前回でこの夏のオーストリア・ドイツ旅行記を終えましたが、今年、下書きは作ったものの掲載を控えていた記事を、これから4~5回にかけてアップしていこうと思います。まずは今年3月に勤続30年を素晴らしいワインでお祝いした記事です!

 

 

 

私は毎年3月末には、1年間頑張ったご褒美で特別なワインを楽しむようにしています。今年は勤続30年を達成した特別な機会。ということで、取って置きのシャトー・ペトリュス1992をいただきました!

 

 

(写真)シャトー・ペトリュス1992。このワインセラーの湿気ゆえカビの滲んだラベルが、30年という長い年月を物語ります。ペトリュスの試飲会で購入してオーナーのクリスチャン・ムエックスさんにサインをいただいた記念のボトル。

 

 

 

シャトー・ペトリュス!全てのワイン好きが畏敬の念を持つワインです!

 

私は何度も記事にしているように、シャトー・ラフィット・ロートシルトの大ファンですが、ラフィットを含む5大シャトー(ラフィット・ラトゥール・マルゴー・オーブリオン・ムートン)がボルドーのジロンド川左岸を代表するシャトーとすれば、右岸を代表するシャトーが今回のペトリュスです。ボルドーで最も高価なワインでもあります。

 

 

今回のワインはどうして1992年なのか?それは私が大学を卒業して、社会人になったのが1992年だからです。1992年のボルドーは必ずしも出来の良い年ではなく、どちらかと言えば評価の高くないヴィンテージです。果たしてどうでしょうか?

 

 

 

色は極めて美しいボルドー・ルージュ。驚いたことに、30年ものなのに、まだ縁に茶色やオレンジのニュアンスが出ておらず、熟成によりこなれてはいるものの、まだバリバリの現役、という感じでした!

 

香りはメルロ主体のペトリュスの艶めかしい香りが全開!「魅惑の香り」とはこの香りのことを言うのでしょう。土っぽい熟成香も出ていますが、エレガントで甘く丸い香りが支配的で、本当に心地良かったです。

 

味は旨味や甘さが前面に出てきて、極上の飲みもの!とにかく凝縮感が半端ない!1992年はぶどうの摘み取りの最中に雨が降ったので、軽めで気さくなボルドーが多い印象を持っていましたが、見事に覆されました。まだ10年は持ちそう。20年行けるかもしれません!

 

 

 

いや~、シャトー・ペトリュス1992、めちゃめちゃ凄いワインでした!「1992年=軽めで気さく」と覚えていたので、いかにペトリュスとは言え、30年だと厳しいかな?30年間働いて、それなりに疲れた自分と一緒で少し緩いかな?笑 とか思っていましたが、全然違いました。全く嬉しいサプライズでした!

 

 

 

 

 

さて、上記の通り、私は今年3月で社会人になって働き始めてからちょうど30年間となりました。これ書くとおおよその歳が分かってしまいますが、もはや諦めました、笑。1つの会社で30年間続けて働いてきて、とても感慨深いものがあります。

 

この間、困難な業務でピンチの連続だったり、キツい残業が慢性的にあって3年もピアノを弾けなかったり、病気や怪我もしたり、いろいろなことがあって本当に大変でしたが…、おかげさまで何とか30年続けて働くことができました。

 

 

良いことも沢山ありました。組織で仕事を回すためのコミュニケーションや調整のスキルを身に付けたり、英語や海外出張の業務を通じて世界が広がったり。何もないところから事業を立ち上げる企画系の仕事に多く携わったので、新しいことにチャレンジしたり、困難にも負けずに形にすることに、喜びを感じるようなポジティブ思考となりました。

 

 

「仕事を通じて人生を豊かにする。」

 

 

私はこのことを固く信じていますが、その一方で、実際にこのことを実現できた私は幸運だったんだと思います。

 

 

中でも、困難が続く中、お互いに励まし合い切磋琢磨し合った同期。ロールモデルとしてスキルや立ち振る舞いを学んだ素晴らしい先輩たち。そして、お酒の席に誘うと喜んで参加してくれる頼もしい後輩たちに恵まれたのは、人生の貴重な財産となりました。

 

 

仕事で何を成し遂げたのか?それは分かりません。また、自分で評価することでもないでしょう。私はあんなことも、こんなことも、仕事で凄いことをした!なんて、手前味噌にブログに書くことはしません。なぜなら、書く必要がないから。そして、仕事に上も下もなく、どんな仕事も尊いと思うからです。

 

ただ前向きに真摯にしっかりと仕事をしてきた。その達成感さえあれば十分です。今はお互い励まし合って高め合った同期の大親友とともに、このシャトー・ペトリュス1992という素晴らしいワインを存分に味わって、満ち足りた気持ちに静かに浸るのが良いでしょう。

 

 

無事に30年間働くことができた原動力。これは即答します。それはズバリ…、

 

 

音楽とお酒です!

 

 

月曜から金曜までびっしり働いて、金曜の夜に気のおけない仲間たちとコンサートを聴きに行って、その後に食事とお酒を楽しんで。時には朝までバーをはしごして、笑。ハードな一週間を乗り切るための大きなモチベーションとなりました。

 

 

N響、都響、読響、東響、日フィル、新日フィル、紀尾井ホール室内管弦楽団、バッハ・コレギウム・ジャパン。本当によく聴きに行きました。大いに感謝します!特にお財布事情の厳しかった20代の頃、N響の1,000円(当時)の自由席にはかなりお世話になりました。

 

 

自分でピアノを弾くことも本当に大きかったです。仕事でストレスがあっても、ピアノを弾けばリフレッシュできますからね。ドビュッシー/沈める寺で、イースの大聖堂の鐘が鳴り響く場面をフォルテで弾けば、大概の嫌なことは消え去ります、笑。

 

また、幻想曲や演奏会用アレグロなど、スクリャービンのめくるめく転調尽くしの曲を弾けば、頭の中がドーパミンで満ち溢れ、多幸感に包まれます。ショパン/幻想ポロネーズにもお世話になりました。また、「ピアノ男子」は社会で生きていく上でブレない、自信の源にもなります。男の子のいらっしゃるお母さん、大いにお勧めします!

 

 

 

最後に、本ブログをご覧いただいている皆様へ。皆様に記事を見ていただいたり、いいね!やコメント、メッセージを入れていただけたのは、仕事をしていく上で、困難に打ち克つ場面で、本当に心強かったです!

 

無事にここまで来れたのは、家族や友人たちと共に、間違いなく、みなさまのおかげです。感謝感謝!本当にありがとうございます!そして、これからも、引き続きどうぞよろしくお願いします!