Aプロ 第1860回

(指揮:ピンカス・スタインバーグ)

スメタナ/連作交響詩「我が祖国」

 

⇒この我が祖国の公演には特別な思い出があります。それは、このコンサートに合わせて、アルフォンス・ムハ(ミュシャ)の20作品からなる巨大な絵画「スラヴ叙事詩」を観たからです。終演後にチェコビールを楽しんだことを含めて、忘れられない公演となりました。

 

 

(写真)アルフォンス・ムハ/スラヴ民族の賛歌(スラヴ叙事詩)。この作品を観た後に聴く「ブラニーク」はとてつもなく感動的でした!

※「ミュシャ展」で購入した絵葉書より

 

 

11月Cプロ 第1871回

(指揮:トゥガン・ソヒエフ/スヴェトラーナ・シーロヴァ/アンドレイ・キマチ/東京混声合唱団/東京少年少女合唱隊/片岡愛之助)

プロコフィエフ(スタセヴィチ編)/オラトリオ「イワン雷帝」

 

⇒この公演はソヒエフさんの指揮やソリストや合唱の歌も素晴らしかったですが、片岡愛之助さんの語りが見事でした!NHK大河ドラマでも、「それが真田左衛門佐の進むべき道じゃ!」(大谷吉継@真田丸)「坂東武者の世を作る!そのてっぺんに北条が立つ!」(北条宗時@鎌倉殿の13人)の名セリフを残していますが、歌舞伎役者のよく通るセリフ回しって本当に素晴らしい!

 

 

 

2018年

 

4月Cプロ 第1883回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット/ピアノ:マリア・ジョアオ・ピレシュ)

ベートーベン/ピアノ協奏曲第4番ト長調

ベートーベン/交響曲第4番変ロ長調

 

⇒最後の来日公演となったピレシュさんのピュアなピアノ。ブロムシュテットさんの引き締まった見事なベートーベン。非常に感動的な公演でした!

 

また、ピュアなピレシュさんのピアノに合わせて、終演後はチャーミングなブルゴーニュ・ルージュ(トロ・ボーのショレイ・レ・ボーヌ)を仲間4人で楽しんだ良き思い出があります。

 

 

5月Aプロ 第1885回

(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ)

ベートーベン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調

シベリウス/交響詩「4つの伝説」

「レンミンケイネンと乙女たち」「トゥオネラの白鳥」 「トゥオネラのレンミンケイネン」 「レンミンケイネンの帰郷」

 

⇒やっぱりパーヴォさんのシベリウスは特別!特に「レンミンケイネンと乙女たち」のめくるめく陶酔感!パーヴォさんの指揮に全身全霊で応えるN響のチェロ・セクション!初日に聴いて、あまりにも素晴らしかったので、2日目も聴きに行きました。

 

 

10月Bプロ 第1896回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット)

ベートーベン/交響曲第6番「田園」

ステンハンマル/交響曲第2番ト短調

 

⇒ステンハンマルというスウェーデンの素晴らしい作曲家を紹介するだけに留まらず、最高の演奏を披露してくれたブロムシュテットさんとN響のコンビ!御年91歳にして第3楽章で踊るように指揮していたブロムシュテットさんの指揮姿は一生忘れません!

 

 

 

2019年

 

6月Bプロ 第1917回

(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/ピアノ:ロジェ・ムラロ/オンド・マルトノ:シンシア・ミラー)

メシアン/トゥーランガリラ交響曲

 

⇒大好きなメシアン/トゥーランガリラ交響曲。2018年の大野和士/都響と双璧で素晴らしかった公演!特にロジェ・ムラロさんのピアノ、その後ろにチェレスタとジュ・ドゥ・タンブルが舞台の一番前に並んで、あたかも三位一体のように演奏していたのが印象的でした。

 

 

9月Bプロ 第1920回

(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/フルート: エマニュエル・パユ)

トゥール/ルーツを求めて~シベリウスをたたえて~

ニールセン/フルート協奏曲

シベリウス/交響曲第6番

シベリウス/交響曲第7番

 

⇒パーヴォさんのシベリウスは特別ですが、遂に最高傑作の呼び声もある7番を聴けました!繊細な6番からアタッカで始まったメリハリの効いたアグレッシブな7番、めちゃめちゃ素晴らしかったです!

 

 

11月Bプロ 第1924回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット)

ベートーベン/交響曲第3番「英雄」

R.シュトラウス/交響詩「死と変容」

ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲

 

⇒後半の死と変容とタンホイザーが劇的で、プログラムのストーリー性を大いに感じた公演でした。この劇的な音楽が92歳の指揮棒から繰り広げられるところに、ブロムシュテットさんとN響の長年の特別な関係を感じました。

 

 

 

2020年

 

10月 ※定期公演扱いではなかった。

(指揮:鈴木 雅明)

シューベルト/交響曲第2番変ロ長調

シューベルト/交響曲第4番ハ短調「悲劇的」

 

⇒新型コロナウイルスの影響を受け、しばらく短めのプログラムにより定期公演とは呼ばなかった頃の公演です。入国規制でブロムシュテットさんが来日できない中、バッハ・コレギウム・ジャパンの鈴木雅明さんがN響に降臨!引き締まった見事なシューベルトに感銘を受けました。

 

 

 

2021年

 

6月 ※定期公演扱いではなかった。

(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/ヴァイオリン:青木尚佳)

ペルト/スンマ(弦楽合奏版)

シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調

ニールセン/交響曲第4番「不滅」

 

⇒まあ何と素敵なプログラミング!そして、パーヴォさんのニールセン不滅が壮絶!この後の9月から定期公演が再開されましたが、正に大切なものを守る決意の反撃の狼煙、とも言うべき、感慨深い公演でした。

 

 

11月Aプロ 第1942回

(指揮:沼尻竜典/ピアノ:アレッサンドロ・タヴェルナ)

ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲

リスト/ピアノ協奏曲第2番イ長調

フランツ・シュミット/交響曲第2番変ホ長調

 

⇒この公演はファビオ・ルイージさんが来日できず、沼尻さんが見事に代役を務められた公演です。何よりフランツ・シュミットの巨大で濃厚な交響曲の素晴らしい演奏が聴けて大いなる感動!ホルンなんて9本ですよ?

 

この年はセバスティアン・ヴァイグレ/読響と角田鋼亮/日フィルも4番を取り上げるなど、フランツ・シュミット祭りでした。フランツ・シュミット、東京のコンサートシーンにぜひ定着してほしいです!

 

 

 

2022年

 

9月Aプロ 第1962回

(指揮:ファビオ・ルイージ/ヒブラ・ゲルズマーワ/オレシア・ペトロヴァ/ルネ・バルベラ/ヨン・グァンチョル/新国立劇場合唱団)

ヴェルディ/レクイエム

 

⇒ルイージさんの首席指揮者の就任記念公演です。やはりルイージさんの合唱曲は素晴らしい!ソリストや合唱も見事でしたが、ルイージさんの船出を絶対に成功させるんだ、というN響の気迫の演奏が心を打ちました。

 

 

10月Aプロ 第1965回

(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット)

マーラー/交響曲第9番ニ長調

 

⇒ブロムシュテットさんとN響の3回目のマーラー9番です。N響の定期公演では、こんなにいろいろな指揮者により沢山の曲が演奏されましたよ~、と伝えたい趣旨の本記事ですが、ブロムシュテットさんのマーラー9番は特別。3回目の登場です。いろいろな想いが込み上がってくる、素晴らしい演奏でした!

 

(写真)N響から送られてきた、この定期公演のCD。家宝にします!N響はB定期の1日目と2日目の会員なので、2枚いただきました。もう1枚は大切な人にプレゼントしようと思います。

 

 

 

2023年

 

4月Bプロ 第1982回

(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/ピアノ:マリー・アンジュ・ヌッチ)

シベリウス/交響曲 第4番イ短調

ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲

チャイコフスキー/幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」

 

⇒何よりパーヴォさんのシベリウス4番が聴けて感無量!難解な曲ですが、ニュアンスに溢れて、一挙手一投足に唸りました。結局、本記事にパーヴォさんのシベリウスは4回も登場!どうかシベリウス3番も振っていただけますように~!

 

 

11月Bプロ 第1996回

(指揮:ユッカ・ペッカ・サラステ/ヴァイオリン:ペッカ・クーシスト)

シベリウス/交響詩 「タピオラ」

ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ調

シベリウス/交響曲第1番ホ短調

 

⇒神尾真由子さんと並んで大好きなヴァイオリニスト、ペッカ・クーシストさんによる洒脱なストラヴィンスキー。ユッカ・ペッカ・サラステさんの見事なシベリウスと、満足度が極めて高かった公演!

 

 

12月Aプロ 第2000回

(指揮:ファビオ・ルイージ/ジャクリン・ワーグナー/ヴァレンティーナ・ファルカシュ/三宅理恵/オレシア・ペトロヴァ/カトリオーナ・モリソン/ミヒャエル・シャーデ/ルーク・ストリフ/ダーヴィッド・シュテフェンス/新国立劇場合唱団/NHK東京児童合唱団)

マーラー/交響曲第8番変ホ長調「一千人の交響曲」

 

⇒前回記事参照

 

 

 

(なお、ここは悩みましたが…、ある指揮者の公演の掲載は控えました。それらの公演は素晴らしかったですが、不快に思われる方がいらっしゃる可能性を考えて、積極的に掲載することは控えようと思います。この世の中からあらゆるハラスメントがなくなりますように。)

 

 

 

 

 

 

 

以上、非常に長~い記事となりましたが、私が1989年からN響を聴いてきて、特に思い出に残った60の定期公演でした。ご覧いただければ分かるように、本当に多くの指揮者やソリスト、合唱団が登場し、バラエティに富んだ沢山の曲が演奏されてきたことがよく分かります。

 

ファビオ・ルイージさんが「世界的にも例のない」と言われるように、2000回もの定期公演を演奏してきたN響の長い歴史を少しでも感じていただければ幸いです。

 

 

また、私自身、大親友と聴きに行っては、終演後のご飯&お酒で演奏のことを語り合ったり、気になっている女性をデートに誘って盛り上がったり、後輩や友人を誘ってクラシックの楽しさを教えてあげたり(何人もリスナーに育てました)、N響の定期公演をきっかけとしていろいろと活動してきました。

 

月曜から金曜まで仕事を頑張る大きなモチベーションになったり、仕事が大変な時には素晴らしい音楽に救われたり…。オーケストラ曲を沢山教えていただいただけでなく、N響定期公演は、私の青春そのもの、人生の良き伴奏者でもあります。感謝しかありません。

 

 

 

 

 

ここで、特に若いみなさまを中心に、強調して伝えたいことがあります。それは…、

 

 

生のコンサートを聴きに行きましょう!!!

 

 

それはみなさまの人生をより豊かにするものです。それは忙しい仕事や学業の合間にホッと一息、リラックスや癒しをもらえるものであり、ライブの感動と興奮を通じて、明日の仕事や学業の活力にもなるものです。

 

クラシック音楽から絵画や文学、海外旅行にと趣味も広がります。気になる彼女や彼氏を誘って、コンサートの後にご飯やお酒を楽しめば、素敵なデートになりますよ!全力でお勧めします!

 

 

 

最後に、改めてですが、N響のオーケストラや関係者のみなさま、定期公演2000回、本当におめでとうございます!沢山の演奏を聴かせていただき、心より感謝です!来年1月からの定期公演も、引き続き通わせていただきます。これからも素晴らしい演奏を楽しみにしています!