今年もおかげさまで数多くのワインを楽しむことができましたが、先週土曜に、その最後を飾るワイン、シャトー・パルメ2001をいただいてきました。
(写真)シャトー・パルメ2001。この重厚なラベルには惚れ惚れします。
シャトー・パルメは2年前、1999年を楽しんだ時に記事にしました。ボルドーのマルゴー村において、かのシャトー・マルゴーに続く立ち位置。時にシャトー・マルゴーを凌ぐこともあると言われるスーパー・シャトーです。
1999年はワイン漫画「神の雫」で第2の使徒として、レオナルド・ダヴィンチの「モナリザ」の絵に喩えられたワインでしたが、今回のヴィンテージは、今年せっせと開けてきた2001年。とても楽しみです。
(参考)2019.3.16 シャトー・パルメ1999(神の雫/第2の使徒)
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12447688210.html
色はかなりこなれてきているものの、まだまだ若さも感じるボルドールージュ。縁はやや薄くなっていますが、オレンジや茶色は入っていません。何というか、色のきめ細やかさを感じました。
香りは一言で言うとエレガント!カベルネ・ソーヴィニョン由来の黒い果実の香り、艶かしいメルロの香り、ヴァニラ香を始め、様々な香りが複雑に絡みます。豊かな大地の恵み。ボルドーとプロヴァンスの違いこそありますが、先日に観たゴッホ/緑のぶどう園の絵を思い出します。
(参考)フィンセント・ファン・ゴッホ/緑のぶどう園
※ゴッホ展で購入した絵葉書より
まあ、抜群に香り甲斐のある、見事なワインです。開けてしばらくすると、香りがパツーンと満開になって、クラクラしてしまうような、そんな素晴らしいワインでした。
味は繊細で上品。タンニンのきめ細やかさを感じる一方で、それだけではない構築力、フィネスも大いに感じます。そうでありながら、マルゴー村特有のフィニッシュのきめ細やかさと柔らかさも存分に感じます。鴨の料理に合わせて抜群!いま開けて十分楽しめますが、もう5年寝かせても美味しく飲めると思います。
シャトー・パルメ、さすがはマルゴー村のスーパー・シャトー、全く見事なワインでした!「モナリザ」の包み込むような優しい雰囲気を感じた1999年とは異なり、どちらかと言うと、パルメのポテンシャルや力強さを前面に感じました。2001年のボルドーの中でも傑出したワインという印象。今年最後を飾るに相応しい、素晴らしいワインでした!
さて、今年は以下の通り、ボルドーのメドック地区の主要な4つの村のワインを飲む機会に恵まれました。私のストックはポイヤック中心なので、同じ年で4つの村が揃うのは珍しいです。
(1)サン・テステフ
シャトー・コス・デストゥルネル2001
(2)ポイヤック
シャトー・ラフィット・ロートシルト2001
シャトー・ピション・ラランド2001
シャトー・ランシュ・バージュ2001
(3)サン・ジュリアン
シャトー・デュクリュ・ボーカイユ2001
(4)マルゴー
シャトー・パルメ2001
シャトー・フェリエール2001
これら4つの村を同じヴィンテージの2001年で水平に飲んでの感想は、シャトーの個性も感じつつ、4つの村のテロワールの個性や違いをよく確認できた、ということでした。それぞれの個性が教科書通りにハッキリ出ていた、という印象です。
2001年は必ずしも傑出したヴィンテージではないので、だからこそ、その土地の個性がより明確に出るのかな?と思ったしだい。同じボルドーのジロンド川左岸のワインなのに、本当に面白いです。
そして、2001年ヴィンテージのボルドーは、(右岸はヴィユー・シャトー・セルタン2001を試したのみでしたが)もう開けて十分楽しめる、どちらかと言うと、そろそろ早めに開けた方が良い、という印象を持ちました。昨年2000年ヴィンテージは2本開けてみて、まだ早かったので、その他のワインを封印したのと好対照です。
こういうのは本当に面白いですね!その年の気象によって、ワインの仕上がり方が違って、飲み頃も変わってくる。ワインって、地球のダイナミックな事象を体感できる、本当にスケールが大きくて、ロマンティックなお酒だと思います。と同時に、本ブログがそんなワインを楽しむきっかけになったり、実際の問題として、ワインをいつ開けたらより楽しめるのか?その参考に少しでもなれば幸いです。
来年2022年は、20年ものとなる2002年ヴィンテージのボルドーのワインを中心に楽しむ予定です。さらに満を持して、超大物!も登場する予定。どうかご期待ください!