(夏の旅行記の続き)旅行10日目。これまで、オーストリア・スロバキア・チェコ・ドイツの4ヶ国での観光、バイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭と楽しんできましたが、今回の旅も後半戦に入ります。
前半戦も盛り沢山でしたが、後半戦はいよいよフランツの本領発揮(笑)と言った感じで、よりバラエティに富んだ内容の旅路となります。良かったら、ご覧いただければ幸いです!
さて、この日から観劇の舞台はオーストリアのバート・イシュルに移ります。フランツの大好物、オペレッタの音楽祭。演目はフランツ・レハールの知られざるオペレッタ、この世は美しいです!
Lehár Festival Bad Ischl
Franz Lehár
SCHÖN IST DIE WELT
Musikalische Leitung: Marius Burkert
Inszenierung: Angela Schweiger
Choreografie: Evamaria Mayer
Kostüme: Simone Weißenbacher
Choreinstudierung: Matthias Schoberwalter
Elisabeth, Prinzessin von und zu Lichtenberg: Sieglinde Feldhofer
Kronprinz Georg: Thomas Blondelle
Der König, sein Vater: Gerd Vogel
Graf Sascha Karlowitz, Adjutant des Königs: Jonathan Hartzendorf
Mercedes: Katharina Linhard
Herzogin Brankenhorst: Klára Vincze
Jazzsänger: Joseph Terterian
Hoteldirektor: Johannes Hubmer
Franz Lehár-Orchester
Chor des Lehár Festival Bad Ischl
(写真)会場はバート・イシュルのクーアハウス。色とりどりの花に囲まれた、大好きな劇場です。
(写真)クーアパークにあるレハールの像
その前に、この日の観劇までの行動について。まずはバイロイトからバート・イシュルを目指します。バイロイト→ペグニッツ(バス)、ペグニッツ→ニュルンベルクは順調でしたが、ニュルンベルク→ミュンヘンは5分遅れで駆け足の乗り換え、鬼門のミュンヘン駅の乗り換えはセーフ。
しかし、ミュンヘン→ザルツブルクの列車が途中で止まりながらになってしまい30分遅れ。ザルツブルク→バート・イシュルをバスで移動しましたが、結局、予定より1時間近く遅くなってしまいました…。
当初の予定では、バート・イシュルの近くの山に登ろうかと思っていましたが、タイトな旅程の中のマイナス1時間は厳しく、残念ながら断念。バート・イシュルのまちを散策することにしました。
(そして、列車が遅れて山に登らなかったことが、実は結果として、後の大いなる感動につながります。人生、何が幸いするか分りません!)
バート・イシュルを歩き始めると、何やら、まち全体でお祭りをやっているようです!
(写真)バート・イシュルのお祭りの様子。着飾った方々や様々なアトラクションがあって、とても楽しい。皇帝陛下フランツ・ヨーゼフとシシィのそっくりさんもいらっしゃいました。
(写真)これはダーツとサッカーを組み合わせた遊びで、子供たちに人気でした。私の方にボールが転がってきたところ、インサイドキックで正確に係の方に蹴り返したら、親指を上げた「いいね!」のポーズいただきました!一応、学生時代はサッカー部でしたからね。はっ!しまった!少しリフティングしてから返せば良かった!笑
(写真)雰囲気のある展示や目を惹く飾り付けのお店などがあり、歩いているだけで楽しくなります。
(写真)この車はバイロイト音楽祭のタンホイザーで大道芸一座のヴェーヌス一行が乗るキャンピングカーにそっくりで、大いに反応しました!
(写真)最後の方では楽団のパレードもありました!!!めっちゃ楽しい!
(写真)まちあるきをたっぷり楽しんだので、フランツ御用達(笑)のカフェ・ツァウナーで一息。ベリーのトルテとメランジェ(オーストリアのカフェオレ)。
このメランジェ、実は頼んでいなかったのですが、ボーイさんがお隣の席にメランジェを届けたところ、注文の間違いだったようで、「頼んでいません」と断られていました。もったいないので、すかさず、「そのメランジェ、良かったら私がいただきます!」と声をかけて引き取ったものです。ちょっと気を利かせれば、みんな丸く収まります。
メランジェの一件で、何だか良いことをした気分になっていたら、ビビビッと閃いて、いいことを思い付きました!実は今回のバート・イシュルの滞在はホテルでなくアパートメントだったので、朝食が付いていません。
当初はスーパーでサンドイッチとヨーグルトとチーズと野菜ジュースを購入して、朝食にしようかな?と考えていましたが…、
カフェ・ツァウナーでこんな素敵なものを見つけました!!!
(写真)直径30cmくらいの大きなグーゲルフプフのホール。焼き菓子で、ドイツではクグロフと呼ばれます。帯にはカタリーナ・シュラットのレシピとありました!味は正に正統派という感じのグーゲルフプフ。これを朝食で楽しめて感無量!めっちゃ美味しかったです!
さて、そろそろ本題ですが、レハールのオペレッタ、この世は美しいのあらすじをごく簡単に。ゲオルグ王子とエリザベート王女は両家の取り決めで結婚することになっています。お互いのことを知らずに偶然チロルのホテルで出会った2人は山に登り、惹かれます。
親密になってホテルに戻った2人は、両家のやりとりで実は結婚相手だと分り、そのままめでたく結ばれるという、何ともほんわかした内容です。オーストリアらしい、山を舞台にしたオペレッタです。
オペレッタが始まりました。楽譜とエーデルワイスが背景の素敵な舞台です。序曲では雄大な山を思わせる金管の冒頭の後、すぐに弱音で始まり盛り上がるワルツ!ほとんどパブロフの犬のごとく、涙がツツーとこぼれます…。ワルツって、何でこんなに心を打つんだろう?バレエも入って、とても素敵な舞台です。
最初のエリザベートのアリア“Schon, wie ein Traum so schon”は、この音楽祭ではおなじみのジークリンデ・フェルドホーファーさんの歌がとても素晴らしい!このアリア、途中にホロリと泣かせる転調の旋律があるんですよね~。ほとんどキュン死してしまうくらいの素晴らしさ!効果抜群であっさり泣かされるフランツ!笑
そしてゲオルグによって歌われる作品名のアリア“Schön ist die welt”も伸びやかな歌、雰囲気たっぷりで素晴らしい!トーマス・ブロンデッレさんは若さ溢れるゲオルグ王子役がはまっていました!ほとんどバート・イシュル・レハール音楽祭のエース2人による万全なキャストが嬉しい。
タンゴ女王のメルセデスによるリオデジャネイロの楽しい歌と踊りではみんなが踊って、途中でカイピリーニャ(ブラジルの国民酒のカクテル)が出てきたりして楽しい!そもそもどうしてブラジルのダンスクイーンが登場するのか?そしてどうして踊りがタンゴなのか?さっぱり分りませんでしたが(笑)、とにかく楽しい!
エリザベートのおばのブランケンホルスト公爵夫人が、手真似で犬の芸を見せるのも楽しい!オーストリアのオペレッタに出てくる歌手の方は歌や踊りだけでなく、もう一つ二つ芸を持っている方が多く、本当に多芸で多才。お客さんを楽しませる才能ある方ばかりです。
ゲオルグのガイドで山に登るエリザベート。2人がだんだん距離を縮めていく流れが本当にいい感じ。高い山登りということで、安全のためにお互いを縄で縛りますが、まるで運命の人というのを暗示しているかのよう。
ゲオルグのシューネスト・ヴェルトの魂の熱唱の後、2人は山でご飯の時間を楽しみますが、どこからかシャンパンが出てくる都合の良さが可笑しい!笑 しかし、ラジオでエリザベート王女が行方不明とのニュースが!帰りを急ぐ2人ですが、嵐に遭ってしまいます。山小屋に避難して、一夜を共にして結ばれる2人。
2人がホテルに帰ってきて、みんなが出てくると、メルセデス中心にアップテンポなファファファレドシ~の旋律が楽しいノリノリの歌。その後のクライネ・バーの2重唱もいい感じ、
最後はまとまって、みんなで盛大にお祝いして大団円!盛り上がりました!アンコールはメルセデスのノリノリの歌でまた大盛り上がり!めっちゃ楽しい!この世は何と美しい!!!
いや~!バート・イシュル・レハール音楽祭のオペレッタ、レハール/この世は美しい、最高の舞台でした!何て素晴らしい音楽!何て楽しい舞台!
前日まで4日連続で楽しんだ、ワーグナーの楽劇(オペラ)を存分に味わえるバイロイト音楽祭も最高ですが、オペレッタをとことん楽しめるバート・イシュル・レハール音楽祭もまた最高!この際、両方とも楽しんじゃいましょう!
(写真)オペレッタをたっぷり楽しんだ後は、オーストリアのビールでクールダウン。この儀式だけはオペラもオペレッタも変わりません、笑。
そして、この山を舞台にした素晴らしいオペレッタを観て、私はこの旅において、ある大きな決断をしました。それは翌日の行動に表われます。さて、その決断とは一体何でしょう?次の記事で!
(次回は、この夏の旅行記の中で、もしかすると最も力の入った記事です。お楽しみに!)