(夏の旅行記の続き)旅行9日目。この日の午前中はバイロイトを観光しますが、かねてから訪れてみたかった、バイロイトの隠れた観光名所に行きました。

 

それは、バイロイトが誇る白ビール、マイゼルス・ヴァイスの体験館。1887年から始まった歴史的なビール工場の建物の中で、マイゼルス・ヴァイスの歴史や設備を体験できる素晴らしい場所です!

 

※なお、正式名称は、‘MAISEL´S BIER-ERLEBNIS-WELT’で、直訳すると「ビール体験ワールド」となります。

 

 

 

(写真)マイゼルス・ヴァイス。バイロイトの小麦を使った白ビールです。これは昨年のバイロイト音楽祭でローエングリンを観た後の一杯。私のバイロイトでのルーティーンです。

 

 

 

私は上の写真のように、バイロイト音楽祭のワーグナー観劇の後のマイゼルス・ヴァイスの一杯をこよなく愛しています。いつも刺激的なバイロイト音楽祭のワーグナーを観た興奮をクールダウンしてくれる、美味しく頼もしい相棒。遂にその秘密を知る機会がやってまいりました!

 

 

 

(写真)マイゼルス・ヴァイスの入口(レストランとショップ)。遂に来た!ウェブサイトでは拝見しましたが、大きなロゴの入ったレンガ色の建物を目の前にして、胸が高鳴ります!

 

(写真)このオブジェはマイゼルス・ヴァイスを飲み過ぎて、酩酊してひっくり返ってしまった人でしょうか?美味しいビールなので致し方なし。もはや抗う方法はありません、笑。

 

 

 

マイゼルス・ヴァイスの見学は、事前にウェブサイトで予約をして、専用のアプリをスマホにダウンロードし、アプリで英語の解説を聞きながらルートを周ります。ガイドの方の説明を聞く形のガイドツアーも良いですが、自分のペースでゆっくり周るのも良いものですね。

 

 

(写真)このマークに沿ってツアーのルートを周ります。18の見どころを1時間半くらいで周わりました。

 

 

 

 

 

(室内では撮らないマイルールなので、写真はありませんが)以下、特に印象に残った見どころです。

 

 

◯巨大な蒸気機関のエンジン。馬2頭分に相当するそうです。石炭を入れるボイラーもありました。

 

◯巨大な2つの蒸留器。これでモルトを蒸留します。底の形が上げ底と平らな底で異なっていて、底の形で味が変わるそうです。フィヒテルゲ山からのピュアな水にモルトを混ぜて蒸留。それがナッシュを経て、ビアウォーターになるそうです。

 

◯さまざまなホップが展示されている部屋。ホップはドイツの各地で産出するそうです。ダブリンでギネスの展示を見た時にも、ホップが印象的に展示されていたことを思い出しました。

 

(参考)2019.5.3 ダブリン観光その6(ギネス・ストアハウス&ジェイムソン蒸溜所2回目)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12485734542.html

 

 

◯樽の部屋。昔はオークの樽でしたが、今はステンレスに替わりました。樽を正確に造るための様々な工具がありましたが、ほとんどワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガーの世界!

 

◯ドイツのビールの400種類のロゴやポスターが壁や天井にずらっと並べられている部屋。とても壮観でした!第二次世界大戦前はドイツ全土で2,500の醸造所あったところ、戦後は1,400まで減りましたが、最近はまた増えてきているそうです。

 

増えてきている理由は、日本と同じで、クラフトビールが流行っているからでしょうか?うち600の醸造所がバイエルン州ということで、さすがはビールの都とも言うべきミュンヘンを抱くバイエルン州です。

 

 

◯クオリティ・コントロールの部屋。ビールの重さや色を確認するため、試験管や分銅など様々な機器がありました。理系の私は、大学生時代の実験を思い出して懐かしくなりました。

 

◯モルトハウス。モルト造りを説明する部屋で、大麦や小麦を7日間乾燥させるジャーマネーションという行程を経て、ビールの種類によって80℃や140℃など、様々な温度で燻されるそうです。

 

◯様々なボトル洗浄機とボトル詰め器のある部屋。現代では何と1分間に1,000本のビールを製造するそうです!逆にそれだけの大量のできたビールを飲む人たちがいる、というのもまた凄い!

 

◯フェメンテーション。ビールは樽に入れられて、イーストが加えられて1週間の間、種類によってはそれ以上の期間置かれる、ということでした。ビールって、出来たてをすぐ出荷するイメージがあったので、とても勉強になりました。

 

◯ビールのジョッキのコレクション。歴史的なジョッキも含めて、本当に沢山の種類があって壮観でした!ガラスのジョッキもいいですが、昔ながらの陶器のジョッキは雰囲気ありますね~!

 

◯バレル・エイジング。樽の個性によって味わいが変わるそうです。何だかウイスキーみたいですね。

 

◯マイゼルス・ヴァイスの経営の歴史の展示。これが非常に興味深かったです!マイゼルス・ヴァイスは1887年に創立(1876年のバイロイト音楽祭に近い!)、トップは必ず2人のコンビで経営を行い、今は4世代目となるそうです。1人のトップにより、偏ったり独善的な経営にならないように工夫されているんですね~。

 

そして、マイゼルス・ヴァイスは、世間から「シャンパンニャー・ヴァイツェン」「シャンパン・ウィート・ビアー」と称されている、という解説があって、大いに反応するフランツ!そうなんだ!そうだったんだ!

 

シャンパンと言えば世界中のスパークリング・ワインの頂点ですが、マイゼルス・ヴァイスも単なる白ビールでなく、そういう最高級の位置づけのビールだったんですね!どおりでこんなにもハマる訳です。大いに納得しました!

 

 

(なお、私は東京では、白ビールは銀河高原ビールも愛飲しています。だいたい、夏場は銀河高原ビールをガブガブ飲んで、それ以外の季節はエビスビールをゴクゴク飲んで。簡単に言うと、その繰り返しの人生です、笑。)

 

 

 

そして、見学ルートの最後はマイゼルス・ヴァイスのショップでした。大ファンなので、行く前はここでマイゼルス・ヴァイスのオリジナルのグラスを買う気満々だったのですが、いろいろ検討した結果、結局やめました。

 

グラスを買って日本でマイゼルス・ヴァイスを飲むこともできますが、またここに来よう!ここバイロイトに来て、現地で美味しいマイゼルス・ヴァイスを楽しむことを心待ちにしよう!素晴らしい展示の数々を見て、そう心に決めました。

 

 

 

 

 

さて、マイゼルス・ヴァイスの歴史的な展示を大いに堪能したので、レストランでマイゼルス・ヴァイスを楽しみましょう!

 

 

(写真)マイゼルス・ヴァイスが造る5種類のビールのテイスティング・ボード。いつもの白ビールではないですが、これ、ここでしか飲めないので、めっちゃ楽しみにしていたんです!以下、左のグラスから順に、飲んだ感想を簡単に。

 

 

①Hoppy Hell:フルーティでスルスル入ります。これ、危険!笑

 

②Pale Ale:モルトの旨味を感じて、とても飲みやすい。これも危険!(というか、以下、全て危険!笑)

 

③India Ale:ホップをより感じますが、バランス良し。

 

④IPA:より強く個性的な印象。

 

⑤Dry Stout:スタウトのコクと苦味。

 

 

 

(写真)Pils Bergerとテイスティング・ボード。「ビールにハンバーガー」とは、すなわち「この世の極楽」。めちゃめちゃ美味しかったです!

 

 

 

 

 

さて、マイゼルス・ヴァイスを大いに楽しんだ後は、ビールを飲んだこともあり、早めにホテルに戻ってしっかり仮眠。夕方からバイロイト音楽祭に行きました。

 

もちろん、ワーグナーの観劇ですが、その記事を書くに当たって、今回、特別な感情を抱くこととなりました。さて、ワーグナーのどの作品で、どんな特別な感情を抱いたのでしょう?次の記事で!(続く)